「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第二章」上映記念インタビュー第3回! 「男は大きいものが落ちてくると押し返したくなる?」羽原信義監督×福井晴敏インタビュー【前編】

ついに、ついにヤマトが再び銀河の海に旅立つ日がやってきた!

待望の「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」の第二章「発進篇」が、2017年6月24日(土)より期間限定で全国劇場上映開始されたのだ。

旧作「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」、「宇宙戦艦ヤマト2」を下敷きにしつつ、「宇宙戦艦ヤマト2199」の正統な続編として制作された本作は、「2199」第9話、第19話にて演出・絵コンテとして参加した羽原信義さんが監督を務め、「機動戦士ガンダムUC」のストーリーを手がけた福井晴敏さんがシリーズ構成・脚本を手がける大作アニメである。

今回、本格的に物語が動きだす第二章が上映されるということで、このお2人に本作の制作秘話と第二章の裏話をうかがった。

新たな敵・帝星ガトランティスの出現、復興の裏で暗躍する地球とガミラス、そして旧ヤマトクルーたちを呼ぶ謎の声。複雑に入り組んだ物語を読み解くヒントが、このインタビューに隠れているかも……しれない。
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羽原監督と福井晴敏、それぞれの「ヤマト」原体験

――完結を見た「宇宙戦艦ヤマト2199」が「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」として再起動したわけですが、おふたりとも「宇宙戦艦ヤマト」には強い思い入れがあるわけですよね。

羽原 はい。初回放送のテレビ版(1974年)をリアルタイムで観てましたね。僕はもうどストライク世代なので。庵野秀明さん(1960年生)より少し下の世代でした。

福井 その当時、俺は小学3年生ぐらいだったので、どストライクとは違いますね。少し上の世代が盛り上がっていたものを、背伸びして見ていたと。

――どちらかというと「機動戦士ガンダム」が直撃だったんですね。

福井 そうですね。

――羽原監督は「ヤマト」の衝撃が、アニメの道に進まれたきっかけのひとつだったんでしょうか。

羽原 「ヤマト」の前に「マジンガーZ」の洗礼を受けてましたね。74年当時はすでにアニメーターになろうと思っていたので、毎週テレビでヤマトが画面の奥から来て、手前をよぎってまた奥に行くというカットを見ながら、パラパラ漫画を描いてました。

福井 たぶん、羽原さんの世代が「ヤマト」どストライクの下限だよね。中心層というのは庵野さんや出渕裕さん(「ヤマト2199」総監督)、氷川竜介さん(アニメ・特撮研究家)あたり。ガンプラもそうですけど、俺達はお兄さんお姉さんが夢中になったお下がりを享受していた世代ですね。

――そもそも「ヤマト」プラモの大ヒットがあって、ガンプラが生まれたんですよね。

福井 「ヤマト」のプラモには思い出がありますよ。友達のお兄ちゃんから「プラモを火で炙った釘でブスっと突き刺すと、被弾して穴が空いた感じになる」というテクニックを教わってから、自分でもやってみて。買ったプラモのほとんどぜんぶに開けて、親に見つかってこっぴどくしかられたり。まぁ、危険な火遊びでしたし。ペンチでプラモを挟んで火でゴーッと溶かし、それがエスカレートすると黒い塊になっちゃったとか。

羽原 しかも、すごい煤(すす)が出るんですよね。

――被弾どころか轟沈してますよね。

福井 ちょっとヒヤリとした瞬間がありましたね。よい子はマネしちゃいけないよって注釈を入れておかないと。

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