“手描き感”を大事にした新TVシリーズ「ルパン三世」の魅力 友永和秀総監督インタビュー
30年ぶりに、TVシリーズとして放送される「ルパン三世」。1話完結でありながら、新ヒロインをめぐる横糸の張られた厚みのある構成は、深夜アニメを見慣れたアニメファンでも唸ってしまうはず。手描き感あふれる作画も、大きな見どころだ。
総監督をつとめるのは、「ルパン三世 カリオストロの城」冒頭のカーチェイスの原画を手がけ、「ルパン」シリーズとは付き合いの長い友永和秀さん。今回は、友永総監督に過去の「ルパン」シリーズの思い出、原画を描くことの面白さ、そして、今回の新作「ルパン三世」の注目ポイントをお聞きした。
ひとりの原画マンとして参加した「ルパン」
──友永総監督は、「ルパン三世」の第2シリーズ(1977年・以下「新ルパン」)から、原画で参加されていますよね。
友永 ええ、当時はOH!プロダクションに在籍しながら、「新ルパン」の原画を描いていました。参加した話数はけっこう多くて、「ネッシーの唄が聞こえる」(第4話)、「ベネチア超特急」(第8話)、「カリブ海の大冒険」(第14話)、「白夜に向かって撃て」(第31話)、そのあたりのエピソードを、OH!プロ社内で描いていました。後半はテレコムに出向するような形で、宮崎駿さん演出の「死の翼アルバトロス」(第145話)、「さらば愛しきルパンよ」(第155話)、吉田しげつぐさん演出の「神様のくれた札束」(第153話)、ドリルミサイルみたいなメカの出てくる「マイアミ銀行襲撃記念日」(第143話)や「ルパン逮捕ハイウェイ作戦」(第151話)などの原画を描いていました。
──どんなシーンを多く描かれていたのですか?
友永 アクションやドタバタが多かったです。宮崎さんの演出回でも、空中戦だとか自衛隊の戦車が出てくるシーンを、主に任されました。第1シリーズの「ルパン三世」(1971年・以下「旧ルパン」)でも、宮崎さんや大塚康生さんの担当回はドタバタだっでしょう? そっちの方が、僕の好みだったんです。
──「旧ルパン」は、前半は大隈正秋さんの演出で、かなりハードな雰囲気でしたよね。
友永 ええ、「旧ルパン」前半のハードボイルドな雰囲気、当時としては難解なストーリー展開も好きでした。パイカルの出てくるエピソード(第2話「魔術師と呼ばれた男」)が、印象に残っています。
──ただ、ご自分で原画を描く場合は、ドタバタがお好きなんですね?
友永 ええ、東映動画(現・東映アニメーション)の長編アニメ、「長靴をはいた猫」や「どうぶつ宝島」が大好きでしたから。そのせいか、僕に回ってくるシーンは、アクションが多いんです。
──劇場アニメ「ルパン三世 カリオストロの城」(1979年)では、冒頭のカーチェイスを描かれましたね。
友永 ええ、だけど車を描いたことがなくて、最初は、車の得意な青木雄三さんに振られたらしいんです。それが僕のところへ回ってきて、宮崎さんがラフな原画を描いて見せてくれました。「なるほど、こういう感じに描けば、車らしく動くのか」と理解できました。
──今回の新作「ルパン三世」にも、フィアットが出てきますね。
友永 僕はまったく車にくわしくなくて、自分で運転することもないんですけど、ルパンにはフィアットが似合ってるんでしょうね。(笑)
「カリオストロの城」以降の「ルパン」との関係
──テレコムで「カリオストロの城」に参加したあと、またOH!プロダクションに戻りますよね?
友永 そうです。OH!プロに戻って仕事していたら、大塚康生さんから「また来ないか」と、誘われたんです。「今度はフル・アニメーションの劇場用超大作をやる」と言うんです。それが「NEMO/ニモ」(1989年)ですね。「ぜひ参加してみたい」と思い、テレコムに移籍しました。
──「NEMO/ニモ」というと、1冊の本になるぐらい(大塚康生「リトル・ニモの野望」)、難航した企画ですね。
友永 ええ、テレコムは「NEMO/ニモ」を作るために、立ち上げられたスタジオだったんです。
──なぜ、テレコムで「カリオストロの城」をつくることになったんでしょう?
友永 大塚さんはテレコムにいたけれど、演出家が決まっていなかった。そこで、日本アニメーションにいた宮崎さんを呼んだんじゃないでしょうか。当時の宮崎さんは「未来少年コナン」(1978年)を終わらせたばかりだったので、その勢いで「カリオストロの城」に入ったんでしょうね。4~5か月で、映画1本つくっちゃったんです。
──その「カリオストロの城」が、公開当時はヒットしなかったのが驚きですね。
友永 そうなんです。同じ年に「銀河鉄道999」(友永氏は原画として参加)が公開されて、そっちは大ヒットしたんですよね。
──「カリオストロの城」のあとも、友永さんは「ルパン」シリーズに関っていきますが……。
友永 「じゃりん子チエ」(1981年)の原画なんかもやりつつ(笑)。
──そうでしたね(笑)。その後、「ルパン三世 風魔一族の陰謀」(1987年)では作画監督とキャラクターデザイン、「ルパン三世 くたばれ!ノストラダムス」(1995年)では絵コンテとして参加されますね。
友永 「ノストラダムス」では、他の方の絵コンテを直したり、イメージボードを描いたり、“何でも屋”でした。自分でも原画を描いたし、人の原画を修正したりもしました。
──今回の「ルパン三世」でも、原画は描かれているのですか?
友永 ええ、いま描いているところです。
──やはり、原画は、ご自分でも描きたいんですね。
友永 描きたいというか、描かざるを得ないというか……(笑)。車の走っているシーンとアクションシーン、あとは外注の人の原画を、少し直したりもしています。
──最近の「ルパン」だと、小池健さんがキャラクターデザインをなさった「LUPIN the Third -峰不二子という女-」(2012年)、「LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標」(2014年)がありましたね。あの2本は、いかがですか?
友永 今まで見たことのない「ルパン」で、面白かったですね。小池さんのキャラは、僕とはまったく持ち味が違っていて、最初に見たときは松本零士さんのキャラとかと思いました(笑)。「次元大介の墓標」でも、ちょっと原画を描いているんですよ。
──どのシーンを描いたんですか?
友永 ヤエル奥崎が、次元を狙撃するシーンです。銃はくわしくないので、小池さんに直してもらいましたけど……あと、例によって、カーチェイスも描いています(笑)。
──「峰不二子という女」「次元大介の墓標」は、とても大人っぽい雰囲気でしたね。
友永 ええ、その幅広さが、40年もつづく「ルパン」人気の秘密なんでしょうね。何でもありというか、どういうスタイルもありなんです。毎年のテレビスペシャルでも、監督さんによって、常に味わいが違う。「名探偵コナン」と競演しちゃったときは驚きましたけど(笑)、それさえも許されてしまうキャラクターなんでしょうね。
ですから、今回の「ルパン三世」も、かつて大塚さんやテレコムの描いてきた古き良き「ルパン」の雰囲気を引き継ぎながら、今風のストーリーを取り込んで、個性的な作品になっています。
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