夢の世界を、自由自在に描く──TVアニメ「18if」、森本晃司インタビュー

まもなくリリースされる、TVアニメ「18if」の主題歌集CD。
それに合わせて、この作品の総監修を担当するとともに、第10話「α夢次元」の監督・脚本・絵コンテ・演出・作画監督を担当した、森本晃司氏のインタビューをお届けします。

「18if」は、主人公・月城遥人と、「眠り姫病」に陥った女性たちの物語。
現実を拒絶してこんこんと眠り続け、夢の中では魔女となり世界を自由に支配するというのが「眠り姫病」。他人の夢にまぎれ込む能力を持つ遥人は、現実世界と夢の間に存在する「夢世界」を研究する神崎カツミ(夢世界の中では猫博士と呼ばれている)や、謎の少女・リリィとともに、魔女の夢世界にダイブして、彼女たちの悩みや苦しみを取り去っていく。

各話をそれぞれ別の監督が担当し、話数によって世界観が大きく異なるというのが「18if」の最大の特徴。作り手にとっては、基本設定を守りつつも自由度の高い作品と言える。また、エンディングテーマも各話によって変わり、主題歌集にはボーナストラックを含め、全15曲のOP&EDを収録。

「好き勝手に作ることができる」ことに魅力を感じて、この作品に参加したという森本氏。音楽に精通し、数々のアーティストとコラボレーションをしてきたクリエーターらしく、第10話「α夢次元」は、イマジネーションあふれる映像と音楽によって、不思議な世界が作り上げられていた。また、総監修としては、「18if」にどのように関わったのかなどを伺った。


夢の中の話なので、小さくまとまらないよう気をつけました


──まず、森本さんがTVアニメ「18if」に関わることになった経緯を教えてください。

森本 GONZOの石川(真一郎)さんから、自由にやれそうな企画があると、話をもらったのが最初ですね。1話完結で、毎回監督が替わって、違うことをやれるということだったので、だったら1本くらいやってもいいかなと。

──各話の監督として参加されただけではなく、総監修という役割も担ったのは、どうしてでしょう?

森本 これも依頼されてのことですね。原作のゲーム「【18】キミト ツナガル パズル」を友人の水口(哲也)くんが作っていて、彼がやっている作品だったら面白いんじゃないかと。じゃあ、総監修として、シナリオは全話見ましょうということになりました。

──総監修の仕事というのは、全話のシナリオのチェックがメインだったんですか?

森本 そうですね。でも、基本的には各話の監督と脚本家がやりたいようにやってくれればいいと思っていました。

──具体的に、各話のどういう部分にチェックを入れたのでしょうか?

森本 みんな最初はマジメに考えていたので、もうちょっと話を飛ばしてもいいんじゃないの、と。夢の中だから何でもありということで、作風もどんどん変えちゃっていいということを伝えました。それで支障があったら、直してもらうという感じで。とにかく、小さくならないように気をつけましたね。

──それが許される環境だったということですね。

森本 原作サイドの要望としては、シリーズの最初と最後だけゲームの世界観に沿ってくれれば中間の話数は好きにやっていいよ、と。原作に出てくる魔女も、中には含まれているんですけど、魔女についてもそれぞれの監督が描きたいキャラを作ってもらいました。


──オープニングテーマや各話のエンディングテーマの制作には、関わられたのですか?

森本 自分の担当話数のエンディング以外は、ノータッチです。ただ、TeddyLoidさんからのオファーでオープニングで米良美一さんを使うことになっていました。それだけだともったいないという思いがあったんですがTeddyLoidさんもそう思っていたみたいで、他にも歌ってもらおうということだけ、提案して、実現してもらいました。

──森本監督の提案もあって、エンディング主題歌でも米良さんが登場されたんですね。

おすすめ記事