熱いおじさんにトキメキ!? 「Infini-T Force」放送開始記念、関智一&茅野愛衣インタビュー
タツノコプロ55周年記念作品として「科学忍者隊ガッチャマン」「宇宙の騎士テッカマン」「破裏拳ポリマー」「新造人間キャシャーン」という4大ヒーローが集結したTVアニメ「Infini-T Force(インフィニティフォース)」の放送がスタートした。今回は放映開始を記念して、ガッチャマン/鷲尾健役の関智一さん、ヒロイン・界堂笑(かいどう・えみ)役の茅野愛衣さんをインタビュー! 作品の魅力と裏話をたっぷり語っていただいた。
⇒2017秋アニメ
苦汁を飲み続けたタツノコ作品に雪辱!
――まずはお話をいただいたときのことからうかがえますか?
茅野愛衣(以下、茅野) オーディションは去年の春か夏、ずいぶん前ですよね。アフレコをしたのは、年末年始でした。3DCG作品だからということもあると思いますが、まずモーション用にアクターさんが演じて、それをCGにしたものをいただいて、こちらでチェックさせてもらうというやり方でした。
関智一(以下、関) 僕はガッチャマンのオーディション、もう3回目なんです。前のTVシリーズやOVAも受けてましたから(※TVアニメ「ガッチャマン クラウズ」、OVA「GATCHAMAN」)。「ポリマー」も「キャシャーン(Sins)」も「テッカマン(ブレード)」も受けて、全滅してるんですよ。たしか「キャシャーン Sins」のときは「たぶん関くんでいきます」って言われてたけど落ちて……タツノコ作品では苦汁を飲んでるんです。
茅野 もしその時にキャシャーンをやっていたら、今回ガッチャマンじゃなかったかもしれないですね。
関 そうなの。だから、ちょうどいい節目の55周年で参加できたのはよかったなって。雪辱も果たせましたし(笑)。
茅野 ここは“かっこ笑い”にしておいてください。
――はい(笑)。そんな関さんは、今回やっぱりガッチャマン狙いだったんでしょうか?
関 敵も含めて5役くらい受けたんですが、本当はポリマーをやりたかったんです。ポリマー好きなんで。だけど絵を見たときに現代風になってオリジナルとだいぶ雰囲気が変わってたんで、「ああ~こういう感じだと今の俺じゃないな、この中だとガッチャマンかな」って思いながらやってました。あとは悪者も楽しそうだなと。ヒーローはひと世代下の後輩たちがやるんじゃないかなと思ってました(笑)。
茅野 私もオーディションで笑とベル・リン(敵の1人で花澤香菜さん演じる妖艶な異星人)、女子キャラ2人を受けました。笑は基本はナチュラルに演じましたが、最近の若者という感じで私よりちょっと下の世代なので、ギャルとまではいかないですけど、しゃべり方の軽さなどは意識しました。みんなが知ってるヒーローたちと共演するというのは不思議な感覚がありましたね。
――ちなみに茅野さんは各オリジナル作品をご覧になったことは?
茅野 再放送で見ていました。やっぱり女子なので、どちらかというと「アクビちゃん」(※「ハクション大魔王」)や「みなしごハッチ」のほうをよく見ていたんですけど。本作に出てくるヒーローの作品も見たことはあるので、昔から活躍しているヒーローたちが3DCGになっているということで、かっこいいんだろうなという期待感でいっぱいでした。
関 僕は「ガッチャマンファイター」(※「科学忍者隊ガッチャマンF」)はリアルタイムで見てましたし、あとの作品も再放送や配信で大体は見てますね。でもテッカマンは変身するときに痛そうな描写が入るじゃないですか……あれがちょっと苦手で。暗い印象があって、ペガスも「ラーサー」しか言わないし怖かった。しかもあいつの中で変身してひどい目にあうじゃないですか。
茅野 ああ~。それは今回で克服できたんですか?
関 そこは今回、よりひどくなってた(笑)。
――こ、このトークは大丈夫なんでしょうか。
関 いやいや、純粋な感想ですから(笑)。でもいちヒーロー好きとして今回テッカマンが一番面白かった。ガッチャマンやポリマーはやっぱり格闘中心になるけど、テッカマンは飛び道具とムチとランスを持ってるから戦いにアクセントが付く。あと途中でペガスに乗って助けに来るパターンが多くて、なんかおいしいんですよ、扱いが。だから今回はテッカマンが僕の中ではフィーチャーされてます。
テーマは熱いお説教?
