LiSAファンがハイレゾ音源マスターに!? ニューアルバム「Launcher」ハイレゾ先行試聴会レポート!

「ハイレゾとはなんぞや?」 試聴会はレクチャーからスタート


2015年3月4日に3rdアルバム「Launcher」をリリースするLiSA。CD発売と同時にハイレゾ配信もスタートすることを受け、ファンに向けたハイレゾ先行試聴会が行われた。2月21日、ソニー本社の大会議室に集まったのは100人ほどのLiSAファン。男女比にもほとんど差がなく、LiSAが性別を問わず支持を集めていることがひと目でわかる。今回のイベントの趣旨は、良質の再生機器によってLiSAのハイレゾ音源を味わうこと。それによって、ハイレゾの魅力を体感してもらうこと。ということで、LiSAの登場に先駆けて、まずはハイレゾに詳しいオーディオライター・野村ケンジ氏が登壇した。「ハイレゾは簡単に言うと、大きなデータです。デジタルデータは大きくなればなるほどレコーディングしている時の音に近づき、さらに自然に、さらにリアルになっていきます」。つまりは、CD音源よりもハイレゾのほうがLiSAの生の声を感じることができる、と野村氏。

ハイレゾのポイントを簡単に整理すると、
・データサイズが大きく、音の波形がより滑らかになることで歪みが少なくなる
・レコーディングされた音がダウンコンバートすることなく、そのままの形で配信されるため、アーティスト本来の姿が楽しめること、とのこと。

だが、視聴前に参加者に向けられた質問では、ハイレゾ再生機器を持っている人は、かなり限られていた。そこでまずは、言葉で説明するよりも、耳で体験してもらおうということで、「Launcher」にも収録されている5thシングル「Rising Hope」を使って、MP3音源とハイレゾ音源を聴き比べてもらうことに。まずはMP3、次にハイレゾが流されたが、参加者は耳をすまして、その違いを聞き分けようとする。「いい曲ですね。MP3でも十分と思ったんですけど(笑)」と場を和ませる野村氏。「でも、ハイレゾは音が細かくなる分、音がタテヨコに広がります。ひとつのマイクの前に、それぞれの楽器が代わる代わる出てきて演奏している印象のMP3に比べて、ハイレゾは演奏者全員の音が見通せる感覚。LiSAさんの声もリアルで、実際に会ってお話しした時の声がそのままスピーカーから出ています。」再生された音によりグルーヴ感が出て、演奏者のスピリッツとパワーを感じ取ることができるのがハイレゾ。難しくとらえることはなく、そのノリを楽しんでほしい、と野村氏の説明は、とてもわかりやすい。


LiSA登場。「みんな固いよ~(笑)。いつもの感じでゆるくいきたいと思います!」


そして、いよいよLiSA本人が、大きな拍手に迎えられて登場。
「大学の講義みたいに、みんながマジメに『Rising Hope』を聴いてる姿が面白かったです!」と参加者をリラックスさせ、「カッコいいアルバムができたので、みなさんに聴いてもらって、ここでしかできないお話をお伝えしたい。みんな固いよ~(笑)。いつもの感じでゆるくいきたいと思います!」とあいさつ。続いて、サウンドディレクター兼レコーディングエンジニアの岡村弦(げんだむ)氏も席につき、「Launcher」に収録された新曲9曲のハイレゾ音源視聴がスタートする。ちなみにこの日使われた機材はすべてソニー製で、HDDオーディオプレーヤー「HAP-Z1ES」/プリメインアンプ「TA-A1ES」/スピーカーシステム「SS-AR1」という組み合わせ。

まずはアルバムのトップを飾る「Mr. Launcher」。「まず言いたいのは、かっこいいから1曲目にしました」とLiSA。「去年1月の武道館ライブでいろいろな想いを感じて、今年1月の武道館2DAYSを越えれば、私って無敵! になると思いました。だから、“俺ら突っ走ってくしかねーだろ!”という曲を、今回のアルバムの1曲目にしたいと思いました。」「かっこいいだろ-?」というLiSAの問いかけに、参加者は「かっこいい!」とレスポンス。岡村氏の解説によれば、「Mr. Launcher」はイントロにこだわりがあるという。何かが始まる予感がするSE(効果音)とLiSAのカウントダウンで、アルバム全体の世界観が一気に開けていく印象だ。「すっげーベース、かっこよくなかったですか?」と、くだけたコメントを加えるのは野村氏。「グルーヴ感の違いが、この曲ではよくわかると思います。ハードなサウンドは、実はハイレゾ向きなんです。」

続いて、3曲目に収録されている「rapid life シンドローム」。LiSA「これは先輩(UNISON SQUARE GARDEN 田淵智也)に、LiSAっぽい曲、みんなが元気になれる曲を作って、とお願いしてでき上がりました。クラップがあったりコールがあったり、ライブでみんなで作り上げていく曲になっています。」実際にLiSAはこの曲がかかっている間、手を振り上げて踊ったり、クラップを要求したりしてノリノリ。参加者たちもそれに応え、この日一番の熱い雰囲気ができ上がっていた。演奏も勢いがあって、その秘密を岡村氏とLiSAが掛け合いで明かしていく。

岡村「LiSAの曲の楽譜はコード譜だけで、メンバーがアドリブでフレーズを作っていくことが多いんですよね。」
LiSA「ボーカルも演奏も、まずはかっちりしたテイクを録って、最後に思いっきり楽しんだテイクを録るんです。げんだむさんが『お前ら、いけるかー!』と言うと、メンバーのテンションが変わります(笑)。」
「ノリいいっすよね」と、それを受けて野村氏。
「マジメに話すと、ベースとドラムがずっと抑えずに突っ走っているんですよ。それなのに、LiSAさんのボーカルもギターも負けてないのがすごい。(アレンジ兼ベース担当の)黒須克彦さんは凝りますよね。」
LiSA「ハチャメチャにして! と黒須さんにお願いしました(笑)」

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