TVアニメ「アバローのプリンセス エレナ」、日本人キャラデザイナーのインタビューが到着! キャラや作品の魅力について語る
TVアニメ「アバローのプリンセス エレナ」より、キャラクターデザイナーのオフィシャルインタビューが到着した。
「アバローのプリンセス エレナ」は、ディズニー・チャンネルの新作アニメシリーズ。邪悪な魔女から王国を救った勇敢な16歳のエレナが、様々な人々の力を借りて女王としての素養を身につけていく物語で、「ちいさなプリンセス ソフィア」でエミー賞を受賞したスタッフが参加し、サンバ、ボサノバ、マリアッチなど多様なラテン・アメリカ音楽が作品を彩る。アメリカで2016年7月より放送され好評を得たほか、日本では2017年4月2日(日)より「ディズニー・サンデー」内にて地上波初放送となる。
今回、そんな本作よりエレナのキャラクターデザインを担当したディズニー・アニメーション・スタジオの野谷律子さんのオフィシャルインタビューが到着したのでご紹介。ディズニー初のラテン系プリンセス・エレナをデザインする際のエピソードなど、アニメファンにとっても興味深い内容となっているので、ぜひチェックしてほしい。
【オフィシャルインタビュー】
■作品について
Q:野谷さんのお仕事について教えてください!
私は、エレナを中心としたメインキャラクターのデザインを担当しています。今回は、キャラクターの開発の段階でお声がけいただきました。彼女の性格に合わせて、顔・髪型・衣裳を、クリエイターや監督、美術監督と話し合いながら決めていきました。
Q:エレナのキャラクターデザインに関して教えてください。
今回、私たちが目指していたのは、ディズニーのクラシックなスタイルのアニメーションであり、キャラクターだったんです。つまり、劇場用に近いタッチやフォルムの、きちんとデザインさたスタイルです。従来のプリンセスの髪や肌や目の色を変えただけ、というのとは違う、一から作ったキャラクターになります。また、今回は、そんなクラッシックさに加え、「ラテン」というのも同じく重要な要素でした。各部署にラテン系のスタッフがいるので、その方たちの骨格を観察したり、資料や写真を参考にしたりしながら、リアリティを追求して作っていったキャラクターでもあります。
Q:デザインはどのくらい作られたのですか?
エレナのモデルは、最初Ver.1として10パターン、その中からピックアップしたものを、ブラッシュアップしてver.2として10パターン・・・と、繰り返し、最後はver.6くらいまで作りました。全部で約60パターン近くデザインしたということになりますね。衣裳についても同様に、とてもたくさんパターンを作っています。大体1つの衣装に6~8パターンですね。その中から最終的に1つに絞っていくんです。彼女を表す鮮やかな“エレナレッド”を使った衣裳にもぜひご注目ください!
Q:本作の「ラテン」という要素についても詳しく教えてください。
制作スタッフは、色んな国の、色んな文化で育った人たちが集まっていて、みんなで一つの作品を一緒に作っています。エレナはディズニー初のラテン系のプリンセスですが、ラテンの文化にも、様々なものがあって、一つではありません。インカ帝国があり、マヤがあり、スペイン、メキシコ、ブラジルなどなど。古いものから新しいものまで、いろんなタイプのラテンの文化がある。そのラテンの物語を、違う文化で育って様々な国から集まった人たちが作っているんです。そういった意味で、フラットではなく、密度の濃い作品ができていると思います。
Q:エレナの魅力を教えてください!
エレナはとても魅力的な女の子です。今までのようなプリンセスっぽさはなくて、すぐに外に出かけて、街の人に話しに行く、とても行動的な女の子です。もちろんそれで失敗をしたり、人を傷つけたりもするんですけど、そういうことを通して、成長していきます。彼女はまだ16歳で、自分ではなんでもできると思っているんですけど、学ばないといけないことがいっぱいあります。まだまだ発展途上で、完成されていないキャラクターなんです。そういった意味で、私も今後エレナがどのように成長していくか楽しみです!日本の皆さんも、エレナを見守ってくれたら嬉しいです。
Q:エレナ以外で担当しているキャラクターはありますか?
メインキャラクターは全部担当しています。ジャークインもズーゾも。アメリカでは、ジャークインが子どもたち、特に男の子に大人気なんです。
また、ゲストキャラクターは、もう1人のデザイナーと共同で担当しています。エレナの場合は、ザ・悪役というキャラクターが出てくるのがいいですね。やっぱり、悪役が良いと、メインキャラクターやストーリーがより引き立つと思います。
Q:作品の中で、特に好きなシーンはありますか。
私は、オープニングがすごく好きなんです。エレナが空飛ぶジャークインに乗って、手を振って、お城に下りていくシーンが、何回見ても飽きなくて、すごく好きです。そのシーンがエレナの世界観をぜんぶ表していると思うんですよね。ぜひご注目いただきたいです。
Q:作品に関連して、何か嬉しかったことはありますか。
去年のハロウィーンのことなんですが、小さい子どもたちがエレナの衣装を着てハロウィーンを楽しんでいる映像を見せてもらいました。みんなかわいくて、本当に嬉しかったです。今年のハロウィーンは、日本の子どもたちも、エレナの衣裳を着てくれるといいな!
■野谷さんご自身について
Q:今の仕事に就こうと思ったきっかけは?
小学生になる前くらいに、「ピーター・パン」を劇場で観て、「ああ、この世界に入りたいなあ」と思ったことがきっかけです。その時は、キャラクター・デザイナーになりたいとか、絵が描きたい、とかではなくて、スクリーンの中、この世界の中に入っていきたいな、と思ったんです。
いろいろな形でアニメーションに関わることはできるけど、私の場合は絵を描く方に進みました。
Q:夢を叶えることができた理由は何だと思いますか。
夢を諦めなかったことですね。日本にいたときは、諦めそうになったこともありました。私は結婚しているのですが、海外のディズニースタジオで働くとなると、一人で海外に行かなければならなかったんです。でも、旦那さんが、「あなたの人生だから」と後押しをしてくれて。それが大きかったと思います。
Q:ディズニーで働いて、ここがすごい!と感じる部分はありますか。
ネットワークがすごいところですね。例えば、今回で言うと、私がデザインしたものが、まずアニメーションになって、次におもちゃになりますよね。そして最後は、パークにエレナが登場して、歌ってショーをする。私が手で書いたものが、立体になって、現実の世界に飛び出していくわけなんです。これは、ディズニーしかないことだと思います。
エレナは去年、フロリダとカリフォルニアのパークでデビューしています。その時は、クルー全員でディズニーランドへ行ってエレナのショーを観ました!みんな大興奮でしたね。仕事をやっていてよかったと思う瞬間でした。
Q:仕事をしていく上で、心掛けていることはありますか?
絶対に妥協しないことですね。私は世の中に出ていくものを作る仕事をしています。もちろん人間ですから、色々な気分の時がありますけど、納得できていないものが世に出てしまう可能性もあるんです。そうなった場合、誰にも言い訳はできない訳なんですよ。「気分が落ち込んでいたから・・・」なんて、作品を観てくれる方には関係のないことですからね。だから、とにかく何があっても妥協せず、自分が納得できるものを作り上げていくことを心掛けています。
Q:アニメーションを作る上で、大切にしてることや伝えたいメッセージはございますか。
エレナに関しても、そうなんですが、人が成長していく段階では、色んなものが必要ですよね。例えば、家族とのコミュニケーションだったり、友達や兄弟との絆だったり。そういうものを大事にしていて、観ている子どもたちにも伝えたいと思っています。
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