【AnimeJapan2017】丁寧に紡がれる普通の中学生の普通の恋愛物語。TVアニメ「月がきれい」公開直前スペシャルステージレポート

2017年3月25日に行われた「AnimeJapan 2017」BLUEステージにて、4月より放送スタートのTVアニメ「月がきれい」放送直前スペシャルステージが行われた。



司会の鷲崎健さんの紹介で、ステージには6人の出演者たちが登壇した。この日、登壇したのは安曇小太郎役の千葉翔也さん、水野茜役の小原好美さん、比良拓海役の田丸篤志さん、西尾千夏役の村川梨衣さん、そして岸誠二監督と南健プロデューサー。さわやかなキャスト陣に対し、岸監督と南Pの見た目が怖いと、鷲崎さんからいきなりのツッコミが。笑いに包まれながら、なごやかにイベントが開幕した。

「月がきれい」は、ごく普通の中学生の学園生活と瑞々しい恋愛を描くオリジナルアニメ。中学3年で同じクラスになった、文学少年の安曇小太郎と陸上部に所属する水野茜の出会いから、変化と不安に追いかけられながらも成長していくふたりの姿が描かれる。そんな本作について、まずは岸監督に制作の経緯などについての質問が投げかけられた。

どちらかといえば世界を救ったり魔法が使えたりという非現実的な作品を得意とするという岸監督だが「あえて、そうじゃないものをやってみたい」と考えたのが制作のきっかけだという。「得意分野の作品でも、描かれているのはやはりキャラクターたちのドラマ。だったらそこだけにスポットを当てたものを作ってみたい。そのための題材もいろいろ考えたけれど、やっぱり恋愛ものがたくさんの人に広く楽しんでいただけるテーマなのではないかと思った」と作品の成り立ちについて語った。

続いてキャストたちによって、それぞれが演じるキャラクターたちが紹介された。主人公の小太郎を演じる千葉さんは、ごく普通の少年を演じるうえで「自分の中学時代を思い出し、重ねあわせながら演じています」と語る。また、日常に近いものを表現する演技はかえって難しいのではという質問には「息づかいなどの小さな違いをていねいにしつつ、演技と言うより普段通りを意識しています」と答え、小太郎というキャラクターに真摯に取り組む様子が垣間見られた。

その後、キャラクターたちが中学生であることから、話題は登壇者たちの中学時代の話に。小原さんは「意外な組み合わせで一緒に帰っている人たちを見て、あの人たちつきあってたの!? とびっくりすることがあった」と恋愛の思い出を語ったが、千葉さん、田丸さんら男性陣は「特筆すべきことはなかった」といささか寂しいコメントも。村川さんにいたっては「自分には年齢という概念がない」と言い張り、それらのやりとりから場内は笑いに包まれた。

また、このステージでは主題歌についても紹介された。オープニングテーマとエンディングテーマを歌う東山奈央さんが楽曲を紹介するビデオメッセージが上映され、楽曲と作品への思いを熱く語った。なお東山さんは、教師の園田涼子役でも本作に出演する。

イベント終盤には、各登壇者から作品への意気込みが語られたほか、岸監督から、小江戸の別名でも知られる埼玉県川越市が舞台であることが明かされた。歴史ある街でリアルに描かれる、中学生たちのあたりまえの日常、そして恋愛と青春の物語。そんな作品への期待をふくらませつつ、スペシャルイベントは幕を下ろした。

(取材・文/瀬戸智美@TRAP)

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