美内すずえ先生も大絶賛!「3ねんDぐみガラスの仮面~とびだせ私たちのVR(ヴィクトリーロード)~」ゲネプロ公演レポ!

累計発行部数5000万部を超える大ベストセラーである、美内すずえさん原作のマンガ「ガラスの仮面」。それを3Dアニメ作品としてリブートした「3ねんDぐみガラスの仮面」は、現代にタイムスリップしてきた北島マヤたちが高校生活を送りつつ現代社会を風刺していく学園ギャグ作品で、原作の雰囲気を残しつつデフォルメされたキャラクターたちのかわいらしさが見どころだ。脚本は「荒川アンダー ザ ブリッジ」の赤尾でこさん、アニメーション制作は「秘密結社 鷹の爪」のDLE。 2016年10月~12月までテレビ放送された。



その「3ねんDぐみガラスの仮面」の最新作、「3ねんDぐみガラスの仮面~とびだせ私たちのVR(ヴィクトリーロード)~」が、横浜市にあるDMM VR THEATERにて絶賛上映中だ。DMM VR THEATERは、3Dメガネなどを着用しなくてもリアルな立体映像を見ることができる特殊な映像表現「ホログラフィック」でステージ演出を提供する世界初の常設劇場で、ステージ上に対象が存在するかのように投影し、迫力ある映像と演出で本作を楽しむことができる。

そんな大舞台に「3ねんDぐみガラスの仮面」の面々が登場することは以前にお知らせ済みだが、7月22日からスタートした公演を前に、前日の7月21日にゲネプロ公演が行われた。会場には「ガラスの仮面」原作者である美内すずえさんも来場。ゲネプロの模様とあわせて、本公演を観ての感想をうかがった。

DMM VR THEATERならではの仕掛けがつまった「3ねんDぐみガラスの仮面~とびだせ私たちのVR(ヴィクトリーロード)~」

公演に先立ってスタッフ陣からあいさつが行われ、まずはDMM.futureworksのプロデューサーである山中崇さんが「アニメでやっていた『3ねんDぐみガラスの仮面』と少し方向性を変えまして、リアルなステージ・舞台として表現したらどうなるかということをこの劇場の特徴を生かし表現できたらと考えて作りました。アニメとの相違点としては照明や音響が劇場らしい使い方となっておりますので、そのあたりにも注目してご覧になっていただければと思います」とコメント。

さらに株式会社ディー・エル・イーのプロデューサーである芦塚明子さんは、「『3ねんDぐみガラスの仮面』は2016年10月からワンクールのショートアニメとして放映していたのですが、このシアターで30分の作品を作ることができました。劇場を通してこのアニメ版もどんどん広がっていってくれればと思っております。」と語り、さらに本作の監督のべんぴねこさんも、「舞台なのに、アニメのようでもあり、本当の舞台のようでもあり、演出している側もワクワクしながら作らせていただきました。なかなか面白い体験ができると思います!」とアピール。

関係者のコメントでは、本作がただのVR上映ではなく、演劇要素を盛り込んでいるという点が大いに推されており、どんなステージとなるのか期待が高まっていく。

そして満を持して上映が始まると、マヤ・亜弓・月影・桜小路が登場し、DMM VR THEATERのステージは、一瞬にして芝居の舞台と化したのだが、しかしそこは「3ねんDぐみガラスの仮面」、ひと筋縄では進んでいかない。舞台初日が3日後に迫っているというのに、いまだに演目も決まっていないという状態から物語がスタートするのだ。いくら妥協を許さない月影先生の指導のもととはいえ、そんな状況にキャラクターたちは大混乱。いっぽう観客は大爆笑の幕開けで、さすが「3ねんDぐみガラスの仮面」と言うべきだろうか。


ようやく演目も決まり、いよいよ稽古に身を投じるマヤ、亜弓、桜小路の3人。天才3人が集まれば3日で舞台が完成することなどたやすい……かに思えたのだが、そうは問屋がおろさない。たった3日しかない稽古期間にもこれでもかとさまざまな試練が3人を襲い、さらになぜか舞台にはまったく関係のない速水真澄も、側近である聖唐人と共に試練に巻き込まれるという展開で、「3ねんDぐみガラスの仮面」ファンの期待を裏切らないストーリーとなっていた。

さらに、本作はスタッフ陣の話にもあったように、技術面での見せ場も多い。ステージの左右に設置されたサイドスクリーンを駆使してマンガ的な手法を取り入れられていることもそのひとつだ。本作は本物の舞台同様に引きのまま映像が映し出されるため、印象的な「白目」シーンをアップにして映し出したり、背景の延長を描くことで場面の広大さを感じさせたりと、随所に見どころが盛り込まれていたのが印象的だった。そして音響面やライティングなど、舞台演劇に通じる演出も多数見受けられるので、演劇好きにも楽しめるのではないだろうか。

そんなさまざまな仕掛けの詰まった「3ねんDぐみガラスの仮面~とびだせ私たちのVR(ヴィクトリーロード)~」であるが、最後の最後まで「これでもか!」と投げられるネタを受け止めて大笑いしているうちに、気づけば物語は幕を下ろしていた。

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