制服を着たいと、私から言い出しました。思春期のときめきが詰まった、東山奈央の2ndシングル「イマココ/月がきれい」

TVアニメ「月がきれい」に園田涼子役で出演し、オープニング&エンディング、挿入歌と、歌の面でも大車輪の活躍を見せている東山奈央。OP「イマココ」とED「月がきれい」のカップリングシングルが、2017年5月24日にリリース。さらに7月5日には、印象的なシーンで使われ続けている挿入歌を収録した、「TVアニメ『月がきれい』サウンドコレクション」も登場。「月がきれい」と、その歌の魅力について、たっぷり語っていただきました。


オンエアを見たみなさんのツッコミが楽しいです(笑)


──「月がきれい」に関わることになった経緯から、教えていただけますか?

東山 まずは役のオーディションですね。去年の6月のことで、私はほかの役で受けたんですけど、結果的には園田先生の役をいただきました。

──中学生の小太郎や茜から見たら大人なんですが、園田先生は若くて、かわいい女性ですよね。

東山 中学校の先生で、しかも3年生という最終学年の担任というと大人の仕事という印象ですが、涼子先生は音大を出たてで、自分が先生であることにもまだ戸惑いがある女性です。それもあってか、あらぬ方向に恋の波乱を巻き起こしているという、面白い役どころをいただけたと思います。

──「月がきれい」のストーリーやキャラクターについて、どう感じていますか?

東山 小江戸と呼ばれる川越の、趣ある町並みを舞台にしていて、人々の日常や、緩やかな感情の動きをていねいに描いている作品です。岸(誠二)監督のお言葉をお借りすると、「アニメにする必要がない普通の日常のドラマを、あえてアニメで描くということにチャレンジした」作品で、絵で描かれたキャラクターたちの仕草も、役者陣のお芝居も、すごくナマっぽいなと思いました。

──「月がきれい」は、声の収録を作画よりも先行させるプレスコだったそうですね。

東山 はい。しかも、ドラマみたいに事前に台本の読み合わせがあったんです。収録が始まるよりも早い段階でキャストが集まって、監督や音響監督と一緒にみんなで輪になって、読み合わせを進めていきました。そのおかげで、キャラクターの内面をしっかり作りこむことができて、作品全体に漂う繊細なムードに繋がっていったんだと思います。

──すでに全話の収録は終わっているんですよね。1話から最終話まで、録り始めるとあっという間という感覚だったのではないでしょうか?

東山 そうかもしれないですね。でも、私は歌でもこの作品に関わらせていただけることになって、ほかのキャストのみなさんよりも長く、「月がきれい」とお付き合いさせていただくことに結果的になりました。挿入歌の収録はまだ終わってなくて、今もまだ「月がきれい」が続いているという感覚です。

──オープニングとエンディングに加えて、要所要所で流れる挿入歌も、すべて東山さんが歌われています。ここまで、歌で関わっていくというのは、最初から決まっていたのでしょうか?

東山 まず、オープニングを歌わせていただけることになって、それからエンディングも、さらに挿入歌も、というふうに、お話がふくらんでいきました。

──音楽面での貢献度は、すごく高いと思います。

東山 映画の「君の名は。」とRADWIMPSさんの関係みたいに、作品と歌が1つになることを目指して取り組みました。ステキな作品に密接に関わることができて、すごくうれしいです。

──役者としても関わっていて全話の内容を知っているということで、どの曲も、作品世界を深く理解して歌えたのではないでしょうか?

東山 そうですね。オープニングの「イマココ」は小太郎くんの心情を、エンディングの「月がきれい」は茜ちゃんの心情を、それぞれ表現した曲で、それを東山奈央の表現として歌いました。挿入歌は、歌の上にセリフが入ってくることもあるので、あまり表情を付けすぎず、プレーンに歌うことを心がけましたね。挿入歌に関しては、私の歌も楽器の一部という感覚でした。

──オンエアが始まって、ファンのみなさんの反応をどう感じていますか?

東山 趣深くて、静かに見ていただける作品なのかなと思っていたら、「ムズムズする!」とか、「この気持ち、わかるー」とか、「小太郎はなんでここで行かないんだ!」とか、ツッコミを入れながら楽しく見てくださっている方が多くて、面白かったです。放送前と後では、「月がきれい」という作品の印象が、大きく変わりました。私は女子校育ちなので、男性の「あるある」がわからなくて。小太郎の電灯のひもを使ったジャドーボクシングとか、上映イベントの時、男性のお客さんのリアクションがすごかったんです。私がまだ気が付いていなかった作品の魅力も、ファンのみなさんから逆に教えられているような気がします。

──自分の中学生時代を思い出したりして、本当にムズムズするんですよね(笑)。

東山 キャラクターがそれぞれみんな、ちゃんと生きているからだと思います。エンディングが終わった後のCパートで、キャラの掘り下げがあるのも面白いですよね。それぞれのキャラへの理解が深まった後で、1話から見直してみるのも楽しいと思います。あ、ここのシーンにこの人がいたんだって、わかると思います。

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