「きみの声をとどけたい」インタビュー第2弾は三森すずこ! 「NOW ON AIRは、今私が世界で一番いとおしい6人です! 」

2017年8月25日(土)に公開されたアニメ映画「きみの声をとどけたい」で、大人びたミステリアスな少女・矢沢紫音を演じるのが声優の三森すずこさんだ。



三森さんは「きみの声をとどけたい」に出演する声優ユニット「NOW ON AIR」のメンバーを選出した第1回「キミコエ・オーディション」の見届け人でもある。先輩であり見届人としてアフレコ現場で見たNOW ON AIR、そして一役者として見た作品「きみの声をとどけたい」について、彼女自身のエピソードも交えて語ってもらった。
「きみの声をとどけたい」インタビュー特集第1弾! いよいよ本格声優デビューを果たすNOW ON AIRにインタビュー!

「年齢は離れているんだけど、尊敬の気持ちを抱いてしまいました」


──「きみの声をとどけたい」に出演が決まった時の感想を教えてください。

三森すずこ(以下、三森) まず最初に、NOW ON AIRのメンバーを選ぶ「キミコエ・オーディション」に見届け人として参加していたのが彼女たちを知ったきっかけなんです。だから「きみの声をとどけたい」への出演を知らされた時は、NOW ON AIRのみんなと同じ作品に出演して、一緒に作品を作ることができることがすごく嬉しかったです。ただ詳細を聞く前は、主人公たちから見た先輩の役かなと思ったんです(笑)。それが実際は同級生の役なんだとわかって、これはみんなのピュアさに負けないように私もがんばろうと思いました。

──台本をご覧になってどうでしたか?

三森 伝えたいことはとてもシンプルな内容なのかな、と思いました。だからこそグッと来るというか、ヒロインたちのピュアな気持ちがつめこまれていて、心が洗われるような作品だと感じました。

──演じている矢沢紫音(やざわしおん)の印象を教えてください。

三森 紫音が4歳の時にお母さんが事故にあって、意識がずっとない状態なんですね。だから現実に対して何かあきらめているというか、さめた目で見つめているところがあると思います。周りのみんなより早く大人にならざるをえなかったところがあって、はしゃげないし、友達もいないし、すごくぶっきらぼうな感じだし。「さめてる」という言葉が一番ぴったりくると思います。

──NOW ON AIRと同世代として芝居をするのにピュアさが必要と先ほど言っていましたが、紫音のさめた大人な感じとはギャップがありそうですね。

三森 みんなのお芝居のピュアさが基準としてある中、紫音をどこまで大人びた感じにさせるかは試行錯誤しましたね。紫音と2人でお話することが多いなぎさは、演じる(片平)美那ちゃんが現役高校生なので、本当に等身大のお芝居という感じなんですね。だからなぎさのリアル高校生感に負けない何かが必要だと思ったので、紫音は大人っぽくてさめてるんだけど、どこかに子供っぽさがある感じを出さないとな、と思いましたね。

──オーディションを通してNOW ON AIRを見守ってきた三森さん的に、彼女たちの演技はどうでしたか?

三森 オーディションの時はビデオメッセージという形で一方的にメッセージを送っていたのですが、実は実際に6人揃って生でお会いしたのはアフレコの時が初めてだったんです。直接会った彼女たちはすごく品があって、素敵な子たちだなと思いました。

──なるほど、それまでは一方通行のやりとりが多かったんですね。

三森 そうなんです。初めて会った時は、やっぱり私が先輩ということもあってみんな緊張していたんです。でもすごく礼儀正しくて……、なんて言うんだろう、みんなどこか古風なところがあるような気がしたんです。

それに大勢の中から選ばれた6人なのでお芝居も素敵だし、歌がとにかくうまくて。最後にみんなが合唱する曲がアフレコのVTRに入っていたので、正直私焦りを感じました(笑)。みんなうますぎる、これは次世代だなと。

自分が新人だった頃を思い出すとぜーんぜんこんなにできなかった。私は芝居も苦手だったし、元々歌に対しても苦手意識があったので、年齢は離れているんだけど彼女たちに尊敬の気持ちを抱いてしまいました。みんなアフレコ現場でもテイクを重ねながらすごく一生懸命で、監督たちの言葉をすごく真摯に聞いていましたね。そんな姿を見ていたらなんてかわいいんだろうと思いました。私にとって、今世界で一番いとおしい6人です。

「ほしいも」を食べつつコミュニケーション!

──アフレコでもメンバーの緊張は感じましたか?

三森 やっぱり私たちは先輩ですし、野沢雅子さんまでいらっしゃるスタジオだから緊張の1日だったと思います。でも収録の合間に一緒におやつを食べたりしたので、普段のみんながどんな様子だったのかたくさん聞いてしまいました。

──メンバーが、三森さんに「ほしいも」をいただいたと言っていました。

三森 そうなんですよ、私がたまたま「ほしいも」を自分のおやつ用に持っていたんです。もっとおしゃれなお菓子にしたらよかった……。「三森さんにマドレーヌをもらった」とかだとよくないですか? なんで「ほしいも」をチョイスしちゃったのかな(笑)。

──メンバーからすると三森さんはあこがれの先輩なわけですが、そういった視線は感じましたか?

三森 すごくじーっと見られてました。逆に緊張しましたよ! 自分もまだまだ新人に毛が生えたようなものだと思っていたんですが、こんなに若い子が慕ってくれるならもっとしっかりしないといけないと思いました。どうしたら先輩らしくできるんだろうって。だから何かを教えてあげるとかじゃなくて、身近なお姉ちゃんになろうと思ったというか。私から見ると6人は孫感、「孫み」がすごいんですよ(笑)。ただただかわいい。

──逆に三森さんが新人時代にガン見していた先輩っていますか?

三森 私がデビューした頃にモブで入らせて頂いた現場に堀江由衣さんと田村ゆかりさん、能登麻美子さんがいらっしゃったんです。「ミルキィホームズ」の現場にも田村ゆかりさん、沢城みゆきさんなど、先輩方がたくさんがいらっしゃって、スタートの時期に素敵な大先輩の仕事ぶりを見せていただいていたので、NOW ON AIRのみんなから見るとそんな感じで見られてたりするんでしょうか。いろんな先輩に伝えてもらって、その中でもためになったことを後輩にも伝えられたらなぁとは思います。

──メンバーは三森さんに緊張をほぐしてもらったと話していました。

三森 だったらよかったです。もちろん怖い先輩も必要だと思うんですけど、私は怖い先輩には向いていないので(笑)。

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