弱いからこそ、激しく叫ぶ! 魔法少女たちの心を歌った「叫べ」で、沼倉愛美がソロデビュー

声優・沼倉愛美が、アーティストとしてデビュー。1stシングル「叫べ」を、2016年11月2日にリリースする。TVアニメ「魔法少女育成計画」のオープニングテーマであるこの曲は、過酷な魔法少女たちの戦いをテーマにした、アップテンポなロックナンバー。アーティスト写真も大人っぽく、新たな魅力と可能性を感じさせるものになった!


リップルはヤンキー体質で、心の中は熱い人です


──「魔法少女育成計画」(まほいく)の第一印象はいかがでしたか?

沼倉 オーディションを受けた段階では原作を知らなかったので、キャラクター設定とセリフでなんとなく想像したんですけど、絵がすごくかわいくて、まさに魔法少女という感じで。でも、それぞれの魔法少女にすごくバリエーションがあるんだなと思っていました。いっぽう、セリフには、不穏な言葉が散りばめられていて(笑)。これはキラキラした、かわいいだけの作品ではないなというのが、最初の印象でした。

──その第一印象は、的中したということですね。

沼倉 そうですね。リップル役が決まって、原作を読ませていただいたら、闇がけっこう深い作品でした(笑)。魔法少女1人ひとりはかわいい印象もあるんですけど、リアルな人間性がどんどん見えてくるんですよね。それにくわえて、女子の集まりなので、女子ならではの闇もあって。ゾッとする瞬間もあれば、この気持ちわかるという瞬間もありました。

──アフレコにあたっては、どのようなことを考えましたか?

沼倉 気を引き締めていこうと。きちんと魂をぶつけていかないと伝わらない作品だと思いました。

──リップルについては、どう思っていますか?

沼倉 喧嘩っ早いというか、表情には出さないんですけど、中身は熱い人なんだなと思いました。魔法少女には、別に望んだわけではなく、なりゆきでなってしまって。正義感というよりも、自分を取り巻くすべてに対して怒りを覚えていて、それが行動原理になっているんです。だから、舌打ちするシーンがすごく多くて。話しかけられる度に、「ちっ」って言ってます。呆れたような「ちっ」とか、イライラした「ちっ」とか、シーンによってさまざまなので、いろいろな舌打ちを練習しました。新しい技術を身につけさせてくれた役です。

──リップルを演じることで、舌打ちがうまくなったと(笑)。今のところ、あまり積極的に動いてはいませんよね。

沼倉 人と関わりを持つことをあえて避けているようなところがありますね。家庭環境が複雑で、信じた人にまた裏切られるのが怖いのかなと。今はまだ怒りや悲しみを押し隠して、事の推移を見守っているような気がします。でも、いずれ彼女の気持ちを、ちゃんとセリフとして表に出せる時が来るんじゃないかと予想しています。


オープニングテーマ「叫べ」は、弱い人の曲です


──沼倉さんはオープニングテーマ「叫べ」を歌われています。リップルは抑えた演技ですが、こちらは激情をあらわにする曲調と歌詞になっています。作詞は沼倉さんみずから担当されていますね。

沼倉 原作とアニメのシナリオを読んだうえで、書かせていただきました。まず決めたのは、弱い人の曲にしようということでした。

──弱い人というのは、どういうイメージでしょうか?

沼倉 魔法少女全体のイメージですね。みんな魔法を持っていますが、人としては強いわけではないと感じて。いただいた曲もすごく激しい曲調だったのですが、本当に強かったら、こんなふうに激情を表に出すことはないだろうと思ったんです。弱いからこそ叫んで、自分を守って、時には人を傷つけてしまうということを、歌詞に描きました。

──レコーディングは、いかがでしたか?

沼倉 ソロとしては初のレコーディングだったので、緊張というか、どうなるんだろうなという気持ちはありました。でも、最初にTVサイズでお試しのレコーディングをして、それからフルサイズの本番レコーディングという流れだったので、こういう感じで進んでいくんだということがわかって、本番は緊張せずにできたと思います。ただ、言葉数が多く、体力を使う曲なので、時間はきっちりかけて録らせていただきました。

──ディレクターさんからの指示で、印象に残っていることはなんでしょうか?

沼倉 ドラマチックな曲なので、メリハリをつけたボーカルにしましょうと。まずは強く始まって、Aメロでストンと落ちる、そのギャップを意識して歌いました。

──「叫べ」というタイトルは、簡潔でありながら迫力があります。

沼倉 歌詞に使われている言葉が強いので、タイトルはまろやかにしようかとも考えたんです。でも、スタッフのみなさんとも話し合って、歌詞のままの印象でいこうと。「叫べ」というタイトルにしてよかったと思っています。

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