「ChouCho 5th Anniversary あこーすてぃっくらいぶ ~涼蝶祭~」レポート。5周年ライブで「プラチナ」をカバー! かわいらしい浴衣姿も

2016年7月31日、女性アーティスト・ChouChoのライブ「ChouCho 5th Anniversary あこーすてぃっくらいぶ ~涼蝶祭~」が開催された。会場のshibuya duo MUSIC EXCHANGEには多くのファンが訪れ、彼女のデビュー5周年を祝った。アキバ総研では大盛況となった本ライブの昼公演の模様をお伝えする。ここでしか聴けないカバー曲やスペシャルゲストとのコラボも飛び出した特別な1日の雰囲気を感じてほしい。


ChouChoにとって約1年半ぶりとなるワンマンライブは、後方の立ち見席まで来場者でいっぱいになるほどのにぎわいを見せた。ファンの中には5周年記念のアニバーサリーTシャツや、主題歌を務めた「ガールズ&パンツァー」とのコラボマフラータオルを身につけた人もおり、全員が今や遅しと開演を待ちわびていた。

予定時間を過ぎて会場が暗転すると、5年の間に発表された多彩な楽曲がギターやバイオリンによって奏でられていく。そのアコースティックライブにふさわしい前奏に導かれてChouChoが姿を見せると、会場は温かい拍手に包まれた。彼女は純白のワンピース姿で、黒の衣裳に統一されたバックバンドとのコントラストも鮮やかだった。

5周年ライブの幕開けを飾ったのはデビュー曲「カワルミライ」。椅子に腰かけたChouChoは歌詞の1つひとつをていねいに歌い上げる。ステージと客席が近いライブハウスならではの距離感で、しっとりとした歌声を響かせていった。2曲目は作詞を手がけたカップリング曲「Sleeping Butterfly」だ。こちらはファンの手拍子もまじえてアグレッシブに表現した。

ChouChoは「今日という日をとても楽しみにしていました。リラックスした気持ちで最後まで楽しんでくれればいいなと思います」と挨拶し、ファンからは5周年を祝福する「おめでとう」の声が飛び交った。さらに記念ライブでは普段と違ったことにチャレンジしたかったと語り、そのひとつがカバー曲を募集することだったと告白。事前に募集した楽曲リクエストには総勢150曲以上の応募が集まったことを明かすと、会場から驚きの声が漏れた。昼の部ではその中から多数のリクエストが寄せられた「プラチナ」を選曲。インディーズ時代にもよく歌っていた坂本真綾の代表曲でファンを虜にした。


続いてのMCでは、デビューに至るまでの音楽歴を解き明かしていった。物心がついたときには父親がギターを弾いていて、音楽が身近にある環境だったそうだ。4歳の頃からエレクトーンで音楽の基礎を学び、高校生のときに人生初のバンドを結成。「初ステージは高校の文化祭でした」と青春時代を振り返って懐かしそうな表情を浮かべた。

またバンドメンバーの影響でアニソンだけでなく、洋楽も聴いていたとのこと。そこでカバー2曲目は、ChouChoのお気に入りであるカナダの女性シンガー、アラニス・モリセットの「You Oughta Know」に決定。ライブハウス全体に轟く力強い歌声で、これまでの彼女とは異なる一面を見せつけた。


ライブの中盤ではゲストプレイヤーとして、ランティスの佐藤純之介プロデューサーが登壇。ニコニコ動画でChouChoを見出した仕掛け人のサプライズ出演で盛り上がった。佐藤はChouChoの歌声について「高いキーなのにすごくきれいに声が出ていて、ピュアな感じがあった」と絶賛し、それがメジャーデビューに繋がったと話す。その理由を知ったChouChoは「ありがとうございます」と少し照れた表情を浮かべていた。

2人が選んだのは2ndアルバムの表題曲「secretgarden」だ。ChouChoが初めて作詞作曲を手がけ、佐藤と二人三脚で作り上げた楽曲をリミックスバージョンで披露した。佐藤は「人前でピアノを弾くのは8年ぶりなので不安です」と緊張した面持ちを見せながらも、圧巻のピアノで喝采を浴びた。

気付けば開演からすでに1時間以上が経過し、ライブは後半戦に突入。「次の曲はメッチャ盛り上がる曲なんで、座ったままで大丈夫かな?」と客席をあおると、ChouChoの呼びかけに応じて全員が総立ちに。そのままファンが振る緑色のサイリウムに照らされて、「ガールズ&パンツァー」のオープニングテーマ「DreamRiser」と、劇場版の主題歌「piece of youth」を続けざまに熱唱した。

ChouChoは「ガールズ&パンツァー 劇場版」について「映画の主題歌を歌うという、デビューしてからの夢をかなえることができました」とそのよろこびを語る。公開から半年以上が経過した現在も上映中の劇場があることに触れて、「そんなすごく愛されている作品の主題歌を歌うことができて本当にうれしく思っています」と感謝の言葉を送った。最後は「Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ」シリーズの「kagami」「Asterism」「starlog」を3連続で歌い上げて、大歓声の中でステージを後にした。



アンコールには浴衣姿で再登場。赤と白の花模様と黄色い帯がキュートで、ステージは「涼蝶祭」らしい爽やかな雰囲気に。そして以前からの目標だったアコースティックギターにも挑戦。バックバンドとともに「空とキミのメッセージ」を披露した。10月開始のライブツアーでは弾き語りにもチャレンジすると表明し、今後の活動にも期待が膨らんでいく。

フィナーレのMCでは「私は小さい頃から歌手を夢見てがんばってきたのですが、自分の歌声は個性的ではないし、キャラクターもすごく普通の人間なので、アーティストとしてどうなんだろうと悩むこともありました」と心境を吐露する一幕も。「でも自分の色が濃くないからこそ、どんなアニメの色にも染まることができるんじゃないかなと気付きました。これからもいろいろなアニメの魅力を最大限に引き出せるように頑張っていきたいと思います」と決意を伝えると、ファンから熱い拍手が巻き起こった。

ラストはテレビアニメ「氷菓」のOPテーマ「優しさの理由」を熱唱。曲を終えるとマイクを通さない生声で「ありがとうございました!」と挨拶し、昼の部を締めくくった。

ChouChoは2016年秋に全国5か所を巡るツアー「ChouCho Live Tour 2016 bouquet ~ChouCho ColleCtion~」を控えている。10月29日の名古屋を皮切りに、仙台、福岡、大阪、東京で行われるオールスタンディングライブも要注目だ。



「ChouCho 5th Anniversary あこーすてぃっくらいぶ ~涼蝶祭~」
2016年7月31日(日) shibuya duo MUSIC EXCHANGE


■セットリスト(昼の部)

1.カワルミライ
2.Sleeping Butterfly
3.Eternal Waltz
4.スワロテイル・バタフライエッジ
5.空想トライアングル
6.プラチナ ※カバー
7.You Oughta Know ※カバー
8.secretgarden
9.bouquet
10.Authentic symphony
11.DreamRiser
12.piece of youth
13.kagami
14.Asterism
15.starlog
(encore)
16.空とキミのメッセージ
17.優しさの理由

(取材・文/高橋克則)

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