観客と熱く一体となって盛り上がった「i☆Ris」2度目の全国ツアー最終公演「i☆Ris 2nd Live Tour 2016」東京公演レポート

大人気の声優アイドルユニット、i☆Ris。その2ndアルバム「Th!s !s i☆Ris!!」発売に合わせての全国ライブツアー「i☆Ris 2nd Live Tour 2016」の最終公演が、5月21日Zepp Tokyoにて行われた。


レーザービームの飛び交う演出の中、i☆Risの6人がステージに登場。オープニングを飾る3曲は「プリパラ」OP曲でもあった「ドリームパレード」「ブライトファンタジー」、そして初期の名曲にして「プリティーリズム・レインボーライブ」のED曲にも使われた「§Rainbow」という、耳馴染むキャッチーなナンバーからスタート。のっけから観客のコールもすごいが、6人も歌詞の合間合間に声を発してマイクを客席側に向けるなど、積極的に煽りを入れてステージ全体をヒートアップさせてゆく。「プリパラ」で澁谷梓希さんが演じるドロシー・ウエストの口癖ではないが、まさに「テンションMAX!」状態。

まずは元気で明るいi☆Risを見せたところで、メンバー紹介。芹澤優さんは「このツアーで(オタク用語の)『優勝』を知りました。優勝の「優」は、「優ちゃん」の優じゃない?」とどや顔するや客席からは大声援、両隣の山北早紀さんと茜屋日海夏さんから即座に物理ツッコミ(笑)。茜屋日海夏さんはキャッチフレーズの「汗もしたたるいい女」に引っ掛けて「今日はみんなも一緒に汗かいていけるかい!?」とコールアンドレスポンス。若井友希さんと久保田未夢さんは、巧みに客席のサイリウムを自分のイメージカラー一色にしてもらうトークをするなど、客席との一体感もバッチリ。

「ユメノツバサ」「ココロノオト」のメドレーからステージ前半のコンセプトとも言える、情熱的でカッコイイ系の楽曲を次々披露していく。それに合わせラメが入った黒い燕尾服風のドレスとショートパンツという、コケティッシュなコスチュームがより映える。ここでは2nd

アルバムでの話題のひとつでもある、あえて6人揃いでないメンバー個別の曲を中心に構成されており、ちょっとセクシャルな振付も含めて「大人な艶っぽい」i☆Risを見せてくれた。

曲が終わるごとに一旦暗転するのも、そうしたアダルトでスタイリッシュなムードを盛り立てるのに一役買っていた。


そしてi☆Risのライブでは、恒例的なコーナーとも言える生アフレココーナーがスタート(配役は公演ごとにシャッフルされる)。6人がスタンドマイクの前に台本片手に立つと、ステージの上であってもきちんと「声優」の居住まいになるのは、さすが。

今回のドラマは、二癖も三癖もある6人のバンパイア王国の少女が、アイドルオタクになった国王の命令でアイドルユニットを組まされるハメになって、四苦八苦……という愉快なストーリーだ。自己紹介を考えるシーンは各々i☆Risでのキャッチフレーズのパロディを披露。山北さんが役名もじりで「あなたが好きなのは?トー様、ジー様……いいえ、カー様」と、さきさママを引っ掛けたお母さんネタを。戦隊シリーズ大好きな茜屋さんは「バンパイアパープル・バル!」と、特撮ヒーロー的なポーズを決めるなど場内は大盛り上がり。ダンス経験をアピールするシーンでは澁谷さんの見事なコサックダンスに場内は感嘆の声。また別のシーンでは女性エリア側に行って、演じるおマヌケ系キャラとは真逆のイケボを披露して黄色い声援を受けていた。久保田さんはロボットダンスならぬ、ヘンテコなフォークリフトダンスで笑いを誘い、セリフには頻繁に好物のヨーグルトを入れ込んでくるアドリブを連発。芹澤さんの役は正攻法なキュート系キャラだが、適宜入れるアドリブも冴えており、若井さんの低めのボーイッシュな演技も非常にハマっていた。6人とも「プリパラ」で磨かれたコメディエンヌとしての実力を、存分に発揮する内容だった。

このドラマのクライマックスとなる即席バンパイアアイドルのステージが、そのまま次のナンバー「Vampire Lady」になるという、メタ的でシームレスな流れにもニヤリ。途中で入る山北さんのあざと系な「君だけだよ」のセリフには、場内から大きな歓声が沸き上がった。

