FROGMAN監督のお芝居に「本物の吉田くんだ!」と感激しました。映画「鷹の爪8」出演声優・内田彩インタビュー

世界征服をもくろみながらも幾度となくその野望を打ち砕かれ続けている秘密結社・鷹の爪団を描く、フラッシュアニメ「秘密結社 鷹の爪」。2006年4月のテレビアニメ放送から10年となる今年、大人も子どもも楽しめるアドベンチャー映画「鷹の爪8 ~吉田くんのX(バッテン)ファイル~」が公開される。吉田くんの少年時代を舞台に、未来からやってきた世界連邦捜査局X捜査官のモレルダー&ナスカリーと吉田くんたちが活躍する冒険活劇だ。
「鷹の爪」といえばほとんどのキャラクターの声を監督・脚本のFROGMANが務めることでもおなじみだが、劇場版8作目となる今作には、人気声優の内田彩さんが参加している。吉田くんの友達「つっちー」を演じた内田さんに、「鷹の爪」収録エピソードや超常現象についてなどたっぷりお話をうかがった。ぜひ、かわいらしい声を想像しながらお読みください。


──内田さんがつっちーを演じた「映画 鷹の爪8」、内田さんとしては珍しく少年の役ですね。

内田彩(以下、内田) 「鷹の爪」はもちろん知っていたんですけど、出演にあたってまずは今回の原案のマンガが連載されている「月刊コロコロイチバン!」を読んでみたんです。つっちーは、あの吉田くんのお友達だと知って驚きましたね。私、デビュー後に初めて演じた名前のあるキャラクターが少年役だったんですけど、その後は少年役をやる機会がそんなに多くはないんです。地声もこんな感じで高めなので、男の子だということを意識しながらつっちーを演じさせていただきました。

──そんな内田さんが演じたことで、真面目だけどどこかかわいらしい男の子になっていたと思います。

内田 つっちーはいつもノートパソコンを持ち歩いている天才少年なんですが、漫画のほうではほとんどしゃべらない子で、たまにしゃべると「ツッチーがしゃべったぞ!」ってみんなが騒ぐぐらい無口な子なんですよね。パソコンを常にカタカタしているということで、オタク気質な子なのかなと思っていたんですが、映画の台本では吉田くんたちと一緒になってしゃべる、友達として吉田くんたちを引っ張っていくところもある子になっていました。収録の時、FROGMAN監督から「つっちーは吉田くんたちが知らないことを教えてあげるだけではなく、映画を見ている子どもたちにもわかりやすく説明してあげる役割も担っているんです」と言われました。なので小学生らしい明るさもある聡明な男の子ということを意識しながら演じましたね。


──「鷹の爪」といえばフラッシュアニメです。収録はどのように行われたんですか?

内田 プレスコという、先に音声を収録して後から絵をつけるという方法でしたね。台本のセリフだけでつっちーを初めて演じることになったので、どうなるのかな、私で大丈夫なのかなとかいろんなものを抱えながらスタジオに行きましたね。普段の収録方法であるアフレコでは、この数秒の間にセリフを言うということが指定されるので、しゃべるスピードも決まっているんですけど、プレスコはそれがわりと自由というか。私の思うタイミングで演じることができたので、とても新鮮でした。収録は私ひとりだったのですが、完成した映像を見せていただいたら、ほかのキャラクターと会話していることで、つっちーがより明るくなっているように感じましたね。

──今回の「鷹の爪8」ではFROGMAN監督は21役をひとりで演じているそうですが、現場でもそんな多才ぶりは見られましたか?

内田 私のセリフの前後はFROGMAN監督が一緒にやってくださいましたね。つっちーが吉田くんと会話するときは、シーン始めで吉田くんの声をやってくださって。「本物の吉田くんだ!」って感激しちゃいました(笑)。本当にすごい方ですよね。

──ちなみに、鷹の爪団の中で内田さんが好きなキャラクターは誰でしょうか。

内田 やっぱり吉田くん! かわいいですよね。しゃべり方にも癒されます。熊のレオナルド博士もかわいいけどそれは見た目だけで、中身は怖いかな(笑)。吉田くんは、見た目もしゃべり方も、中身までかわいいところが好きなんです。もちろん総統も好きですよ! 総統を見ると愛が芽生えますよね。吉田くんに向ける愛とはちょっと違う。総統に感じるのは母性ですかね。おじさんってかわいいなぁって思っちゃいます。


──今作は科学で解明できない超常現象がテーマですが、内田さんは何か不思議なものを見た経験ってありますか?

