歌詞に込められた、ストーリーの鍵を探して──多くの活動の場を持つ織田かおりが、ニューシングルをリリース

梶浦由記の「FictionJunction」、Revoの「Sound Horizon」と、人気クリエイターのプロジェクトに参加してきた織田かおりが、ニューシングル「ゼロトケイ」をリリースする。ソロシンガーとしては、女性向け恋愛シミュレーションゲーム、いわゆる“乙女ゲーム”の主題歌を多く歌ってきた彼女。乙女ゲーム原作のTVアニメ「ノルン+ノネット」のエンディングテーマ「ゼロトケイ」は、まさに得意とするフィールドだ。


頭も体も柔軟な時期に、梶浦さんとRevoさんに出会いました


──まずは織田さんのすごい経歴からおうかがいしたいのですが、梶浦由記さんと出会ったきっかけは何だったのですか?

織田 梶浦さんの担当マネージャーさんが私の担当もされていた事から、梶浦さんが、TVアニメ「ツバサ・クロニクル」の挿入歌の歌い手を探している時に、抜擢して頂きました。

──それで歌ったのが、FictionJunction KAORI名義での「tsubasa」だったんですよね。その後、FictionJunctionのCDやライブに欠かせない歌姫のひとりになっていきます。

織田 FictionJunctionの曲は、高校大学と並行して歌ってきたので、あの曲は何年生の頃みたいな記憶の残り方をしていますね。

──同時期に、RevoさんのSound Horizonにも参加されていますよね。

織田 Sound Horizonでは、歌だけでなく、踊ったり演技したりと舞台女優のようなことを求められて、刺激的でした。早くに梶浦さんとRevoさんに出会い、関われた事は自分にとって大きかったと思います。本当にいい環境にいたんだなと。

──お2人からはどんな影響を受けましたか?

織田 FictionJunctionもSound Horizonも誰かと一緒に歌うということで、共演者の方と息を合わせることが大事になってきますが、梶浦さんもRevoさんも、その中で1人ひとりの個性を尊重してくださいました。そんな中、自分でいろいろと考えながら歌うことで、シンガーとしてのあり方を感じ取っていたと思います。

──それぞれに違いは当然ありますよね。

織田 梶浦さんは、歌を聴いて気づいたことをいろいろおっしゃってくれる方です。逆に私が関わっていた頃のRevoさんは、ご自身で作られた物語を、演者にも体験してもらいたいという想いが強いように感じました。

──おもしろいですね。

織田 このような経験があったので、作詞家の方に、歌詞の解釈を尋ねたり、私なりの解釈で歌ったり使い分けていて、聴いてくださる方にも自由に感じていただければと思っています。

──その時代に、すでにソロ活動もおこなっていて、最初に歌った「Brilliant World」は2007年に発表された曲でした。

織田 誰もハモる人がいないんだって思いました(笑)。当時ソロとして、本格的に始めたという形ではなく、その後2013年に1stアルバムの「PLACE」をリリースした時、ソロとしてやっていくということを意識しました。私の場所を作っていくという思いをこめてつけたのが、「PLACE」というアルバムタイトルでした。

──そこから現在までは、地に足をつけてソロ活動をされているなと。

織田 ソロでは主に、乙女ゲームの主題歌を多く歌わせていただいています。いろいろなタイプの曲を歌ってきましたが、乙女ゲームの最後にかかる曲なので、ハッピーエンドを飾る暖かい曲が多かったですね。

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