「花とアリス殺人事件」、ノベライズ担当・乙一からのコメントが到着! 「いつまでも観ていたいとおもわせるロトスコープ作品はめずらしい」

2月20日より公開中のアニメ映画「花とアリス殺人事件」だが、小説家・乙一さんからのコメントが発表された。

「花とアリス殺人事件」は、岩井俊二さんが原作・脚本・監督を務めた実写映画として2004年に公開された「花とアリス」の前日譚となるアニメ映画。岩井俊二さん初の長編アニメで、原作・脚本・音楽・監督は岩井さん自身が担当する。また、「花とアリス」に出演した女優の蒼井優さんと鈴木杏さんがアリス役と花役の声優として参加。収録はプレスコ方式(絵にあわせるのではなく、先に声を録音する)で行われたとのことで、2人の声優としての演技にも注目が集まる。内容は、史上最強の転校生・アリスと史上最強のひきこもり・花の出会いの物語。

今回、2月に小学館より発売された小説版を担当した乙一さんからのコメントが発表に。特徴的なロトスコープ技法(=実際に撮影した実写映像ををトレスしてアニメーションにする技法)についても触れつつ、以下のとおり語っている。

・乙一(ノベライズ担当)コメント
心地よいアニメだった。登場人物に愛着を抱き、いつまでも観ていたいとおもわせるロトスコープ作品はめずらしい。この技術はまだ人類にとって開発途中の代物だ。岩井監督はそこに見事な道しるべを立てたのだ。
この映画における登場人物は生身の身体性を宿している。しかし表情はアニメ的なディフォルメがほどこされている。それらが違和感なくひとつの存在として画面内に息づき、抽象性と具象性の境界をふわふわと漂いながら世界観を形成する。両親の離婚、そして婚姻届、それぞれの契約に影響されながら二人の少女の世界観がゆらぎ、そして出会う。そのユーモラスな顛末と、絶妙の会話に、おかしみがどこまでも加速した。

おすすめ記事