「まさか6年もこの衣装を着るとは思ってませんでした」「ミルキィホームズ」がいよいよ劇場版アニメに! 声優4人が結成6周年のミルキィについてぶっちゃけトーク

偵都ヨコハマを舞台に、トイズという不思議な力を持った探偵と怪盗たちが争う大探偵時代を描いた探偵コメディアニメ「ミルキィホームズ」シリーズ。2010年にTVシリーズ第1作目「探偵オペラ ミルキィホームズ」がスタートし、現在までにTVシリーズ4作と、短編アニメ3作が作られている。作中に登場する4人組の探偵チーム・ミルキィホームズを演じる声優――三森すずこ、徳井青空、佐々木未来、橘田いずみもまた、声優ユニット“ミルキィホームズ”として活動中だ。

そんなアニメ「ミルキィホームズ」が、7年目にしてついに劇場版アニメとなる。「劇場版 探偵オペラ ミルキィホームズ ~逆襲のミルキィホームズ~」のアフレコを終えた“ミルキィホームズ”の声優4人に、作品やキャラクターへの想い、プライベートでも仲がいいという4人の関係性について語ってもらった。笑い声に包まれた、楽しい座談会となった。


──劇場版公開おめでとうございます。初めて聞いたとき、率直にどう思われました?

三森 私たちが「ミルキィホームズ」が結成6周年なんです。アニメが4作放送されたり、その間に私たちもユニットとして武道館ライブができたりアニサマに出たりと、大きな出来事がたくさんありました。全然関係ない始球式にも出たりして(笑)。この6年でいろんな活動をしてきたけれど、劇場版はまだやってなかったんだなって。でも実は、アニメの第1期が始まった頃に「いつか大きなスクリーンで『ミルキィホームズ』を見たいね」って話していたことがあったんです。原点に戻ってその夢をかなえたんだなって思って、うれしかったです。


佐々木 最初に劇場版のお話を聞いた時は、現実味がなくて、信じられなくて。「『ミルキィホームズ』みたいなギャグアニメが劇場版?」って、いまだにちょっと信じていないところもあるんです(笑)。アフレコは終わったんですけど、「これ本当に映画館でやるのかなぁ」って。映画館にこの劇場版のポスターが貼られて、それを見て興味を持ってくれる人もいるのかななんて思うと、不思議な気持ちでいっぱいです。

橘田 「ミルキィホームズ」が始まった頃、「いつかは劇場版だ」って言うと笑いが起きていたんです。でもこの6年でミルキィを知ってくれる人が増えたから、劇場版が実現できたんだなって思うと感慨深いものがありますね。でも「ミルキィホームズ」はちゃんと知らせてくれないのが不満! 武道館ライブをやると決まったときも、噂でさらーっと「武道館やるらしいよ」って感じだったし、私たちへのサプライズなんてなかったし。今回の劇場版もゆるりと、徐々に知っていったんですよね。

徳井 いつの間にかスケジュールに「劇場版収録」って書いてあったもんね(笑)。

橘田 そうなんです。だからスタッフさんは、次こそはサプライズで教えてほしいなって思っています。「劇場版おめでとう」みたいなケーキが出てきて、みんなで一緒に盛り上がりたい。

三森 いつも「聞いた? 聞いた?」みたいな感じだからね。

橘田 だいたい定食屋で聞くよね(笑)。最近になってやっと実感がわいてきたんですよ。

徳井 私も劇場版と聞いてとてもびっくりしたしうれしかったんですけど。映画だからきっとシリアスなお話になるのかなって予想したんです。前に「探偵オペラ ミルキィホームズ Alternative」っていう、いつもと違う雰囲気の短編アニメをやったことがあったので、劇場版もそんな感じなのかな、感動大長編になるのかなと思ってたら、まさかのギャグ満載の劇場版! 台本を読んでさらにびっくりしましたね。


──5年以上同じ作品が続くってすごいことですよね。しかも同じメンバーで。

三森 6年、それなりに長かったなって感じはありますよ。

徳井 6年変わらないでいるほうが難しいもんね。

橘田 未来ちゃんなんて未成年だったのに。

佐々木 お酒も飲めなかったこの私が、もうすぐ25歳ですからね。

三森 癒し系だった未来ちゃんも、今じゃこの中で一番の酒豪になりました(笑)。小学1年生だった子供がもう卒業するぐらいの年月と考えると、このメンバーってもう、地元の友達に近いのかも。そういう人が私の人生にいるというのがすごくうれしいんです。

橘田 そうだよね。大人になると、何年も同じ人と一緒にいることってあんまりないもんね。

──お互いどんなところに成長や変化を感じますか?

