グルーヴィーなサウンドやラッキィ池田さんによるコミカルな振り付けが話題を呼んでいる「宇宙戦隊キュウレンジャー」エンディングテーマ「キュータマダンシング!」が、7月23日放送分より夏期バージョンの「キュータマ音頭!」に衣替え!
ファンク調の「キュータマダンシング!」を、音頭に大胆アレンジした「キュータマ音頭!」が早くも大きな話題を呼んでいる。
そこで、今回「アキバ総研」では「キュータマダンシング!」「キュータマ音頭!」を歌う歌手・松原剛志さんにインタビュー! 聞き手はロックバンド・モノブライトのベーシストにして特撮・アニソンDJとしても活躍する出口博之さん。「キュータマ音頭!」制作秘話から、松原さん自身のヒストリーまでたっぷり聞いていただきました!
「キュータマダンシング!」「キュータマ音頭!」制作秘話
出口 よろしくお願いいたします。本日は、特撮ソングの魅力や松原さんの音楽遍歴をうかがいたいと思います。
松原 よろしくお願いいたします。
出口 さっそくですが「キュータマ音頭!」(以下、音頭!)は、原曲の「キュータマダンシング!」(以下、ダンシング!)からかなり歌い方を変えていますよね。
松原 そうですね。「ダンシング!」はファンクのノリを大切にして歌ったんですが、今回は音頭ということで、三波春夫さんのように日本人の心に届くような歌い方を意識しています。具体的に言うと、「ダンシング!」では英語やカタカナを意識して歌っているんですが、「音頭!」のほうは「太字のひらがな」のイメージで歌いました。
出口 「音頭!」のボーカルは、完全に新録ですよね。最初、歌はそのままでトラックだけ変えたのかと思っていたんですが。
松原 全部録りなおしてますね。実は、最初に僕がいただいたデモも、トラックが音頭で歌が「ダンシング!」をつないだものだったんですが、それを聴いて「もうこれでいいんじゃない?」って思ったんです(笑)。でも、音頭のリズムにすると譜割が変わってくるので、どうしてもそこは歌いなおさないといけないということで、音頭のグルーヴを感じながら歌いなおしました。
特にこだわっているところが、「キュータマダンシング!」と歌うところです。「ダンシング!」では「キュータマダンシン♪」と歌っているところを、「音頭!」では「キュータマだんしんぐ♪」とはっきり歌っているんです。好きな方にはその違いをわかっていただけて、カラオケでも、「しんぐ」をしっかりと歌っていただけるのではないかと思います(笑)。
(999人のエキストラと歌っているMVを観ながら)
出口 すごいな~。完全にノリがフェスじゃないですか! どこで撮影されたんですか?
松原 埼玉の、川越からインターを3つくらい行ったところです。電車で行っても4時間くらいかかる場所ですね。エキストラはその付近の住人の皆さんや全国のキュウレンジャーファンの皆さまにお願いして、約999人が集まってくださりました。
出口 ダンスの動きもキレキレですよね。ネットでは川崎ラゾーナでのライブ映像が公開されていますが、松原さんの動きが誰よりもキレキレで(笑)。そこはミュージカルなどにも出演されているというバックボーンがあるからでしょうか。
松原 そうですね。3年間くらいダンス修行をしてからミュージカルをやらせていただくようになって、今もダンスのあるミュージカルをやったりもしているので、多少は……。まあプロのダンサーさんからしたら、鼻で笑われるようなものだと思うんですが。
出口 もともとの「ダンシング!」は、オールドスクールなファンクで、音数も昨今の楽曲としては少ないですよね。
松原 アレンジャーの川瀬智さんがギタリストなので、キーボードやシンセに頼らずに、ギターのちょっとしたおかずを組み合わせてかっこよく作るということにこだわられたのかなと思います。
出口 あ~なるほど! ギターが前面に出てガチャガチャっとやるのではなく、ずっと裏のほうで職人技みたいなのが鳴っている感じのアレンジですものね。
松原 10トラックくらい重ねて作っているそうです。
出口 なるほど! 謎が解けました。他の曲と並べて聴いていた時に、なんでこの曲はこんなに強いんだろうと不思議だったんですけど、ギターに秘密があったわけですね。
松原 それでいてちょっと音数的にも隙があって、なんだか聴き入ってしまうんですよね。
出口 聴けば聞くほど新しい発見がありますよね。途中でテンポが変わるのは、元からあるディレクションだったんですか?
松原 最初からありましたね。作曲家の平沢敦士さんはDJをやっていたり、ブラックミュージックに精通されている方なんですけども、この曲をモチーフにテンポを変えてかき混ぜようというのは、東映さんとか日本コロムビアのプロデューサーさんの狙いだろうと思います。