内田彩ライブレポート──みんなが笑顔になれる色とりどりのライブ!「AYA UCHIDA LIVE2017 ICECREAM GIRL」1日目

喉の手術から復帰し、3rdアルバム「ICECREAM GIRL」をリリースした「うっちー」こと人気声優・内田彩さんが、2017年10月14日(土)、15日(日)の2日間にわたり、幕張メッセ イベントホールにてワンマンライブを行った。次から次へと繰り出されるカラフルな楽曲たち。それを笑顔で歌い続けるうっちーに、みんなが酔いしれたワンマンライブのうち、14日の模様をレポートしよう。




カラフルな楽曲を多彩な演出で楽しませてくれたワンマンライブ

2017年9月13日にリリースされた3rdアルバム「ICECREAM GIRL」は、彼女がこれまで積み上げてきたものが、しっかりと形になった傑作アルバムだったと言える。その1枚を引っさげて開催された、今回のワンマンライブ。

会場となる幕張メッセ イベントホールには、CDジャケットデザイン同様にアメリカンな街並みが描かれたステージセットが待ち構えていた。しかもメインステージのはるか後方には、大きなバックステージも用意されていて、2つのステージがキャットウォークのような道でつながっている。

そんなステージの上で、これからどんなライブが始まるんだろうと待っていると、突然ステージに大きなアイスクリームの風船が登場する。いきなり想像の斜め上をいく演出に驚いていると、風船が割れて中から内田さんが登場! いきなりのサプライズで幕を開けたライブは、アルバムと同じく「What you want!」からスタートした。

「今日は楽しんでいってね!」と曲間に笑顔で挨拶すると、「いざゆけ!ペガサス号」でさっそくアリーナを縦断! 途中、アドリブでセリフを入れたり、楽しそうにスキップしながら歌い一番後ろまで突き進む。後方の席が最前になるステージで「Sweet Rain」を歌うと、アウトロで再びメインステージへ。

 

ここまでバンドの姿は見えないが、確かにバンドの演奏は聴こえている。一体、どこで演奏しているのだろうか……? と思っていると、続く「Holiday」で街並みが描かれたパネルが剥がされ、なんとそこにバンドメンバーが姿を現す。ここでは、あえて日本武道館ライブと同じ仕掛けで楽しませてくれたうっちー。


そしてこのロックンロールナンバーを歌い終えると、最初のMCで「今回は会場も広いので、演出面でも楽しんでもらえるようにがんばっています。アルバムもいろんなタイプの曲があったので、どこでどの曲が出てくるんだろうな~って楽しみにしていてください。きっとビックリしてもらえると思うんだぁ~。私の歌声とパフォーマンスで、みんなをとろけさせられるように、そして一緒に楽しめたらいいなと思います。アイスクリームみたいな、甘くてカラフルな時間を、みんなで過ごしましょう~」と挨拶。

さっそく「Merry Go」ではダンサーが大勢登場し、カラフルなバランスボールを使ったダンスでステージをポップに彩る。今回、ダンサーと初共演となる内田さん。

「今回のライブは新しい挑戦をテーマにしてます。30歳を過ぎて、新しいアルバムを作って、どんなことが私にできるのかと思って探っていたんです。ひとりでやっていると寂しさもあったけど、こうやってかわいい子がたくさん出てくるとテンションが上がりますね!」と、カラフルな曲たちをいろんな演出で楽しんでもらいたかったと語る。


そして、2daysライブの日替わり曲として14日に歌ったのは「キックとパンチどっちがいい?」。イントロで「みんなキックが好き? パンチが好き? どっちも多い! わ~、ヘンターイ」と言うと、客席もさらに盛り上がる。どんな会場でも変わらないこのファンとの距離感が、彼女のライブの魅力とも言えるだろう。

最後に歌いたかった「あの曲」で、うっちーも涙……!

