新たな“始まり”を感じている、今。──May’nが、ニューシングル「夜明けのロゴス」をリリース

菅野よう子プロデュースによる新曲「夜明けのロゴス」を、12月16日にリリースするMay’n。「アクエリオンロゴス」のオープニングテーマとして作られたこの曲にこめた、「今」の想いとは? また、CDには、千菅春香とのコラボによる同エンディングテーマ「本当の声をあなたに預けたくて」含む、多彩な全4曲も収録され、聴き応え十分。アーティスト活動10周年を迎えたMay’nに、2015年を締めくくるシングルについて、たっぷり語ってもらった!


菅野さんから、「まだ10歳なんだよ」と言われました


──2015年の前半、May’nさんはノドの療養のため活動を休止している時期がありました。ニューシングル「夜明けのロゴス」は、活動再開後、最初にリリースされるCDということになりますね。

May’n はい。タイトルに“夜明け”という言葉が入っていることもあって、「夜明けのロゴス」からは、始まりの歌というイメージを強く感じました。10周年を迎えて、私はまた、ここから歌い始めるんだという想いをこめて、この曲を歌いました。

──前作の「ヤマイダレdarlin’」もそうでしたが、10周年を迎えた年に、菅野よう子さんのプロデュースによる新曲を制作したということに、どのような意味を感じていますか?

May’n 私にとって、「マクロスF」での菅野さんとの出会いはとても大きな出来事で、あれから何年も経って、久しぶりにご一緒させていただけたことが、まず何よりもうれしかったです。直接お目にかかると、パワーをいただける方で、今回も私の気持ちにすごくいい影響を与えてくださいました。

──その影響とは?

May’n 10周年ということで、周りのスタッフさんからは「もう中堅だね」と言われることが多くなっていたんです。うれしいのと同時に、もう私は10年やってきたんだから、音楽に対してわからないことがあっちゃいけない、どんな現場にも慣れているのが当たり前なんだというプレッシャーを、なんとなく感じていたような気がして。でも、今回のレコーディング中に、菅野さんが「歌手人生はまだ10歳なんだよ」とおっしゃってくださったんです。「10歳なんて、人間で考えたら、ようやく世の中のことがわかって、大人とも少しずつ話せるようになる歳じゃない? だから、これからなんだよ」と。その言葉を聞いて、肩の荷が降りて、私は、まだまだこれからなんだというポジティブな気持ちになることができたんです。

──菅野さんらしい、穏やかだけど説得力があるお言葉ですね。

May’n 菅野さんは、人生のあらゆることが音楽に結びつくという考え方で、私に接してくださるので、単に歌のテクニックだけじゃなく、人間的な成長をうながしてくださるんです。気さくな方で、いつも安心してお話しさせていただけるんですけど、音楽的な部分ではめちゃくちゃ追いこまれます(笑)。

──ハードルをどんどん上げてくるという(笑)。

May’n 今までもずっと、「ここ、難しい……」というところも、無言のまま「できるでしょ」みたいな圧力があって。ですから私もいつも「負けないぞ!」という気持ちで臨んできました。「夜明けのロゴス」も最初のキー合わせの時に、「こっちのほうが難しいから、こっちにしてみようよ」と言われて。その楽曲が一番輝く場所を常に目指して、私のこともそこまで連れて行ってくださる方です。菅野さんとの制作は、そこが一番楽しいところですね。


今だからこそ歌いたい曲に巡り会えました


──「夜明けのロゴス」は、とても複雑なメロディを持つ曲だと思うのですが、いかがでしょうか?

May’n 表情が大きく変化していく曲だと感じました。もがいて悩んで、なんとかはい上がって、でも本当にこれでいいのかと考えながら、一歩一歩前に進んでいく。そんな情景がメロディからイメージできる曲です。

──Gabriela Robinさんによる歌詞も、かなりシリアスです。

May’n 「アクエリオンロゴス」の後半のストーリー展開に合わせて、前作の「ヤマイダレdarlin’」と比べても、ぐんとシリアスになっています。過酷な運命にさらされつつ、自分の力で未来を切り開いていきたいという強さを持った詞だと感じました。でも、ただ辛い、悲しい、というだけでなく、いろいろなキャラクターの多彩な感情が織り込まれているんです。そういう意味では、メロディの複雑さも相まって、ミュージカルのような曲になっていると思います。

──May’nさん自身が、この詞から一番感じたことはなんですか?

May’n 言葉を発する「声」は、想いを乗せないとただの「音」になってしまう、相手に言葉を届けたいという強い気持ちを持つことが大事なんだという「アクエリオンロゴス」のテーマが、「夜明けのロゴス」の歌詞にも表現されていると感じました。それは、一度ノドを壊して復帰した、私の今の気持ちにもすごくリンクして。今だからこそ歌いたい曲に巡り会えたという思いがありました。

──アニメ主題歌であると同時に、自分自身の「今」を歌った曲でもあると。

May’n はい。私自身、この10年の中でいろいろな葛藤があり、それでも前に進んでいこうという気持ちがあって、そんな中でたどり着いた新たなスタート地点が、この曲なんだと思えました。先ほども言った通り、まさに「夜明け」で、またここから始まるという曲です。

──いろいろな想いがこめられた詞とメロディですが、サビはしっかりキャッチーで、一度聴いたら忘れられないものになっています。

May’n そうですね、変わったリズムが登場して、歌詞も「愛 恋 passion expression」と印象的なワードが次から次へと飛び出して。ライブでは、より魅せるパフォーマンスができるサビだと思います。

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