「みなさんの知らない京都へ遊びに行ってください」(星野源)、アニメ映画「夜は短し歩けよ乙女」公開記念舞台挨拶レポート

アニメーション映画「夜は短し歩けよ乙女」の公開記念舞台挨拶が2017年4月8日(土)、TOHOシネマズ新宿にて行なわれた。舞台挨拶には、先輩役の星野源さん、黒髪の乙女役の花澤香菜さん、パンツ総番長役のロバート・秋山竜次さん、湯浅政明監督が登壇。さらに原作者の森見登美彦さんがサプライズ登場した。



本作は第20回山本周五郎賞受賞、2007年本屋大賞2位に選ばれた累計150万部を超えるベストセラー小説「夜は短し歩けよ乙女」(森見登美彦著、角川文庫刊)を劇場アニメ化。星野源さんがアニメ声優としては単独初主演することでも話題となっている。

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星野さんらキャスト陣は、自身が演じるキャラクターをイメージした衣装姿で登場。なかでもインパクトがあったのはロバート秋山さんで、スニーカーに和装、髭の剃り跡も青々とした姿で登場。秋山さんは胸毛を見せつけながら「この格好は上映後に見ていただきたかった」と、アニメで動く姿を見てもらう前の上映前挨拶であることを惜しんだ。花澤さんは今日着ている「黒髪の乙女」風の衣装のかわいらしさをアピール。この衣装は後日一般販売される予定になっているとのことだ。星野さんはもちろん「先輩」風の衣装で登場したのだが、湯浅監督もどこか「先輩」を思わせる衣装で登場したことから、星野さんが立場のなさを嘆く場面もあった。

作中では「不思議で楽しい一夜」の物語が描かれることから、トークでは「夜経験した印象的なできごとの思い出」を語ることに。星野さんが「昨年末に紅白歌合戦の出演が終わったあと、別の局の『COUNT DOWN TV』に走って向かったんです。移動の車中で年を越したんですが、なんだか充実していて楽しかったですね」と話すと、花澤さんはスケールの大きな話のあとに生活に根ざした話をすることに恐縮しながらも、「この前夜、テレビのレコーダーの中身を整理していたら、うっかり全削除してしまったんです。私が録画した吉本新喜劇コレクションが全部消えてしまったんです!」と熱弁。吉本新喜劇好きという花澤さんの意外な一面について盛り上がる一同だった。

舞台挨拶の後半には、原作者・森見登美彦さんがサプライズ登場。森見さんは湯浅監督に花束を渡すと、「最初に映画を見た時はびっくりしたんですが、見れば見るほど味が出て気に入りました」と作品の中毒性を賞賛。星野さんも「原作のよさに湯浅ブーストがかかって、なんじゃこら! という面白さがあると思います。最後が近づくにつれてめくるめく世界が待っているので(観客も)楽しんでください」と同意していた。

映画の内容については、秋山さんが「僕の役はパンツ総番長なので、期間中は皆さんもパンツを履き替えないで見てください」と謎のアピールをしたものの、それ以外の登壇者は真面目に作品の魅力を紹介。花澤さんが「見終わっていろいろな感性を刺激されて、今ならなんでもできるんじゃないかと思える素敵な映画です」と語れば、星野さんが「皆さんこれから映画を見ると思いますが、乙女が街をどう歩いて、街や人をどう変えていくのかに注目してください。僕も少しだけ歌うミュージカルシーンも面白いと思います。思う存分、わけのわからないところへ連れて行かれてください。みなさんの知らない京都へ遊びに行ってください」と思い入れたっぷりに続けた。湯浅監督は、まずは森見さんが劇場入場特典用に書き下ろした掌編小説の魅力を紹介、ぜひ映画を見た後に読んでほしいと語ると、最後は「(本作を)気持ちよく見てもらえるように作ったつもりなので、乗ってもらえると嬉しいです」と締めくくっていた。

アニメーション映画「夜は短し歩けよ乙女」は、2017年4月7日(金)より公開中。

(取材・撮影/中里キリ)

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