春奈るな3rdアルバム「LUNARIUM」インタビュー 5年間の思いを詰めた渾身の1枚

春奈るなが約2年ぶりとなる3rdアルバム「LUNARIUM」をリリースする。2月にはコラボレーションEP「S×W EP」を発表したり5月には記念ライブを行なったりと今年も精力的な活動を続け、今回は5年の活動の集大成的な多面性を備えつつも新たな道筋を示すシアトリカルな1枚になった。この作品を作り上げるまで彼女はどんな思いを積み重ね、今ここに立っているのか。デビュー時に思い描いていた姿を振り返りつつ、語ってもらった。


伝えたかった思いをすべて表現した5周年ライブを経ての3rdアルバム


──5月にはデビュー5周年を記念したライブ「春奈るな LIVE 2017 “5th Anniversary Fes.”♡with you♡」を開催されましたが、どんな経験でしたか?

春奈 5年間感じてきた想いや感謝、伝えたかったことなどをすべて言葉でも歌でも伝えられたライブだったと思います。いろんな記憶がよみがえって、ちょっと涙ぐんでしまった場面もありました。アニソングランプリやデビュー前の頃とか、いろいろと思い出させてくれた時間でした。普通のワンマンと違って、ゲストの皆さんをお迎えしていたので、その段取りにも追われたりして、感情があちこちに向かいました(笑)。すごくいいライブになったなと思います。このライブを含め、私1人では何もできないし、5周年を迎えることもできなかったので、これからも人との繋がりを大事にしていきたいなと思いました。

──そしてこの度、3rd アルバム「LUNARIUM」をリリースされました。2月に「S×W EP」を出されたばかりで、その間「ステラブリーズ」のリリースもあり、お忙しかったのでは?

春奈 今年はずっと制作していた感じですね 。5周年ライブと「ステラブリーズ」のリリースイベントの合間にアルバム制作をするという感じで、2曲録った日もありました。その分、集中して一気に思いを詰め込めた感じでした。

──「LUNARIUM」はどんな方向性で作ろうと考えましたか?

春奈 「LUNARIUM」というアルバムタイトルは、5周年ということで自分を振り返る機会も多かったので「るな」の名前を入れ、そしてアルバムをシアターや水槽に見立ててその中で表現したいという思いがあり、アクアリウムやプラネタリウムの「RIUM」を付けています。特に「美しきセンティメント」は、アルバムの世界観が表現された楽曲になっています。


──疾走感があり、ストリングスも効いている楽曲ですね。これは春奈さんがお好きな感じですよね?

春奈 はい。すっごく好きです!(笑)。これはずいぶん前からプリプロで歌っていた楽曲だったのですが、幻想的で疾走感のある感じがすごく好きで、今回のアルバムに収録するために歌詞を書き直していただきました。聴くだけで異世界に行けるかのようなサウンドで、想像力をくすぐられるところにすごく惹かれます。閉鎖的なんだけれども、そこから前に進んで行こうとする原動力をこの曲から感じたので、そこに「LUNARIUM」らしい歌詞が乗れば、もっといろんな人により理解してもらえる楽曲になるという思いがありました。この曲を含め津波(幸平)さんの曲はこのアルバムでも4曲。さかのぼるとプレデビューの「微熱の月」からこれまでにも、たくさん歌わせていただいています。津波さんがスゴいのは、同じ方が書いているとは思えないほど世界観が多様性に富んでいるところなんです。そこから刺激も受けますしそれに応えられる歌を歌いたいなとも思います。

──では、引き続きこのアルバムでの新曲についてお話を聞かせてください。「MONSTER」はどんな楽曲でしょうか?

春奈 これまで春奈るなの楽曲で、キュートでポップな曲というのはありましたが、キュートでロックな曲はなかなかなかったので、ちょっと新しいですね。

──キュートさとロックさの両立はどのように表現したのでしょうか?

春奈 自分の中にキュートさっていうのはまるでないんですよ(笑)。

──いやいや、そんなことないでしょう。

春奈 (笑)。でも、自分ではそう思ってなくて、そのあたりは全部想像で補っていますね。かわいらしい女の子だったらどういう仕草をするんだろうとか、違う自分を演じつつ織り交ぜながら強い言葉を言ってみたりして。 ロックのほうがむしろ自分らしいというか、気だるそうに歌う表現の仕方がすごく好きなんです。かわいらしい子が「ミゼラブル」って叫んだりとか、そういう組み合わせがこの楽曲の面白いところですね。

──「NAKED HEART」はだいぶ大人っぽい歌詞ですね。この曲はどのように歌ったのでしょうか?

春奈 1stアルバムに入っている「狂想リフレイン」がライブですごく人気があって、それに続く楽曲を作りたいなと思ったんです。「狂想~」はビジュアル系のサウンドを意識して作って頂いた曲で、最後に笑い声が入っていたりとこだわって作っていただいたのですが、「NAKED HEART」でもウィスパーボイスを入れたりしています。大人っぽい歌詞で、こちらも自分にはない部分なので、妄想で補って歌いました。歌う時に自分ではない誰かになっていることはわりと多いですし、それがまた楽しいんです。それは自分の理想像というものでもなくて、こういう人がいたらこう考えるのかなって思ったりして。

──すでに人気のあるご自身の曲に続く方向性で作り上げるというのはプレッシャーでしたか?

春奈 人気の楽曲を超えるというのは確かにすごく難しいことなのですが、決して同じものを作るというわけではないので、また新しいものを作り出すということはすごくワクワクします。リスナーの方にはたとえ似た方向性であっても、新たに受け取ってもらえるものがあると思います。


──「PURPLE LOVE (Solo Version)」は「S×W EP」で真山りかさんと一緒に歌った楽曲を今回ソロで歌われて、歌詞も変えられていますね。2人で歌って一度形にしたものを、この度はどのように再構築されたのでしょうか?

春奈 りかちゃんと歌ったものはやっぱり2人でしか表現できない「PURPLE LOVE」の形だと思うのですが、今回1人で歌ったものは等身大の春奈るなが表現されているなと思います。2人の時には2人のよさがあり、また歌い方で曲のよさというものも変わって、まったく違う曲に聞こえますね。

──歌詞の中にある「恋は紫」というのはどういう意味ですか?

春奈 これは推しキャラの色なんですよ。(笑)。りかちゃんと私が「おそ松さん」に出てくる一松が大好きで、そのイメージカラーが紫なんです。元々、りかちゃんとはオタトークの対談をさせていただいて、この歌詞もそのとき出てきた私たちの言葉をもとに書かれています。 「聖なる夢コレクション 集めすぎちゃって 神殿は愛の重みで 床が抜けそう」っていうのは私のリアルなエピソードなんです(笑)。薄い本やグッズを集めすぎて床が陥没してしまったことがあって本当に私たちらしい歌詞になってますね(笑)。

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