西沢幸奏が、再び「艦これ」の世界に。ニューシングル「帰還」は珠玉のバラード

「劇場版 艦これ」の主題歌「帰還」を、まもなくリリースする西沢幸奏。TVアニメ「艦隊これくしょん -艦これ-」のエンディングテーマ「吹雪」でデビューした彼女にとっては、久々に「艦これ」の世界に戻ってきた曲となった。しかも、今回の曲は、大人っぽさも感じさせてくれるバラード。「あの頃とは違うぞって、感じてほしいです」と爽やかに微笑む、西沢幸奏に話を聞いた!


ここまで感情が自然に乗ったレコーディングは、初めてでした。


──「帰還」は、しっとりとしたバラードで、すごくいい曲ですね。

西沢 最初に聴いた時、海の風景が頭に浮かんできて、ステキな曲だなと思いました。特にAメロが切なくて、早くレコーディングしたいと思いました。

──歌詞には、切なさと希望が入り混じっていますね。

西沢 艦娘たちの想いを表しているような歌詞だなと思いました。「帰還」というタイトル通り、戦いから必ず還ってくるよという強いメッセージを感じさせる中に、女の子らしい揺れ動く気持ちがまじっているように感じています。

──歌ってみて、いかがでしたか?

西沢 歌っていると自然に、艦娘になりきるというか、気持ちが同化していきました。私も艦娘と同世代の女の子だと思うので、戦いに出たら、ものすごく辛いんだろうなとか、胸が締めつけられるほど切ないんだろうなって思いながら歌っていると、どんどん歌に入りこんでいって。ここまで感情が乗ったレコーディングは、初めてでした。

──レコーディングの時、映画のストーリーはご存知だったのですか?

西沢 いえ、ストーリーに関しては、情報をいただいていない状態で歌いました。でも、歌詞やメロディから、映画の雰囲気や艦娘たちの決意がものすごく伝わってきて、「艦これ」を胸に包みこんで、レコーディングできたと思います。歌っていると、大海原に飛び出していく艦娘たちの後ろ姿が見えたような気がしました。

──ボーカルで、特に意識したことはなんですか?

西沢 Aメロを、いかに女の子らしく、やさしく歌うかということです。特に最近は力強いロックテイストの曲が多かったので、難しかったんですけど、最終的にはナチュラルな声で、静かにぽつりぽつりと語りかけるように歌うことができました。

──「いつかは聴いてみたいな でも きっとできないね」という歌詞から始まるAメロは、切ない気持ちを押し殺しつつ、やさしく語りかけているようなイメージがあるんですよね。

西沢 そうなんです。心の中は実はとても不安なんだけど、それを言葉にはしないで、やさしく語りかけているという感じなんです。艦娘たちは、感情をなにからなにまで表に出していたらやっていられないような過酷な世界にいて、それでも力強く、やさしく生きようとしているんですよね。

──サビに向かって、ボーカルもどんどん力強くなっていきます。

西沢 Aメロからサビへと向かう気持ちの流れを、しっかり表現したいなと思いました。切ないAメロがあるからこそ、サビの力強さが際立って、深みのある曲になったんじゃないかなと思います。

──レコーディングの時って、すぐに感情のスイッチが入るものなんですか?

西沢 私はすぐに入りこめるタイプだと思います。ブースの中は独り占めできる空間なので、大好きなんです。デビュー当時はブースの中ではひとりだけど、ブースの外からはたくさんの人に見られていると思って緊張しましたが、今ではとてもリラックスできるようになりました。

──バラードの場合、ブース内を真っ暗にして歌うアーティストもいるんですよね。

西沢 私、今回、それを初めてやりました! ディレクターさんに、「ブース、暗くしてみる?」と言われて、最初は、「突然、何を言い出すんだろう?」って思ったんですけど(笑)。

──「えっ、なにかのサプライズ?」とか?

西沢 それはないですよ(笑)。「どうしてですか?」って聞いたら、「雰囲気が出るから」と。実際に、暗くして歌ってみたら、まるで夜の海を前にして歌っているような気がして。それも面白い体験でした。人と話をする時も、明るい部屋で話すのと、落ち着いた照明のカフェみたいな場所で話すのとでは、心の開き方も違ってくるじゃないですか。それと同じように、暗いブースで歌ったことで、歌もより内面を外に出せたんじゃないかなって思います。ぜひ、みなさんも、部屋を暗くして、「帰還」を聴いてみてください(笑)。

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