豊崎愛生が、ソロワークスをまとめた初のベストアルバムをリリース。「私を私自身に戻してくれる1枚です」。

2009年10月に、1stシングル「love your life」をリリースし、ソロアーティストとしての活動を始めた豊崎愛生。それから約8年、彼女の初のベストアルバムがリリースされることになった。「love your Best」と名づけられたそれには、彼女自身が選んだ15曲と、新曲1曲を収録。さらに、CDとは曲の構成を変えたアナログ盤もリリースされる。ベストアルバムの内容について、そしてソロワークスへの思いについて、たっぷりと語ってもらった!


人生の区切りの年に、ベストアルバムをリリースできました


──ソロデビューから約8年。初のベストアルバムですね。

豊崎 まさか自分がベストアルバムを出せるとは思ってもみなくて、お話をいただいた時はすごくうれしかったです。1stシングルの「love your life」からそんなに時間が経っているとは思ってなかったんですけど、ベストアルバムの選曲をする中で、自分の曲を最初から聴き直してみたら、こんなに長く歌ってきたんだと。やっと最近、実感できるようになりました。

──なぜ、このタイミングでのリリースだったのでしょう?

豊崎 なぜなんでしょう(笑)。気づけば、アルバムを3枚、シングルを15枚リリースしてきて、曲が増えたということなのかもしれないです。今のお仕事を始めさせていただいて、ちょうど10年が経って、私自身も30歳になって。そもそもソロワークスは、「love your life」のCDがタイミング的に誕生日にリリースできるということもあって始まったことだったので、ベストアルバムを人生の区切りの年に出せるというのは、意味があることだなあと思っています。

──たくさんの曲の中から、収録曲を選ぶのは大変だったのではないですか?

豊崎 CDの収録時間ギリギリまで詰め込んで、15曲を選びました。最初は、2枚組にしましょうかという案もあったんです。でも、私はやっぱり1枚にまとめたくて。選曲については、スタッフさんとみんなで話し合ったうえで、私自身で選ばせていただきました。今まで歌った曲は、シングル曲、カップリング曲、アルバム曲の区別なく、どの曲にも等しく思い入れがあったので、この曲も入れたい、あの曲も入れたいという贅沢な悩みがありました。

──曲のリストを見ると、シングル曲が中心のラインアップ、という感じではないなと思いました。

豊崎 シングルコレクションにはならないようにしたかったんです。アルバムの曲やカップリングの曲も入れて、歌ってきた曲の幅を感じていただきたくて。

──曲順には、どのようなこだわりがあったのでしょう?

豊崎 選曲にすごく悩んだ後に、曲順という次の壁がありました(笑)。自分の名刺代わりになるベストアルバムを作るにあたって、私という人間を説明できるような曲順を意識しました。もちろん、シャッフルしてどんな順番で聴いていただいても大丈夫なんですけど、「私からの提案としては、この順番で聴いてほしいな」というものになりました。

──たとえば、1曲目の「一千年の散歩中」はシングル曲ではなくて、この曲から始めたのには、理由があったのだろうなと。

豊崎 「一千年の散歩中」は安藤裕子さんが作詞作曲してくださった曲で、3rdアルバム「all time lovin’」の最後に収録されているんですが、アルバムのレコーディングの順番も最後だったんです。この曲を歌ったことで、自分の力を出し切って、まっ白な気持ちで次の一歩を踏み出せるような気がして。3rdコンサートツアーでもアンコールのラストに歌っていたので、ファンの方にとってもシメの曲というイメージが強い曲ではあるんですが、そのいっぽうで「ここからまた始まる」という印象もあるなと思って、一番最初に持ってきました。

──今までのシメの曲であり、これからの始まりの曲でもあり、ということですね。

豊崎 そうですね。やさしくてふわっとした曲調も、今まで集めた花束があるから一歩踏み出せるという内容の歌詞も、1曲目にふさわしいなと思いました。

──こういうやさしくてふわっとした曲というのは、豊崎さんの最大の魅力だと思います。そういう意味でも、ベストアルバムのトップに適した曲なのでしょうね。

豊崎 ソロワークスには、やさしい曲が多いですね。時には、自分のネガティブな感情を表現したくて、作っていただいた曲もあるんですけど、どんなタイプの曲にしろ、聴いてくださる人に温かく響くものにしたいなという思いが、最初からあって。今回のベストアルバムも、それぞれの曲に振り幅がありつつも、全体としてはやさしい印象になっていると思います。私はグリーンが好きなんですけど、自然の色、癒やしの色ですよね。そんな癒やしに満ちた1枚を、みなさんにお届けできるんじゃないかなと思っています。

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