安野希世乃がソロデビュー。ミニアルバム「涙。」は、彼女の歌声の魅力が詰まった1枚

「マクロスΔ(デルタ)」のカナメ・バッカニア、「冴えない彼女の育てかた♭」の加藤恵など、数々の作品でメインキャラクターを演じている声優・安野希世乃。彼女のソロデビュー作「涙。」が、2017年7月26日にリリースされる。「マクロスΔ」の音楽プロデューサーが手がけ、彼女の歌声の魅力をぎゅっと詰め込こんだ全6曲(+ボーナストラック1曲)を収録。アップテンポなナンバーもありつつ、基本的にミディアムの温かい楽曲が並び、やさしい世界観を作り出している。11月には1stライブも決定。ソロアーティストとして歩み始めた彼女に、話を聞いた。


「涙」がコンセプトになっていますが、それは悲しい涙ではないんです


──ソロデビュー、おめでとうございます。このお話を最初に聞いた時は、どう思いましたか?

安野 マネージャーさんから初めて聞いたのは、去年の12月だったと思います。ワルキューレでお世話になったプロデューサーさんが、ソロも手がけてくださると。最初の気持ちは、とにかくびっくりですね(笑)。いつの間にそんな話が進んでいたんだろうって。でも、ソロデビューには、マネージャーさんの尽力と周囲のたくさんの方々のご協力があったと知って、私は幸せだなあって思いました。

──そこから、具体的にどういう楽曲を作っていくか、という話になっていったわけですよね。

安野 せっかく、ワルキューレのプロデューサーさんが作ってくださるのだから、カナメとして歌っていた時のよさを出していったほうが、リスナーさんが受け入れやすいんじゃないかという話し合いをしました。プロデューサーさんは以前から、「歌声の泣きがいいですね」とほめてくださっていて、「切ない曲を歌うときによさが出るので、ソロデビュー作もそこを狙いましょう」と。それで、「涙」というコンセプトで曲を作っていくことになりました。

──カナメといったら、まずは「AXIA~ダイスキでダイキライ~」というイメージがあります。泣きの名曲です。

安野 「AXIA~ダイスキでダイキライ~」は私にとっても大切な曲です。いつ歌っても切なくて、「もう泣いてもいいですか?」という気持ちになりながら、歌っていました。もう1曲、私が大好きなワルキューレの曲に「涙目爆発音」があって、こちらは逆に「フーッ、楽しい!」みたいな感じで歌えるんです。今回のミニアルバムでは、「AXIA~ダイスキでダイキライ~」を作ってくださった方々(作詞/六ツ見純代、作曲/松本良喜、編曲/鈴木Daichi秀行)が「さよならソレイユ」という曲を、「涙目爆発音」を作詞作曲してくださった堂島孝平さんが「悲劇なんて大キライ」という曲を作ってくださって、私にとって特別な2曲になりました。

──プロデューサーさんだけでなく、ワルキューレの楽曲の作家陣も、「涙。」に関わっているんですね。

安野 はい。ほかには「涙目爆発音」のアレンジをしてくださった北川勝利さんや、「ルンがピカッと光ったら」「破滅の純情」などの作詞を手がけた西直紀さんも、参加してくださっています。

──ミニアルバムを通して聴くと、やさしい曲が多い印象でした。

安野 はい、歌詞もサウンドも、やさしい1枚になったと思います。「涙」がコンセプトになっていますが、それは悲しい涙ではないんです。「泣いてもいいよ。そこから、前を向こうよ」というメッセージを、全曲を通じて伝えられているんじゃないかなと。涙を肯定する、温かなミニアルバムです。

──よく聴くと、ボーナストラックも含めた7曲全ての歌詞に、「涙」というワードが入っているんですよね。

安野 そうなんです。ボーナストラックの「戸惑いトレイン」は、OVA「エスカクロン」の挿入歌で、ミニアルバムとはまったく別の経緯で生まれた曲なんですけど、「涙」というワードで繋がっていて感激しました。

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