早見沙織、1stアルバム「Live Love Laugh」。全曲解説していただきました!

「やさしい希望」、「Installation/その声が地図になる」と、2枚のシングルをリリースしてきた早見沙織。アキバ総研では、シングル発売ごとにインタビューを行ってきた。そして、いよいよ待望のファーストアルバム「Live Love Laugh」が完成。彼女にしか表現できない、奥行きのある世界がここに! 今回は、11曲の収録曲すべてについて、早見さんより最新のコメントをお届けします。


アルバムタイトルは私からのメッセージでもあります


──アルバムタイトルはシンプルですね。

早見 いろいろな案を考えていまして。ファーストアルバムなので、始まりの意味を持つ言葉を使おうかなとも思ったんですけど、結果的にこのタイトルになりました。今後活動していった中で、ファーストアルバムを振り返った時に、こういうことを大事にしてアルバムを作っていたんだなと初心に戻れるような、そんな言葉が3つ並んでいます。

──「生きている」「愛している」「笑っている」ですね。

早見 その3つが重なって、自分の気持ちでもあるんですけど、みなさんに呼びかけるメッセージにもなるかなと思いました。「生きよう」「愛そう」「笑おう」という感じで。

──デザイン性が高い3語かなと思いました。ジャケットデザインのタイポグラフィーもセンスがいいですよね。

早見 ありがとうございます。それはひとえにアートディレクターさんのおかげです。ジャケットの衣装に関しても、コンセプトを定めずに、お洋服を選びましょうということになって、いくつか用意していただいた候補の中には色味の多い服もあったのですが、ナチュラルでシンプルなものに落ち着きました。

──シンプルだからこそ奧が深いという印象を、アルバムタイトルやアートワークからも感じました。では収録曲について、1曲目の「NOTE」から順に語っていただきたいと思います。

早見 「NOTE」は新曲です。アルバムの6割ほどが完成したあたりで、スタッフのみなさんと「アルバムの1曲目はやっぱり新曲にしたいよね」と話し合って、たくさんの候補曲の中から、1曲目らしい曲調を選びました。さわやかな始まりになったと思います。音楽的には盛りこみ過ぎず、引き算したというか。楽器のいいところを生かして、ナチュラルな音になりました。

──「NOTE」は作詞、作曲が矢吹香那さんです。

早見 曲を選んだ段階から、歌詞も付いていて、それがアルバムの始まりにぴったりだったんです。1曲目なのに、「サヨナラ」という言葉から始まるという軽い仕掛けもあったりして。おそらく矢吹さんが、最初の曲になることを見越して作ってくださったんだと思います。なので、ほんの少しだけ歌詞を直していただいただけで、そのまま採用させていただきました。

──2曲目「やさしい希望」と3曲目「その声が地図になる」は、どちらもシングル曲で、しかも「赤髪の白雪姫」のオープニングテーマです。

早見 この2曲は同じアニメのテーマソングだったので、アルバムで続けて並べていいのかどうか、悩みました。「赤髪の白雪姫」のイメージが濃くなり過ぎてしまうかもしれないと思ったんですが、曲の雰囲気やテイストを考えた時に、「NOTE」「やさしい希望」「その声が地図になる」という流れが、とてもよくて。

──「NOTE」が「サヨナラ」から始まるのに対して、「やさしい希望」は「はじまり」という言葉が先頭に来ていて、その対比も面白いですね。

早見 言われてみれば、そうですね(笑)。

──「やさしい希望」は早見さんのソロデビューシングルですが、今、この曲に対してどんな印象をお持ちですか?

早見 歌えば歌うほど感じ方が変わってくる楽曲です。イベントなどで歌う機会が多い楽曲なので、歌う度にこの曲の持つパワーも感じますし、難しさも実感します。

──この曲は本番前のプリプロ段階の録音が、そのまま完成版になったんですよね。

早見 そうなんです。ファーストシングルということで、初々しい歌声を残そうということになって。

──なおさら、ライブで歌うごとに曲が育っていくという実感があったのではないですか?

早見 歌う回数が増えるにつれて、ここはこう表現したいという気持ちも増えていきました。それまでキャラクターソングを歌ってきた私が、ソロアーティストとしてデビューするということで、「やさしい希望」は、キャラソンとソロ曲の境目になった曲なんです。最初にレコーディングした時はまだ、キャラクターソングを歌う歌声や心構えが残っていて、今振り返ると、この時期しかない歌になっている気がします。

──しかも、主人公の白雪を演じていらっしゃるわけですからね。

早見 そうですね。ですから、白雪として歌うという部分もあった曲でした。

──2クール目の曲である「その声が地図になる」では、ボーカルは変化したのでしょうか?

早見 ほんの少し変わっているところはあるかもしれません。白雪を1クール演じた後にレコーディングしましたし、アーティストとして歌うことにも多少は慣れてきたので。

──「その声が地図になる」は、バスドラムの入り方や拍子が奇数だったりして、トリッキーな部分もある曲です。

早見 遊び心がある曲です。アルバムの流れとしても、この曲から先は個性的な楽曲のゾーンに入っていくという感があります。

──最初の3曲はすべて、作曲に矢吹香那さん、編曲に前口渉さんのお名前がクレジットされているんですよね(「やさしい希望」は、作詞:早見沙織、作曲:矢吹香那。「その声が地図になる」は作詞・作曲が早見沙織・矢吹香那の連名)。

早見 本当ですね。奇しくも、という感じで。これは意識して並べたわけではなく、偶然です。

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