【アニメコラム】アニメライターが選ぶ、2015年秋アニメ注目の5作品を紹介!

今年最後の新番組ラッシュがやってきた! 2015年秋アニメは60本以上の作品がラインアップされている。今回は新作チェックを忘れていた人に向けて注目の5作品をピックアップ。人気シリーズの最新作からミュージカルアニメ、あの国民的ギャグマンガの続編まで、ユニークな作品が勢揃いした。


機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ


「ガンダム」シリーズ最新作は火星の少年兵が主人公。民間警備会社CGS(クリュセ・ガード・セキュリティ)に所属する三日月・オーガスをはじめ、大人に虐げられてきた子供たちが自分の手で生き抜く姿が描かれていく。青春に焦点を当てたストーリーに加え、腰が“くびれ”ている主役機ガンダム・バルバトスのメカデザインも特徴的。実は300年前に製造されたため装甲が劣化していて、敵機からパーツを奪うことで外見と性能が変化するのだ。第1話では砂煙が舞う中、実弾兵器を中心とした泥臭くも迫力のある戦闘シーンが繰り広げられた。主人公の成長とともに姿を変えるガンダムに注目したい。

監督の長井龍雪さんとシリーズ構成の岡田麿里さんは、現在公開中の映画「心が叫びたがってるんだ。」やテレビアニメ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」「とらドラ!」などをともに手がけた経験を持つ。思春期の少年少女を鮮やかに描いてきた2人が「ガンダム」をどう表現するのだろうか!?

Dance with Devils(ダンデビ)


「DIABOLIK LOVERS」などの乙女向け作品を手がけてきたゲーム制作会社・Rejet原案のオリジナルミュージカルアニメ。歌をテーマにした作品は数多いが、ミュージカルアニメはまだまだ珍しい。気になる音楽は「うたの☆プリンスさまっ♪」や「戦姫絶唱シンフォギア」のライブシーンを盛り上げたElements Gardenが担当。歌、セリフ、ダンスなど多彩な要素が絡み合った映像を楽しめそうだ。

もちろん個性派揃いのキャラクターたちも見逃せない。主人公・立華リツカを狙う四皇學園生徒会長・鉤貫レムはアクマ、彼女を必死で守るエクソシストの兄・リンドはエクソシスト、さらに謎のヴァンパイアまで登場する少しダークな世界観となっている。監督は人気少女マンガ原作の「アオハライド」を映像化した吉村愛さんが担当する。

コンクリート・レボルティオ~超人幻想~


宇宙人、怪獣、魔女っ子、妖怪、オバケ、ロボット、サイボーグなどなど……。これまでのフィクションで描かれてきた「超人」がもし同時に実在していたらというコンセプトから生まれたオリジナルアニメ。主人公は「超人」の登録と保護を任務とする「超人課」所属の青年・人吉爾朗。魔法、時間操作、必殺光線といった特殊能力を扱う「超人」たちの中、ただひとり、ごく普通の人間である彼がどのように立ち向かうのか?

舞台は戦後の日本ではあるが、神化という架空の年代を取り入れている。カラフルでポップな背景には街を走る路面電車やレトロな看板が描かれ、高度経済成長期の昭和を感じることができる。監督は水島精二さん、脚本は會川昇さん、アニメ制作はボンズが担当。「鋼の錬金術師」や「UN-GO」を手がけた2人が「超人」の現在地を描き出していく!

牙狼-紅蓮ノ月-


特撮ドラマ「牙狼<GARO>」シリーズのテレビアニメ第2弾。前作の舞台は中世ヨーロッパ風だったが、今回は平安の都に一新。幻想的な「牙狼」の世界観と豪華絢爛な平安京が融合し、新たな黄金騎士の物語を紡ぐ。主人公・雷吼の声には、ドラマでも主演を務めた俳優の中山麻聖さんを抜擢。実写とドラマで主演を務めるのはシリーズでも初めてのことである。

さらに前作でメインキャストを務めた朴璐美さん、矢島晶子さん、浪川大輔さん、堀内賢雄さんも再び起用された。藤原道長など歴史上の人物も登場すると明かされており、物語にどう絡んでくるのかも見どころになるだろう。キャラクターデザインは前作で声優を務めたことも話題になったマンガ家の桂正和さん。監督は「NARUTO -ナルト-」のアクション回で脚光を浴び、「グイン・サーガ」を初監督を務めた若林厚史さんだ。

おそ松さん


ギャグマンガの神様・赤塚不二夫の生誕80周年を記念して、伝説の六つ子「おそ松くん」がまさかの復活。大人に成長したことからタイトルを「おそ松さん」に改めて、27年ぶりのアニメ化に挑む。注目はなんと言っても豪華キャスト陣だ。おそ松役の櫻井孝宏さんを筆頭に、中村悠一さん、神谷浩史さん、福山潤さん、小野大輔さん、入野自由さんと、人気男性声優を六つ子に起用。大人になってもいっしょに暮らしているおそ松たちを演じる。

第1話ではあらゆるアニメの要素を詰め込んだようなハチャメチャなストーリーを展開。誰もが一度はマネをしたイヤミの伝説ギャグ「シェー!」も披露され、赤塚作品らしいカオスぶりを見せつけた。監督は「銀魂」シリーズの藤田陽一さん。原作を巧みに昇華させる手腕は本作でも遺憾なく発揮されている。アニメ制作は前作を手がけたstudioぴえろが行う。



(文/高橋克則)


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