後半は、衣装も白を基調とした可愛らしいドレスにがらりとチェンジして、「YuRuYuRuハッピーデイズ」からスタート。その一糸乱れぬ傘を使ってのダンスの見事さ! 間奏部分での若井さん、澁谷さんの恋人同士のかけあいは、セリフだけでないちゃんとした芝居で、場内は冷やかし声でいっぱいに(笑)。

次の「キラリ」から、いわゆる名曲集コーナー。「i☆Risらしい」元気で明るく楽しいナンバーが立て続く。後半の衣装はそうした楽曲構成にマッチしており、前半とのコントラストも鮮やか。ちなみに、前半と後半の間は3分程度の映像を使ったインターミッションとなっており、メンバーは早着替えをする必要がある。その大変さを若井さんはMCで明かしたのだが、そこで「アンコールでも別の衣装に着替えるでしょ」と、思わずアンコールがあることをネタバレ(笑)。そこをアンコール時に山北さんからツッコまれていた。


ステージのクライマックスは、「Make it!」「幻想曲WONDER LAND」「Realize!」と、イントロだけで一気に盛り上がる定番曲=必殺技ナンバーの連続! こうした必殺技曲は、ライブを重ねていかないと出来ない部分もあり、それを持っているというのはi☆Risにとって本当に強みと言える。また「幻想曲WONDER LAND」が顕著だが、i☆Risのダンスの振付は、歌詞の内容に沿ってちょっとしたスタンツ(芝居)を交えたものが多い。「ライブミュージカル『プリパラ』み~んなにとどけ!プリズム☆ボイス」をはじめとして、この1年で舞台経験も積んだ彼女たちは、そうしたスタンツがより感情豊になったようにも思う。


惜しみない拍手とともに始まったアンコールでは、フリートーク的なグッズ紹介で場を和ませて……特製大型トートバックの紹介で「ゆうきちゃんも入るかな?」と澁谷さんが言うやいなや、バッグに入ろうとするそぶりを見せる若井さんのボケも傑作!……、恒例となっている記念写真は、優勝ポーズでパチリ。Tシャツ姿の6人は、白系・黒系を半々ずつ着用していて、それがアンコールの楽曲のフォーメーションでは、対になるように考えられているところも心憎い限り。

そして現在の「プリパラ」のOP曲「Ready Smile!!」を熱唱。シングルの発売は6月1日なので、フルサイズを初めて聴いたファンも多かったのでは? そんな最新曲から、デビュー曲の「Color」に繋ぐ流れも絶妙。

このツアーを振り返って6人がそれぞれコメントを述べた後、オーラスは「Th!s !s i☆Ris!!」収録のしっとりした「Raspberrynight」。ステージを覆い隠すほどの幻想的なスモーク演出もバッチリで、3時間近くに及んだ熱いライブは幕となった。


すっかりメジャーなアーティストになったi☆Risだが、歌い終わるごとに「ありがとうございます!」と深々とお辞儀をする姿や、ファンと一体になってライブを盛り上げていきたいこと強く感じさせるスタンスは、非常に真摯で「ファンと良い意味で親しい」距離感を匂わせるものがある。秋に控える武道館へ向けて、期待が高まるライブでもあった。

なお、このライブで、「双星の陰陽師」の7月期からのOPをi☆Risが担当することが発表され、そのシングルも8月に発売されることが告知された。

i☆Ris 2nd Live Tour 2016 ~Th!s !s i☆Ris!!~2016.05.21 @Zepp Tokyo


【SET LIST】

01.ドリームパレード

02.ブライトファンタジー

03.§Rainbow

04.ユメノツバサ/ココロノオト

05.Over the future

06.My Bright...

07.鉄腕ガール

08.Secret Garden

09.Baby...

生アフレコ

10.Vampire Lady

11.YuRuYuRuハッピーデイズ

12.キラリ

13.Happy New World☆

14.Fanfare

15.Make it!

16.幻想曲WONDER LAND

17.Realize!

18.Goin’ on

EN1.Ready Smile!! (6/1発売シングル「Ready Smile!!」)

EN2.Color
EN3.Raspberry night


→次ページに、ツアーを振り返ってのメンバーコメントを掲載!

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