――関さんのガッチャマン=健に対する印象を教えてください。
関 監督の意図として、クソまじめなおじさんが若い子を説教するみたいなのを真剣にやりたい、熱くて今の時代からすると古めかしい感じもするけど、実直な感じが入れば若い人たちの気持ちも動かせるんじゃないかという狙いがあったそうで、そういう意味でガッチャマンは僕でよかったのかなと思います。現場に入ってるときはあまり実感がなかったけど、完成作品を見たらよくわかりました。
――昭和の男って感じがいいですよね。正義感や親身さゆえに、口うるさくお説教しちゃう感じが。
関 口うるさいのはもうずーっとですよ、ずっと。最後まで。そこがテーマですから(笑)。ハロウィンパーティーのシーンで友達に舐めた口きいてるところをたしなめたりね。「おまえ、その言い方はないだろう。友達に謝れ」みたいな。
茅野 笑は「うざい」って言って消えるんですけど(笑)。
――茅野さんは、笑という女の子をどうとらえていますか?
茅野 笑は素直すぎるんですよね。挨拶をいちいち守っているところがすごく天然で、最初にガッチャマンが助けにきてくれた時も「怪我はないか?」と聞かれているのに、「こんにちは」と言っていて(笑)。それで「怪我はないかと聞いている」ってやりとりがすごく面白かったです。
関 でもその「こんにちは」は、あとの伏線なんです。ただの天然ボケじゃないんですよ。
茅野 実はそうなんです。序盤では天然に見えてしまうとは思いますが……。言葉もきついので、演じていて嫌われないか不安でした。真面目である意味素直なんですけど、それがいいほうにも悪いほうにも出ている子なので。この作品は挨拶以外にもけっこう伏線が多いですよね。わりと序盤でお父さんが敵だとわかりますし。
関 だから2回見たらいいですよ。
茅野 映像もきれいですしね。CGがすごいなって感動しました。戦闘シーンのカメラワークもかっこいいです。あと、回想シーンで急に絵のタッチが変わる演出もとても素敵です。
――背景とキャラが同じ絵画調になるハーモニー処理ですね。昭和の作品には欠かせない演出でした。
茅野 すごく新鮮でした。「こういう描き方するんだ」って、まじまじと見ちゃいました。
――3DCG作品ということで通常のアニメと比べて演技する際の意識に違いはありましたか?
関 モーションをやってる方たちの存在が大きかったですね。たぶん普通の役者やスーツアクターをやってる方たちだと思うんですけど、芝居がナチュラル。声優ってよくも悪くもアニメに声をあてるってことに慣れ過ぎて、ステレオタイプな表現になりがちなんですよ。けど彼らはそういうのにとらわれないでセリフを言ってくれてて、我々の口調もそっちに寄せていけたので。
茅野 アクターさんのお芝居もすごく参考になって、ニュアンスをいただいたりしました。
――アフレコ現場の雰囲気はいかがでした?
茅野 男性陣のヒーロートークがすごかったです。
関 タツノコのヒーローはほかにもいっぱいあるので、あれに出たらどうなるかなとか、勝手に妄想トークしてました。
茅野 お芝居のかけあいも本当に楽しくて。そう言えば、関さんのお芝居が狙ってるとしか思えないほど面白いところが多くて……ほぼカットされてるんですけど、フレンダーに追いかけられてるシーンとかひどかったです。これは褒め言葉ですけど(笑)。「やめろ! そこは、ああぁー!!」みたいな感じでずっとやっていて、笑うとノイズになるので笑いをこらえるのが辛かったです(笑)。
関 あんな犬に追いかけられてたら、ふつうは人間だから間抜けになるじゃないですか。やってる僕はクソまじめなんですよ? そういう部分もあったほうが戦う場面でかっこよさも際立ってくる。かっこいい役をかっこいいだけでやるんじゃなく、普段もなきゃなと。
茅野 その抜けてるところがすごく面白くて。すごく愛しやすい“おっさん”だなと思いました。
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