【アニメコラム】アニメライターが選ぶ、2015年冬アニメ注目の5作品を紹介!

慌ただしい年末が過ぎ去り、新年を迎えたのも束の間。早くも1月3日から新作アニメがスタートする事実を君は知っているか!? 2015年冬アニメの総数は35本以上。息もつかせぬ怒濤のラインアップがそろっているぞ!

今回はそんな冬の新作アニメの中から、注目の5作品をピックアップ。新年の幕開けを彩る話題作をお見逃しなく。




■「艦隊これくしょん -艦これ-」

登録ユーザー数220万人を突破した大人気ブラウザゲームがアニメになってついに登場! 旧日本海軍の艦艇を美少女擬人化した「艦娘(かんむす)」を育てながら敵と戦うというシステムは、原作未プレイの方もご存じのことだろう。ゲームでは世界観がほとんど明かされていない「艦これ」だが、アニメは深海棲艦と呼ばれる脅威に制海権を奪われてしまった世界が舞台となる。在りし日の艦艇の魂を持つ艦娘が、艦隊の拠点・鎮守府で共同生活を送りながら演習に励む日々が描かれていくぞ。
戦闘パートはもちろん日常描写にも力が注がれ、部活モノの学園アニメのような雰囲気を楽しむことができそうだ。原作と同様に、1人のキャストが複数の艦娘を担当しているのもポイント。主人公である特型駆逐艦・吹雪役の上坂すみれをはじめ、個性豊かなキャラクターたちを演じ分ける女性声優陣の熱演に注目してほしい!


■「アイドルマスター シンデレラガールズ」
2015年にシリーズ10周年を迎える「アイドルマスター」のソーシャルゲームをアニメ化。その魅力は何と言ってもバラエティに富んだアイドルたちだ。所属アイドル13人の765プロダクションとは異なり、本作の346プロダクションは豊富な人材を誇る大手事務所。「働いたら負け」を地で行く脱力系の双葉杏、語尾に「ニャ」をつける猫キャラの前川みく、ゴスロリファッションに身を包んだ中二病テイストの神崎蘭子など、彼女たちの性格も実にユニーク。ゲームには約200人のアイドルが登場しているが、アニメではどのメンバーが姿を見せるのだろうか。
監督は以前のテレビアニメシリーズや劇場版でシリーズ演出を務めた高雄統子さんが担当。これまでのファンも安心して楽しむことができそうだ。また765プロのアイドルが出演するのかも気になるところ。新人アイドルとしてのステップを駆け上がるシンデレラたちを見守っていきたい。


■「ユリ熊嵐」
「輪るピングドラム」の幾原邦彦監督が3年ぶりに贈るオリジナルアニメシリーズ。小惑星の爆発によって地球上のクマがヒトに襲いかかるという、インパクト抜群の世界観。ヒトとクマの間に築かれた「断絶の壁」を乗り越え、嵐が丘学園に転入してきた人食いクマの美少女。さらには突如行われる謎の「クマ裁判」と、ミステリアスな要素が盛り沢山! 予想不可能な学園モノに引き込まれること必至だ!
そんな奇抜な設定に目が行きがちだが、タイトルに“ユリ”とあるように、少女たちの関係性を軸にストーリーは進んでいく。「美少女戦士セーラームーン」シリーズや「少女革命ウテナ」で女性キャラの機微を描いた幾原監督なだけに、細やかな心理描写も見逃せない。舞台演劇や記号的表現などの要素も取り入れたスタイリッシュな演出の虜になってしまうはず。


■「幸腹グラフィティ」
原作は「まんがタイムきららミラク」(芳文社)にて川井マコトさんが連載中のお食事4コマ。美術予備校に通う、町子リョウ、森野きりん、椎名の女子中学生3人が、食を通じてふれあっていく青春ストーリーで人気を博している。本作の見どころは、やはり食事シーンだろう。料理の美味しさに感動し、ときにはエロティックな表情まで浮かべる少女たちがアニメでどう表現されるのか。声優オーディションでは複数のメニューを食べ分ける演技まで求められたとのことで、こだわりの描写を堪能できそうだ。
総監督は「魔法少女まどか☆マギカ」、「化物語」の新房昭之さん、シリーズ構成は「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」、「true tears」の岡田麿里さんが務める。数多くのヒット作を手掛け、確固たる作家性も持ち合わせた2人のコラボに注目が集まっている。お腹が空かないよう夜食を準備したうえでオンエアを楽しもう。


■「デス・パレード」
文化庁が支援する若手アニメーター育成プロジェクト「アニメミライ」。その2013年版の一篇として上映された「デス・ビリヤード」を元とする本作。アニメミライ作品がテレビシリーズ化されるのは今回が初めてで、多くの関心が寄せられている。舞台は同時刻に命を落とした者が集うBAR・クイーンデキム。そこに招かれた2人の死者は、白髪のバーテンダー・デキムの導きでデスゲーム対決をすることになる。極限の心理状態の中で、人間の隠された本性が暴かれていく様は必見! 無慈悲に裁定される死者の叫びは多くの観客の胸を打った。
「デス・ビリヤード」はさまざまな謎を残して幕を閉じたリドル・ストーリーであったが、本作では登場人物が増え、世界観の一部も解き明かされるようだ。監督・脚本はもちろん「デス・ビリヤード」を手がけた立川譲さん。新進気鋭のクリエイターによるオリジナルストーリーを堪能したい。

(文/高橋克則)

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