三森 みんなそれぞれ進化してると思います。

佐々木 まさか6年もここの探偵服を着るとは思ってなかった(笑)。

橘田 でも同じ服をずっと着られるってすごいことだよ。

三森 サイズが変わってない。頑張って体型をキープしています(笑)。

橘田 最初とくらべて、ダンスを早く覚えられるようになりましたね。最初は1曲の振付を3、4日かけてた。1週間かかったときもあったもんね。

徳井 一番最初の曲はすごい時間かかったよね。それがもう今は1曲を2時間ぐらいで覚えられるようになりました。

三森 ライブをたくさんやってきたので、「今回はこういうライブにしたい」って自分たちから提案できるようにもなりました。「探偵歌劇 ミルキィホームズ TD」のときはTDをモチーフにしたライブにして、自分たちで小ネタをはさんだりとか。作る楽しさを知っていきましたね。

佐々木 あとはやっぱり、チームワークがすごくよくなりました。


橘田 今はもうトークの時の不安がないよね。こう言えば誰かがつっこんでくれるってわかるようになったし、今日は何しゃべろうって不安に思うこともなくなりました。この4人なら大丈夫って思えるんです。

──作品やキャラクターと一緒にみなさんも成長してきたんですね。

佐々木 最初は本当にすべてが初めてでしたからね。

三森 だって私たちこれしかなかったもんね。

橘田徳井 うんうん。

三森 この6年の間にみんなが声優として成長して、「ミルキィホームズ」以外の作品に出てるのをテレビで見ると、「この人こういう声出せるんだ!?」って驚くんですよ(笑)。いつも近くにいるはずなのに、知らない一面がまだある。「お姉ちゃんってすごいな」「うちの妹が頑張ってる」みたいな気持ちになりますね。

──4人はライバル関係ではないんですか?

佐々木 この4人って本当にバラバラなんですよ。声質が違うので、役がかぶらない。みんなが萌え声だったらライバルだったかもしれないけど(笑)。

三森 やるキャラもかぶらないし、性格も得意なこともバラバラ。風通しがいい関係なんです。

橘田 絵が得意なのは青空だけだしね。「私も漫画家になりたい!」って人はいない(笑)。

徳井 「私だって餃子好きだし! 私も餃子の本出したい!」とかもない(笑)。

橘田 ダンスやってきたのはすずちゃん(三森)しかいないから、ダンスのときに張り合うこともないよね。


三森 「私だって未来ちゃんに負けないぐらいお酒好きなのに!」とかもないし。

佐々木 ちょっと、私だけなんでお酒?(笑)

三森 未来ちゃんは一番のムードメーカーだから(笑)。この4人って個性バラバラなんだけど、食の趣味だけは一致してるんですよ。みんなお肉が大好き。

徳井 こないだ「ミルキィの4人って食べるスピードが同じだね」って言われて、確かにそうかもって思った。焼き肉行くと、普通女の子ってちょっとずつお肉を焼いてはサラダをつまんで……みたいな感じなのに、私たちはすごい勢いで肉を食べてる。

佐々木 確かにがっついてるもんね(笑)。

三森 4人ともお肉が大好きで、4人で焼き肉に行くとタンは1人1皿頼むんです。ライブのリハーサルとかのときも、部屋にあるのはお菓子じゃなくて生ハムやピクルスとか。

橘田 つまみみたいなのが多いよね。こないだマスカットがあったのが女子っぽかったぐらい(笑)。

三森 糖分より塩分を求めるのがミルキィホームズです(笑)。

──この劇場版で、「私はここが面白かった!」という個人的にオススメのポイントを教えてください。

三森 ちっちゃい笑いがいっぱい詰まっているので、とにかくずっと笑いっぱなしになると思います。「このシーン、こんなに長くやる必要ある?」みたいに、見ている人が思わずつっこまずにはいられないシーンがたくさん。それこそが「ミルキィホームズ」らしいところだと思ってます。

佐々木 息つく暇もないぐらい笑いどころがありますね。私が演じるエリーは、最初からずーっと探偵服を着てないんですよ(笑)。「この子はいつ服を着るんだろう」って思いながらアフレコしてました。でもそれがエリーらしいところ。みんなそれぞれキャラクターらしさがしっかり出ているなって思いましたね。

橘田 私は、4人がフルボッコされたときの顔がツボに入っちゃって。みんなが笑い終わった後も私ひとり、お腹震えるぐらい笑ってました。見たらきっとわかると思いますが、お客さんもきっと大爆笑する場所だと思います。

徳井 細かい笑いが多くて、「セリフ1行ごとに笑いをはさんでる!」って思うぐらい。スタッフのみなさんの愛を感じますね。絵で言うと今回の4人は変顔が多いんですが、その分すっごくかわいい顔も多くって。アニメの第1期・第2幕でよく出ていたミルキィたちの丸っこい顔が私は大好きだったので、今回もそういう顔がたくさん見られるのがうれしい。「かわいい!」って思ったその2秒後には「もう変顔!」ってなっちゃっています。

橘田 そういうところに、「やっぱり『ミルキィホームズ』ってこうだよね」っていう安心感があるよね。

三森 いちいち「これ何の意味が?」って考えたら負けなんです。どんどん次にいかないと。

佐々木 考えても多分、答えは出ないです。

橘田 ぜひ頭をからっぽにして楽しんでください!



『劇場版 探偵オペラ ミルキィホームズ ~逆襲のミルキィホームズ~』
2/27(土)より新宿バルト9、池袋HUMAXシネマズほかにて全国ロードショー。



(取材・文:大曲智子)

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