アニメとのバランスを考えながら、いつものように破綻させてみました ──東京カランコロンは、サウンドの妙がクセになる!

女性ボーカルのせんせいと、男性ボーカルのいちろー。個性的な2人をフロントにすえ、ポップでありながら、どこか奇妙なサウンドを奏でる5人組、東京カランコロン。TVアニメ「食戟のソーマ」エンディングテーマ「スパイス」は、彼らの最新シングル。食をテーマにした幸福感たっぷりの楽曲となった。また、カップリングでは、料理つながりで、あの懐かしいアニメソングをカバー。いったい、どんな仕上がりになったのか?


東京カランコロン=笑顔。「スパイス」には食卓の幸せが詰まっている


──何度も尋ねられているとは思いますが、なんで“せんせい”なんですか?


せんせい
 私はすごいマイペースで、スタジオで練習していて、みんなが曲のことをああだこうだ話し合っている時に、1人で絵を描いてたり、ボーッとしていることがよくあって。「せんせい、ちょっとお願いしますよー」みたいな感じで言われることから、せんせいになりました。


いちろー ふざけて持ち上げてみたのが最初でした。

──メンバーはそれぞれ、あだ名っぽいんですよね。


いちろー
 僕は名前のままですが、ギターのおいたんは大学時代のあだ名ですね。本名は及川です。ドラムのかみむー氏はほかのメンバーよりちょっと歳が上なんですけど、上村さんって呼ぶのは他人行儀だったので、かみむー氏になりました。最近は、むー氏と略してます。ベースの佐藤全部は、僕らといっしょにやる前から、その名で活動してました。

せんせい 自称“全部”なんです(笑)。

──個性派揃いで、サウンドもひねくれているというか、流しては聴けないひっかかりがある音になっていますよね。


いちろー そうですね。ギターやドラムのフレーズは毎回すごく考えて作っています。

──逆にメロディはすごく聴きやすくて。誰がメロディを作っているんですか?


いちろー
 メロディは僕が作ることが多いんですけど、今回の「スパイス」はせんせいが作ったものが元になっています。ちょうど前のアルバム(2015年1月リリースの3rdアルバム「UTUTU」)を作っていた頃で、みんなでせんせいのメロディをいじっていた時に、「食戟のソーマ」のエンディングのお話をいただいて。

せんせい お話をいただいた時には、すでに曲のサビができていたんです。


いちろー サビのメロディが「食戟のソーマ」にフィットしているように感じて、これがいいなと。そこからみんなでイントロやAメロ、Bメロを構築していきました


──東京カランコロンにとって、TVアニメのタイアップは初めてですよね。お話が来た時、どう思いましたか?


せんせい
 面白そう! って思いました。それから、私たちでいいの?って(笑)。東京カランコロンは、いろいろなタイプの曲をやるいい意味でつかみどころのないバンドなので、私たちを選んでくれたということは、東京カランコロンというバンドそのものを気に入ってくださったのかなと。そう思うと、うれしかったです。


──アニメ制作サイドから、何か要望はあったのでしょうか?

せんせい
 私が歌うということと、あとなんだっけ?

いちろー エンディングテーマなので、ある程度はしっとりとしつつ、前向きな明るい曲にしてほしいというのと、食卓をみんなで囲むとか、いっしょにご飯を食べるというフレーズが入れてもらえれば、と。


──そうしてでき上がった「スパイス」は、食事の幸せがめいっぱい詰まった曲になっていました。


せんせい 私たちは、普段の時もライブの時もけらけら笑っていることが多くて、東京カランコロン=笑顔というイメージがあると思います。

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