春アニメ「アトム ザ・ビギニング」、プロジェクト企画協力・監修の手塚眞インタビュー公開!原作「鉄腕アトム」との関係は?

2017年春スタートのTVアニメ「アトム ザ・ビギニング」より、プロジェクト企画協力・監修の手塚 眞さんのインタビューが公開された。




「アトム ザ・ビギニング」は、「月刊ヒーローズ」で連載中のマンガ作品で、手塚治虫さんが生んだ永遠のヒーロー“鉄腕アトム”の誕生までを描く物語。手塚眞さんの監修のもと制作されており、「鉄腕バーディー」のゆうきまさみさんがコンセプトワークスとして企画原案を、「RIDEBACK」のカサハラテツローさんがマンガ制作を担当している。
TVアニメは総監督を「踊る 大捜査線」「PSYCHO-PASS サイコパス」の本広克行さん、監督を「モーレツ宇宙海賊」の佐藤竜雄さん、シリーズ構成を「BLOOD+」の藤咲淳一さんが担当する。
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今回、公開されたインタビューでは「アトム ザ・ビギニング」の企画の始まりや、鉄腕アトムとの関係性などについて語られている。TVアニメ放送に備えて目を通していただきたい。

以下、オフィシャルインタビュー。

【オフィシャルインタビュー】
――「アトム ザ・ビギニング」の企画の発端を教えてください。

手塚 月刊ヒーローズさんと私のほうで「新しい手塚治虫のコンテンツを作れないか」という相談を始めたのが最初です。いろいろな作品の名前があがる中、「やっぱり今やるなら『鉄腕アトム』だろう」という話になりました。ただ「アトム」については、浦沢直樹さんが「PLUTO」という大変素敵なリメイクを描かれています。新しいアトムは「PLUTO」とはまた切り口が違うものにしたい。その時に月刊ヒーローズさんから「アトムが生まれる前のお話はどうか」という提案が出てきまして、その方向で新作を考えてみたんです。アトム誕生は2030年(※注)。仮にその時、天馬博士やお茶の水博士が40歳ぐらいだとすると、現在まで遡ると2人はおそらく学生だろう、と。きっと2人はそのころロボット研究をやっていただろう。それはおもしろくなると思いました。

若き天馬午太郎とお茶の水博志(左)

2人が開発したロボットA106(エーテンシックス)

――ベースのアイデアはそうやって固まったのですね。

手塚 はい。それから、こちらでマンガにするためのヒントになりそうなアイデアを用意しつつ、いろんな作家さんとお話しました。そんな中で、ゆうきまさみ先生にお会いしてお話をうかがったところ、そのアイデアがとてもおもしろかったんです。

――どうしてゆうき先生だったんでしょうか。

手塚 アトムは自分の意思を持ったロボットですよね。日本のアニメ・マンガでは、こういうロボットのキャラクターって決して多くはないんです。ロボットというと鉄人28号やエヴァンゲリオンのように「巨大で人が操縦するもの」を思い出す方のほうが多いでしょう。そんな中でゆうき先生は「究極超人あ~る」で、「あ~る」という人型ロボットのキャラクターを描かれています。そのアプローチの仕方に興味を持っておりまして、意見を聞かせていただきたいと思ったんです。

――「あ~る」がきっかけなんですね。

手塚 はい。僕らは普段から手塚治虫の作品に触れているので、それが当たり前になってしまっているんです。導入部分もアトム誕生シーンを描いてそこから遡って描いたらいいんじゃないか、と漠然と考えていました。ところが、それに対してゆうき先生は、まったく新しい物語として始めたほうがいいと主張されたんです。それは目からウロコが落ちました。天馬博士とお茶の水博士が、同じ大学にかよっていて、でもお金がないからアルバイトしているとか、ゆうき先生がキャラクターに生活感を付け加えてくださったんです。

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