【アニメコラム】アニメライターが選ぶ、2016年夏アニメ注目の5作品を紹介!

2016年夏の新作アニメは「あにぽた」によると50作品以上。夏バテしてる暇なんてない魅力的なラインアップがついにお披露目となった。

今回はその中から、ファン待望の新シリーズ「ラブライブ!サンシャイン!!」、朝と深夜のダブル放送「斉木楠雄のΨ難」、小学生と女子高生の異色ラブコメ「初恋モンスター」、青春サイキックストーリー「モブサイコ100」、人気サンリオアニメの短編作「SHOW BY ROCK!! しょ~と!!」をピックアップ!


ラブライブ!サンシャイン!!


サンライズ×ランティス×電撃G'sマガジンによるメディアミックス企画「ラブライブ!」のシリーズ最新作。本作ではキャラクターを一新し、私立・浦の星女学院のスクールアイドル「Aqours(アクア)」の活躍を描いていく。3人姉妹の末っ子でリーダーの高海千歌、堕天使ヨハネと称する小悪魔風アイドルの津島善子、イタリア系アメリカ人のハーフで「シャイニー☆」が決めゼリフの小原鞠莉など、今回も個性的なメンバーが揃った。

第1話には前シリーズでも見られた水のモチーフが盛り込まれ、これまでの余韻を残しながらも新たな幕開けを感じさせる出来映えとなった。物語の舞台である静岡県沼津市の入り海も美しく、夕日で海面がキラキラと輝く描写はAqoursのこれからを象徴しているようだ。アニメだけに留まらない活動を見せる9人をこれからも追いかけていきたい。




斉木楠雄のΨ難


「週刊少年ジャンプ」(集英社)連載のサイキックコメディをアニメ化。テレパシー、サイコキネシス、テレポートなどあらゆる超能力を使いこなす男子高校生・斉木楠雄が、その力を隠して平凡な学園生活を過ごそうとする日々を描く。彼の日常を脅かすのは、何も考えていないため思考が読めないミステリアスバカ・燃堂力、意味ありげなセリフで周囲を戸惑わせる中二病患者・海藤瞬などバラエティ豊かな面々。常にクールな斉木はほとんど喋らず、モノローグだけで冷静なツッコミを入れ続けていく……。

主演の神谷浩史を筆頭に実力派キャストが揃っており、斉木の父・國春役に岩田光央、母・久留美役に愛河里花子と、実際に夫婦の2人を起用。第2話ではラジオでもおなじみの軽快な掛け合いを披露していた。朝のバラエティ番組「おはスタ」の平日帯と、日曜深夜とダブルオンエアという珍しい放送形態も要注目。




初恋モンスター


少女マンガ誌「ARIA」(講談社)連載のコミックが原作。見た目は大人にしか見えないイケメン小学5年生・高橋奏に一目惚れしてしまった女子高生・二階堂夏歩の恋愛模様を描いたラブコメディだ。男性キャラは原作以上に小学生であることが強調されており、第1話ではピー音に遮られつつも、男性器名称が30回以上連呼される怒濤のストーリーが繰り広げられた。櫻井孝宏、杉田智和、森久保祥太郎と人気声優陣が小学生を全力で演じきっている。

監督は「ジュエルペット サンシャイン」のカオスなギャグと多彩な挿入歌で注目を集めた稲垣隆行。シリーズ構成は「俺の脳内選択肢が、学園ラブコメを全力で邪魔している」でタッグを組んだ金杉弘子が担当。原作者・日吉丸晃が書き下ろしたエンディングテーマ「キミに捧げる鎮魂歌」の妖しげな歌詞も耳に残る仕上がりである。




モブサイコ100


「ワンパンマン」の原作者・ONEが「裏サンデー」(小学館)にて連載中のWEBマンガを映像化。強力な超能力を持つ中学2年生・影山茂夫、通称・モブ。ニセ霊能力者に雇われて時給300円でアルバイトをしている彼は、青春に悩みを抱えながら日常を過ごしていた。普段は抑えつけている感情が100%を超えたとき、モブの中で何かが爆発する!

PVでは原作のシンプルな線を生かしたアクションが展開。キャラクターだけでなく背景も縦横無尽に動き回っており、油絵や鉛筆画風のタッチなど実験的な試みも取り入れられている。「ワンパンマン」は派手なバトルシーンで人気を博したが、本作はどのような仕上がりを見せるのだろうか。ロサンゼルスのAnimeExpo2016で行われた最速上映には1500人以上のファンが詰めかけ、世界中から熱視線が注がれている一作だ。




SHOW BY ROCK!! しょ~と!!


サンリオ初の深夜アニメとして2015年に放送された「SHOW BY ROCK!!」のスピンオフシリーズ。ガールズバンド「プラズマジカ」の4人をはじめ、動物をモチーフとしたキャラクターたちのオフショットが収められている。

第1話は国民的長寿番組のパロディ回で、ゲスト出演したプラズマジカのメンバーを紹介していった。普段はあまり見られない尻尾のアップなどサービスカットも詰め込まれ、ショートアニメながら濃厚な時間を満喫できた。今後もイケメンバンド「シンガンクリムゾンズ」など、さまざまなバンドの意外な一面を楽しめそうだ。2016年10月からはテレビアニメ第2期のオンエアが決定済み。スタッフは続投しており、続編の予習という意味でも見逃せない。


(文/高橋克則)

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