ファンの質問に、喜多村英梨がぶっちゃけ回答! ニューシングル「arcadia † paroniria」リリース記念イベントレポート

これぞ喜多村英梨! というべき濃い楽曲を収録したニューシングル「arcadia † paroniria」。2017年10月1日(日)、アニメイト池袋本店9Fイベントホールにてそのリリース記念イベントが開催された。

その内容は、キタエリスト(喜多村英梨さんのファンのこと)からの楽曲に対する質問にじっくり答えていくというものだった。途中、答えが予期せぬ方向に広がっていったりすることもあったものの、ここでさらに楽曲の理解を深めて、2017年10月28日(土)に開催されるワンマンライブ「Nightmare † Alive 2017」への心構えがさらに強まるようなイベントとなった。

これぞキタエリ節! 喜多村英梨が語る、シンフォニックメタルの世界が広がる2ndシングル「arcadia†paroniria」インタビュー!


聞きたいことにズバッと答えてくれたキタエリ!


イベントが始まると、大きな拍手で迎えられ喜多村英梨さんが登壇。

「昨日もイベントでしゃべり倒して、喉は疲れていないんですけど、30過ぎると節々が痛い! そんな喜多村英梨、今日もがんばってリリイベします!」と高らかに宣言し、イベントがスタート。トーク内容は、事前に募集したキタエリストからの楽曲に対する質問・疑問に答えていくというもの。ここからとても濃い話が展開されていく。司会進行はトムス・ミュージックの橋本さんが務めた。

ここからは、一問一答形式でイベントの模様をお伝えしよう。

──言いにくいタイトルですが、どうして「arcadia † paroniria」というタイトルにしたんですか?

喜多村 デモを聴いたときに、シンフォニックで、ミサ感・ゴシック感があるけど、神々しいというよりは、ダークな要素が強い曲だなと思っていたんです。そしてサビを聴いたときに、アルカディア(理想郷、ユートピアを意味する古代ギリシア語)という文字がパッと浮かんだんです。

決め手となったのはサビの最後の部分。母音が“あ”で終わって歌い上げていくところで、ゴスペルというかミサで歌う自分の姿が思い浮かんだんです。

次に何を歌いたいかをイメージしたとき、悪夢は怖いけどそれでも見たかったり、怖いからこそ手を出してしまう美しさ、怪しさ、魅力があるというのが、まるで理想郷のよう……なるほど! キタコレー!と思って『arcadia(理想郷) paroniria(悪夢)』という言葉が出てきました。そして十字を切りたいと思って、ケータイで“記号”と打って、このタイトルになりました。

──作詞をするにあたって、童話や映画、関わった作品をモチーフにすることは多いのでしょうか? ネタ帳などはあるんですか?

喜多村 ネタ帳はiPhoneですね。日々刺激を受けたものをメモしています。あとは雑誌の煽り文やお化粧品のコピーとか、いいなと思ったらメモってます。そういうのを見て、言葉の綴り方なんかを学習するために書き溜めていってるんですけど、これは息を吸って吐くくらい自然にやっています。

で、おとぎ話の世界観というのは、ファッションとかメイクの影響が強いんです。「マジョリカ マジョルカ」(資生堂の化粧品ブランド)のようにおとぎ話や童話にかけてデザインされているものは好きだし、「不思議の国のアリス」などのプリンセスシリーズも小さい時から好きだったので、生まれた時からクラシカルでアンティークなものには、琴線に触れるものがあったみたいです。

あと、小学生の夏休みの宿題で「本当は怖い大人のグリム童話」みたいな本を題材に作文を書いて、先生に怒られたことがあるくらい(笑)。毒々しいもの、オフィシャルではないコミケ感・オフ会感、曲がった世界で脚色しているものに惹かれていたんですね。だからアルパロ(「arcadia † paroniria」)のような作品は、やりたいことのひとつだったので、念願がかなってよかったです。

──「arcadia † paroniria」の最後の謎の英語の意味は?

喜多村 私ではない第三者の言葉なんですけど、日本語的には“闇を纏う月はいっそうに輝いて、彼女の身を焦がすだろう。彼女の進む先は、楽園か迷宮か。物語はまだ終わらない……”みたいな意味でした。

──衣装は、「arcadia † paroniria」あっての衣装なのですか?

喜多村 衣装を考えるときは、詞の世界観より楽曲のイメージが第一優先です。「アルパロ」は、主旋律の音符の数が多いわけではなかったので、私自身は朗々と歌っているという意味で、スッとした感じがいいんだろうなって思いました。そうなると教会。教会と言ったらシスター。シスターと言ったらシスエリじゃね!って、そんな流れでしたね(笑)。



話題はカップリング曲、そして次回のライブの内容へ


──「TiCK TACK」の歌い方が好きです。

喜多村 表題曲で攻める時には、飴ちゃんをあげなきゃなって思ってるんです。かわいい声も出るんだよ~っていう(笑)。シャッフルでジャジーな曲も好きだし、みんなでオシャレにクラップ・ユア・ハンズしたかったんです。あとは“TiCK TACK”を一緒に連呼して、オシャレな一体感をライブで実現できたらいいなと。「アルパロ」や「EDEN」は地声に近い声質で歌ったけど、それだけじゃねーんだよ! って。人を逃さないために、飴ちゃんという名の鎖代わりに(笑)、コケティッシュかわいい、小悪魔かわいいテイストで歌わせてもらいました。

──「EDEN」について。

喜多村 仮歌のお姉さんの歌が仕上がりすぎてて、うめ~の! あまりにも仕上がりすぎてて、私たちはそこに何も施してはいけないという状態でした。これを喜多村流に消化しないと自分のものにできないという感じだったんですけど、キーだけ下げてもらっていいですかとお願いしました(笑)。それでキーを下げていくと、だんだん悪いギターフレーズが乗ってくるんです。確か「EDEN」 の間奏部分のギターリフは「ダウンピッキングにしろ」だの注文をすごくした気がします(笑)。ここで水を飲みたい、みんなが頭を振れるようなセクションを作ってくださいと、ギターフレーズを長くしてもらったんですけど、一発で返ってきたのがこれでした。シングルの収録曲の中では一番疲れた。家ですっごい練習もしました。

あとこの曲は、歌い出しも緊張します! クリックを聞いてるから、ライブでは地蔵になってるんで。だから10月28日のライブでは、この曲のイントロが来たときは静かにしといて!(笑)

──10月28日のライブについて。

喜多村 かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホールでのライブは座席指定になります。今年、精力的に活動させていただけることが嬉しかったし、追いかけてくださる方に、短いスパンの中でも「またこれか!」じゃなくて、「今回はこういう喜多村なのね」っていう新しい驚きやワクワクはひとつでも用意できるようにしたいと思います。何かひとつでも、みんなの中にホットワードが残るようなライブにしようと、いま一生懸命打ち合わせをしているので、お時間ある方は来てほしいなと思います。よろしくお願いします!

その後は、喜多村英梨からキタエリストに向けた質問「思い入れがある曲は?」に対する答えを読み上げるコーナーや、プレゼントコーナーでイベントは大盛り上がり。さらにその後のお渡し会で喜多村さんは、直接キタエリストとの会話を楽しみ、イベントは終了!

「次はライブで!」と大いに気持ちが高まるリリースイベントとなった。

(取材・文/塚越淳一)

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