上坂すみれ×テクノボーイズ×現代美術!? 趣味が盛り盛りのニューシングル「恋する図形(cubic futurismo)」登場!

ポップで少し懐かしい曲調と、現代美術の用語がふんだんに盛りこまれた歌詞が耳に残る、TVアニメ「この美術部には問題がある!」のエンディングテーマ「恋する図形(cubic futurismo)」。上坂すみれとテクノボーイズ(TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND)が初めて組んだ楽曲ということで、これは注目せずにはいられない! さらに、シングルのカップリング曲では、MOSAIC.WAV、ザ・プーチンズというこれまた趣味性が高いアーティストのコラボも。上坂すみれに間違いなし!


80年代アイドルテクノ歌謡が好きなので、なじみやすい曲でした


──新曲「恋する図形(cubic futurismo)」は、テクノボーイズによる楽曲です。曲の第一印象はいかがでしたか?

上坂 私は80年代のアイドルテクノ歌謡が好きなので、なじみのある感じがしました。歌詞は、字面で見ると難しい言葉が多いんですけど、耳で聴くと曲調も相まってかわいいんです。言葉遊びの要素もあって、楽しい曲だなと思いました。

──タイトルはもともと、「cubic futurismo」だけだったそうですね。

上坂 欧文だけでなく、わかりやすい言葉もほしいなと思ったので、戸川純さんの「図形の恋」をもじって、図形繋がりで「恋する図形」という日本語題を付けてみました。「cubic futurismo」の訳というわけではないんです。

──上坂さんからテクノボーイズにお願いしたことはあったんですか?

上坂 曲や歌詞についてはなかったのですが、ひとつだけ、エレタムの音が好きなので入れてくださいとお願いしました。でき上がってきた曲を聴いたら、たくさん入っていたので、うれしかったです。

──テクノボーイズのメンバーには、どのタイミングで顔合わせをしたんですか?

上坂 直接お会いしたのはレコーディングの時です。テクノボーイズさんは私のことをずっと前から知ってくださっていたとお聞きして、びっくりしました。お話ししていると、3人が仲良しな感じが伝わってきて、こういう大人になりたいなと思いました(笑)。現場でも正装されていて、シルクハットを被られている方もいるんですけど、みなさん、心が少年のようで、うらやましく感じました。

──歌詞の印象はいかがでしたか?

上坂 美術用語がたくさん使われていて、しかも20世紀寄りの現代アート、アバンギャルドがモチーフになっていて、私の好きな分野だったのでうれしかったですし、テクノポップとの相性もよくて、歌いやすかったです。今回は、思いを込めてというよりは、浮遊感を出そうと思って歌いました。暗いというわけではないですが、無機質なボーカルになっていると思います。

──テクノポップらしいボーカルになっているということですよね。歌詞に出てくる美術用語は、前から知っていたものばかりでしたか?

上坂 だいたいわかりましたが、「De Stijl(デ・ステイル)」とか、今回の歌詞で初めて知ったものもありました。

──ロシア語も出てきますね。「Конструктивизм(コンストラクティヴィズム)」という。

上坂 ロシア構成主義です。ロシア語の綴りですが、輸入された言葉なので、読みは英語と同じなんです。

──歌詞で、特に好きな部分はどこでしょうか?

上坂 クールに進んでいくんですけど、最後に「愛無き世界に未来は無いでしょう?」って、急にテーマが現れるのが意外というか、引き立っているなと思いました。

──ここで、「この美術部には問題がある!」(この美)の世界にグッと近寄っている印象があります。

上坂 そうですね。フルバージョンの最後の部分なんですが、89秒のTVサイズでもここが使われていて、印象的になっていると思います。

──ここは聴かせどころですね。でも、よく聴くと途中の歌詞にも、「この美」の世界観を匂わせる言葉が、いろいろと入っています。たとえば、「描いていく Femme fatale(ファム・ファタール)」という一節は、「最強の二次元嫁」を追求する、主人公の内巻すばるを表現しているのかな、とか。

上坂 言い方次第で、こんなにかっこよくなるんですね(笑)。「嫁」と書いて「ファム・ファタール」とフリガナしてもよかったかもしれません。「嫁」というものの真理を表していると思います。

──「ファム・ファタール=運命の女性」ですからね。すばるにとってのそれは二次元の存在で。

上坂 「この美」はキャラクターもストーリーも、とにかくかわいらしくて、楽しい作品です。こんな部活があったらいいなと思いますし、中学生ならではのトキメキもいっぱいあって。カン違いしやすい宇佐美さんと、自分の気持ちにとにかく忠実な内巻くんが中心にいて、私の演じるコレットさんはムードメーカー兼トラブルメーカーみたいな感じで、2人のトキメキの引き金になることも多いんです。

──コレットさんは、中学1年生の女の子なんですが、いろいろ察している子ですよね。

上坂 特にお節介を焼くわけではないんですけど、たまに自分の行動がうまく作用して、役に立ったりすると、すごいドヤ顔をして。恋の本質はまだわかってないけど、宇佐美さんのことは、面白いと思いながら、応援しているという感じです。

──アフレコ現場もいい雰囲気なのではないでしょうか?

上坂 和気あいあいとしています。スタジオには、いつもたくさんのお菓子が用意されていて、まるで部室のようなんです。

──共演者の方々は、「恋する図形(cubic futurismo)」について、何か感想をおっしゃってましたか?

上坂 アフレコが始まったばかりの頃に、アフレコスタジオの廊下で「恋する図形(cubic futurismo)」が流れていたことがあって、小澤亜李さん(宇佐美みずき役)が「この曲なんだろう、すごい気になる」って、反応してくださったことがうれしかったです。

──MUSIC VIDEOは、どんな内容になっているんですか?

上坂 未来派とかキュビズムとか、歌詞に出てくる現代美術のジャンルをテーマにした衣装をいくつも作っていただいて、撮影は七変化な感じになりました。

──その中のひとつが、ジャケット写真に使われている衣装なんですね?

上坂 はい。ジャケットのデザインは、ロシアのリシツキーを参考にしていただいて、ロシア構成主義がテーマになっています。

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