【オタク女子の事情とホンネ】オタク女子が春にかぎらず出会いと別れを繰り返す理由
春といえば出会いと別れの季節。みなさんいかがお過ごしですか。アラサーオタク女子のずんだ里美です。
ずんだはアラサーなので、春になってもたいした出会いや別れはありません。さみしいですね、大人になるって。とはいえ、この4月からオタク人生において最愛のアニメと言っても過言ではない『デジモンアドベンチャー』の新作が放送開始されるとあって、ウキウキしています。ええ、いくら15年前に比べてキャラデザがあまりにもシュッとしてしまったとはいえ、太一(※1)をはじめ、無印(※2)のみんなが戻ってくるんですからね。そりゃ興奮しないわけがありません。
(※1)八神太一。『デジモンアドベンチャー』の主人公。勇気の紋章を持つ。
(※2)デジモンシリーズにおいて『デジモンアドベンチャー』のことを指す言葉。『デジモンアドベンチャー02』は「02」、『デジモンテイマーズ』は「テイマ」などと略される。
世は無常……。オタク女子だって無常
無印が放送されていた15年前といえば、私がオタク女子になりたての頃。それからずいぶんと月日が経ち、現在に至るまでさまざまな出会いや別れがありました。あるジャンル(※3)にハマっては同人誌をつくり、また別のジャンルにハマっては同人誌をつくり。デジモンに至っては同人誌即売会を主催してしまうほどの愛しっぷりでした。
(※3)特定の「作品」もしくは「作品シリーズ」のこと
例文「ねえ、今なんのジャンルにハマってるの?」「『進撃の巨人』だよ〜!」
しかし、世の中は無常です。かつては絶大な人気があり、コミケでもかなりのサークル数を誇っていたデジモンも、アニメ放映が終了すればだんだんとサークルの数も減っていき、気付けば弱小ジャンルになっていました。そして私もいつの日か、デジモンでの同人活動から遠のいていきました。
そりゃそうですよね。かつてオタク女子の間で一世を風靡した『鋼の錬金術師』だって、『ヘタリア』だって、同じです。今まさに旬の『ハイキュー』だって、勢いのある『刀剣乱舞』だって、いつかは必ず廃れてしまうんです……。
今回はそんなオタク女子の「ジャンルの移り変わり」について、語りたいと思います。
オタク女子は移り変わりが激しい!?
個人差はあれど、一般的にオタク女子は、オタク男子に比べてジャンル移行が激しいと言われます。男子が1つの作品(もしくはキャラ)にハマったらしばらくはそこへ一直線、じわじわと愛を深めて長く好きでいつづけるのに対し、女子は「熱しやすく冷めやすいタイプが多い」ですね。そして、次のジャンルへの乗り換えも素早い。これって男女の恋愛の傾向といっしょかもしれませんね。
オタク女子がジャンルを変える主な理由としては、「単純に新しい作品にハマったから」「今のジャンルが廃れてきてしまったから」「旬ジャンル(※4)の方が、盛り上がっていて楽しい」などさまざま。なかには「今のジャンル内での人間関係が微妙になって、いづらくなったのでジャンルを変えた」なんていう女子っぽい理由もよくあるとか……。
(※4)今オタク女子の中で特に人気のあるジャンルのこと
ちなみにずんだはオタク歴15年の中で、本格的にハマったジャンルはデジモン含め4ジャンルほど。これは結構少ないほうかもしれません。もちろん、ちょっとかじったものは多々ありますけどね。
ジャンルを変えたら前ジャンルはどうなるの……?
ここで素朴な疑問が生まれると思います。ジャンル移行したオタク女子は、あんなにハマっていた前ジャンルのことをすっかり忘れてしまうのか?と。これは人それぞれです。私の場合はどのジャンルも大切な、忘れられない思い出。頻繁に前ジャンルの同人誌を読んだり、妄想したりして前ジャンルも愛でつづけます。反対に、前ジャンルのことはきれいサッパリ忘れてしまうというオタク女子もいるでしょう。
なかには、その時その時の旬ジャンルにどんどん乗り換えていくという強者もいます。もちろん、旬ジャンルは公式グッズも同人誌もたくさん出るし、イベントも多いしで、とても楽しいですからね。ただ、旬ジャンルならなんでもかんでも、というのは、ずんだ的にはちょっと理解できません……。
こういった人たちは「移動民」とも呼ばれているようで、旬ジャンルに飛びついて一瞬でそのジャンルを盛り上げるものの、ジャンルから離れるのも早いとか。「移動民」たちがやってきて消えていくことで、あたかもそのジャンルがあっという間に廃れたように見えてしまうので、長くハマり続けるファンにはあまり好かれていないようです。
ちなみに「移動民」は、オタク男子が陥りがちな「アニメ難民」とは性質が違います。アニメ難民の場合は大好きすぎて、もはや生活の一部となっていたアニメの放送が終了してしまい、なにをよりどころに生きていったらいいかわからないという状況のこと。本当は難民になんてなりたくないし、第2期が始まろうものなら歓喜するでしょう。このようにアニメ難民が「作品愛」で動いているのに対し、「移動民」と呼ばれる人たちは「その作品が今、大人気だから」という理由で、作品愛にかかわらず軽い気持ちでジャンル移動するのです。
ただ、そんな移動民とは違って、多くのオタク女子はジャンル移行に慎重です。今のジャンルはどうするのか、愛するジャンルが増えたら精神的にも金銭的にも持たないのではないか、などなど悩みは尽きません。それでも新しいジャンルにハマってしまったら、大抵は楽しくなっていきます(笑)。「あれには絶対ハマらない!」と思っていたジャンルに思いがけずドハマりしてしまうというハプニングも、よくありますね。
春でも、春でなくても、オタク女子は素敵な出会いに敏感です。ほら、あなたの身近でも、オタク女子が新しいジャンルにハマりはじめているかもしれませんよ?
(文・絵/ずんだ里美)
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