秋アニメ「このはな綺譚」大野柚布子、秦佐和子、久保田梨沙、加隈亜衣にインタビュー! 狐っ娘達の日常をほんわか描く本作の魅力
2017年10月よりAT-X、TOKYO MXなどで放映スタートしたTVアニメ「このはな綺譚」。原作は天乃咲哉さんの同名コミック(幻冬舎コミックス「月刊バーズ」連載中)で、狐っ娘の仲居たちが働く温泉宿「此花亭」を舞台に、主人公の新人仲居・柚とその仲間たち、そして宿を訪れる来客たちとの不思議な日々や心の交流を描く、和風ファンタジーアニメだ。
⇒2017秋アニメ
今回、アキバ総研では放送開始を記念してメインキャストから、ちょっとドジだけど明るい新米仲居・柚を演じる大野柚布子さん、柚の教育係にして相棒、真面目な先輩仲居・皐を演じる秦佐和子さん、優雅がモットーの優等生だけど、心の中では結構毒舌な仲居・蓮役の久保田梨沙さん、無口だけど好奇心旺盛な小狐仲居・櫻役の加隈亜衣さんの4人をインタビュー。作品の印象や役にかける思い、収録現場の様子などを語っていただいた。かわいらしい狐の女の子たちが働く宿と、かわいらしい女性声優が働くアフレコ現場には共通点も……!?
新人仲居と新人声優、どちらも一生懸命!
――まずは最初に役が決まった時のことや、キャラクターの印象を教えていただけますか?
大野柚布子(以下、大野) 柚の第一印象は透明な子。とにかくまっすぐで、純粋で素直な子だなって思いました。柚をやらせていただくって決まった時は、私、本当にまだ経験も浅いのですごいびっくりして、「ええっ、できるかな」って不安になったんです。でも、柚も新人仲居で……一生懸命がんばる、とにかくまっすぐで元気な明るい子なので、自分もとにかく一生懸命がんばろうって思いました!
秦佐和子(以下、秦) 皐はオーディションの当日にふられて、どういう役かもあまりわからないままやったので、まさか決まった時はすごくびっくりしましたね。やってみると自分自身に近いところがたくさんありました。ちょっと頑固で(笑)、ちゃんとしてるように見えてわりと弱気な部分があるところとか。演じていくほど、段々自分と皐が重なっていくような、そんな感じがしています。あと、あまり今までやったことがない声のトーンの役だったので、最初は「できるかな?」っていう不安がちょっとありましたね。
久保田梨沙(以下、久保田) 私もオーディションしますって連絡をいただいた時にはまだ役がわからなくて。原作の公式サイトでキャラクターを見たんですが、そこで「私この子を受けるかもしれない」って思ったのが蓮ちゃんだったんです。それで受けさせてもらって、蓮ちゃんをやらせていただけることになったので、なんか……あ、お見合い成功した、みたいな(笑)。第一印象はきらきらしてて、すごくかわいくて、目の色が綺麗、でした。
加隈亜衣(以下、加隈) 櫻はあんまり深く考えないで臨んだ役だったんです。で、いざやってみたら、感じたままをやったことがよかったんだなって思いました。櫻はあんまり表情とかの出力がない子なんですけど、だんだんとギャグっぽい表現とか細かい描写とか、大人がはっとさせられるような表現が出てきたりするんで、なんか感じたままでよかったんだな、なんてことを原作を読んだ時にも思ってましたね。
かわいいだけのゆるふわ日常系かと思いきや……!?
――原作を読んだ印象はいかがでしたか?
大野 すごくきれいなお話だなって。もちろんキャラもかわいいんですけど、内容がすごく深くて。何回読んでも考えさせられたり、ちょっと不思議だなって思ったり、心にグッて刺さったり……っていうのが多い作品だなって思いました。
秦 私はあまりこういうタイプの漫画を読まないので新鮮だったのと、作者の天乃先生が、最初は男性だと思っていたので、女性だと聞いてすごくびっくりしました。また、はじめは女の子同士の恋愛だけを描いた作品なのかなって思ってたんですけど、読んでみると今の自分に刺さるようなこととか、背中を押してくれるようなことがたくさん描いてあって。多分すごくやさしくて強い人が描かれている作品なんだなって感じました。
久保田 以前、天乃先生の別の作品を見たことがあったんですけど、「わっ、絵がすごくきれいな人だなぁ」って思っていました。「このはな」の原作を読んだ時も、背景がとても細かく描かれているし、物語もただかわいいだけじゃなく、すごく深い部分があるんです。絵から入る人もいるけど、内容もちゃんと好きになってくれる人が、きっとすごく多いだろうなと思いました。
加隈 読む前は結構ゆるーくふわふわした日常系かなって思ってたんですけど、そんなことなく、メッセージ性とか問いかけられてる感じとか、はっとさせられるようなこととかも詰め込まれてるんです。かと思ったら、「あ、かわいいー」と思うシーンもあったり(笑)。主に女の子の活躍が描かれているのですが、それぞれのかっこよさとか、仕事に向かう姿勢とかに、自分もがんばんなきゃなって思う気持ちにもなったりしました。いろんな感情を与えてくれる作品だなって思います。
――役作りや演じるうえで意識していることは何ですか?
大野 柚はありのまま、思ったこと、感じたことをそのまんま言う子で、本当に素直な子なんです。最初は“透明な子”だと思ってたんですが、「素直な子です!」っていうディレクションをスタッフさんからいただいて、もう一回原作を読み返してみたら、確かにもっと泥まみれ、ケモノっぽい感じなんですよね。なにか飾ろうとして言ってるわけじゃない、ありのままの子なんだな、という印象の変化がありました。とにかく柚をやるのに、柚のこといっぱい考えようって思ってます。
秦 「皐と私って近いのかな」ってちょっと思ったことで、最初のうちはなんかついつい自分に引き寄せすぎてしまっていました。私はそれほど怒りとか悲しさとかをバン!と前に出すほうじゃないんですけど、そういう風に演じがちになってしまったんです。でもそのうち私と皐はやっぱり違うと思うようになり、もっと感情を出すところはしっかり出そうとか、気を付けてやっているところです。近いがゆえについ一緒にしちゃう、みたいにならないよう気を付けています。
久保田 蓮はとにかく表情がコロコロ変わるんですけど、最初はちょっとまだ「ツン」てしてる部分が多いですね。でも、段々心を開いてくると本当にその子のことを思ってあれこれ言ってあげるようになって、それでまた心が近くなっていったり。そういう部分の変化とかに気を付けています。あとは……怒るんです。ほんっとに毎回(笑)。すごくエネルギーを使う子だから、自分もいっぱいいっぱいになるまで出していかないと、と思っています。結構「もうちょっと! もうちょっと!」って言われることが多くて、難しいですね……。
加隈 素直にそのまんま演じています。あとスタッフさんからはよく「セリフが少なくてごめんね」って言われます(笑)。役柄的には……櫻は何も考えてないように見えても、多分だんだんと「あ、こんなこと考えてるんじゃ?」って、見てるほうも考えることが増えると思います。与えられる情報は少なくても余白がいっぱいある子なので、「あ、きっとこんなこと思ってるかな?」とか。なので、みなさんが心のアテレコをしてくれたらいいかな、なんて思ったりもしてます(笑)。
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