内田 子どもの頃に熱を出すとおばけを見ていたらしく、よくうなされていたと母が言っていましたね。熱が出ると「あそこにいるよ、お母さん怖い」って言いながら起きてきたらしくて。実際私も覚えているんですが、私が見ていたのは日本のおばけ、妖怪なんです。笑っちゃうんですけど、ろくろ首とか唐傘おばけとか。もしかしたら当時見ていた「鬼太郎」のアニメや紙芝居に出てきたおばけが記憶に残っていて、自分の意識で作り出しちゃってただけなのかもしれないですけどね。

──大人になった今、もしおばけを見たら内田さんはどうすると思います?

内田 見たいとは思わないんですけど、もし現れたら、かわいいおばけならいいなと思いますね。害がなければ大丈夫かな。今回出てくるチュパカブラみたいに仲よくできたらいいなって思います。私が好きなのはチュパカブラとキュウ助。キュウ助はカッパの子どもなんですがすっごくかわいい。ちなみにキュウ助は大活躍を見せてくれるので、ぜひ期待してください!

──キュウ助はとてもかわいいですよね。チュパカブラも好きというのは意外でしたけど(笑)。チュパカブラやカッパなどの未確認生物には興味はありますか?

内田 きっとどこかにいるんじゃないかな、とは思ってるんですよね。絶対いないって言い切れないじゃないですか。人間がいるんだからカッパもいるよって思うんです。地球に人間しかいないわけがないと思っているので、宇宙人も絶対いますよ。どういう姿かはわからないですけども、地球以外にも知的生物はいると信じています!

──作中に出てくる「メリーさんの電話」のような都市伝説を懐かしく思う人も多いでしょうね。

内田 「メリーさんの電話」は私の小さい頃にも流行ってましたね。電話番号が出回っていて、でも絶対に自分の家の電話ではかけたくなかったのを覚えてます。「鷹の爪8」の中では携帯電話ですけど、当時はみんなで電話ボックスに行ってドキドキしながらかけた記憶がありますね。コックリさんも流行ったなぁ。ああいうものって怖いしドキドキするけど、夢をふくらませてくれるものでもありますよね。今回のパロディの元ネタである「Xファイル」も大好きで、小学生ぐらいの頃、夢中になって見ていました。なかでも“グレイ”は大好きだったので、「鷹の爪8」に出てくれたのがうれしくて! ぜひ「Xファイル」が好きな大人の人たちにも見てほしいです。出ているのはモルダーじゃなくモレルダー捜査官ですけどね(笑)。

──大人も子どもも楽しめるように作られた映画ということですね。

内田 「鷹の爪」ファンはもちろん、「コロコロイチバン!」でのマンガを読んでくれた子どもたちにもぜひ見てほしいですね。「鷹の爪」10周年記念作でもあるので、この10年の間に家族ができたなんて方もいるのかな。王道の冒険ストーリーなので、大人も子どもも、家族みんなで楽しんでほしいです!


(取材・文:大曲智子)


プロフィール

うちだ・あや

7月23日生まれ、群馬県出身。2008年声優デビュー。主な出演アニメに「レゴ ニンジャゴー」ニャー役、「あいまいみー」麻衣役、「宇宙戦艦ヤマト2199」岬百合亜役、「ラブライブ!」南ことり役、「リルリルフェアリル〜妖精のドア〜」ひまわり役などがある。2014年、歌手デビュー。2015年、μ’sの一員としてNHK紅白歌合戦に出演した。アクロス エンタテインメント所属。


作品情報

「映画 鷹の爪8~吉田くんのX(バッテン)ファイル~」

監督・脚本・声の出演:FROGMAN

原案・マンガ:FROGMAN おおわき正義(「鷹の爪 吉田くんのX(バッテン)ファイル」小学館「月刊コロコロイチバン!」にて連載中)

キャスト:森川葵 内田彩 犬山イヌコ 杉田智和 松本梨香 若本規夫

配給:DLE/プレシディオ


8月20日(土)よりお台場シネマメディアージュ、TOHOシネマズ梅田にて先行公開。8月27日(土)より全国拡大公開

(C) 「鷹の爪8」製作委員会

おすすめ記事