演出面でいろんなことが起こったライブ前半だが、中盤は「ロックな内田彩」が炸裂する。「アップルミント」から、このライブのためにメドレーを作ってきました!と、拳を突き上げたりタオルを回したりするブロックに突入。バンドセットもステージの前方にせり出て、フロアを熱く盛り上げる。「Ruby eclipse」では客席も真っ赤に染まり、ファンも演出をサポート。「ライブで盛り上がることを想定して選んだ曲があります!」と言って歌ったのは「Under Control」。大きなコールと共に会場の温度が体感で明らかに上がっていた。

だがそれだけが彼女の魅力ではない!とばかりに歌われたのは「Close to you」だ。アーバンなポップスに体を揺られていると、バンドが再びステージ内に収納される。モノトーンの衣装にチェンジした内田さんが登場すると、情熱的な「カレイドスコープロンド」が始まる。今度はダンスパフォーマンスで魅了するうっちー。1曲ごとに景色が一変する、そんな感覚だった。「Frozen」では青一面な世界とシリアスな歌声にドキッとさせられたが、さらに深淵に誘うような世界観で歌われたのが「Blue Flower」だ。ここではステージが上昇していき、上にあったスクリーンの前で止まる。そこに映像が流れ、まるでうっちーの後ろに花が咲いたようだった。さらに低音でズシズシ体を貫いたのが「ピンク・マゼンダ」。ここでは、どんどん曲の深い世界にのめり込んでいく感じだった。


そんな深い世界を、パッと明るいイエローに染め上げたのは3rdアルバムのリード曲「Yellow Sweet」。今度は、そこからEDMメドレーへと突き進む。彼女の武器であるロックとEDMを、メドレーにしてたっぷり見せてくれるところは生粋のエンターテイナーだ。MCも少なめでひたすら歌とパフォーマンスで畳みかけるのが、彼女のスタイル。テンポも非常にいいので、本当にあっという間に時間が過ぎていく。

「新しい挑戦というところでは、結構踊りました。どうだった? めっちゃ踊ったでしょ? やればできるでしょ? いろんな演出があるって楽しいね! 3年ソロを続けてきて、いろいろ試してきて、悩んだり戻ったりもしたけど、いつも笑顔で返してくれるみんながいたから、恐れずいろんな挑戦をしてこれた気がします。これからもアイスクリームのように、いつ食べても美味しいなって思えるようなライブをしていきたいと思ってます。そしてやっぱり私は、イエーイってみんなで盛り上がれるのが大好きなので、まだまだ私と一緒に、いい汗をかいてくれますか! ラストスパート行くぞ!」

そう叫ぶと、観客もこの日一番の声で応える。「Say Goodbye,Say Hello」「Blooming!」「SUMILE SMILE」と強力なライブナンバーを並べ、アリーナを縦断。たくさんのファンの近くにまで行き、盛り上げていた。しかも「Sweet Dreamer」ではトロッコも登場。途中客席と超至近距離になるところがあって、曲間で「わ~近い!」と叫んだりするところも彼女らしかった。

「近くで笑顔を交わしあえたことが嬉しかったです。言葉で伝えるとこんがらがっちゃうので、この曲でみんなにありがとうの気持ちを伝えられたらと思います」の言葉とともに歌ったのは、アルバムリリース時からライブの最後に歌いたいと熱望していた「Ordinary」。時折涙をこらえながら歌い終えると、ステージを後にする。

大きなアンコールに応えて再登場したうっちー。「トロッコという乗り物は、この世でいちばん好きですね! 後ろのほうの列、めちゃめちゃ近かったよね!」と本編での思い出を語ると、ここからはバンドメンバーとのまったりトークを展開。和気あいあいとした雰囲気が客席にも伝わってきた。

最後の曲は、ライブの景色を歌にした「Everlasting Parade」。どんな会場でも、みんなが笑顔になれるドキドキとワクワクを一生懸命考えているうっちー。それが詰め込み過ぎなくらい詰め込まれたライブだった。そして、この曲の歌詞のように“煌めくステージ”だった。そんなアリーナ1日目は、「また明日!」という笑顔で締めくくられた。

(取材・文/塚越淳一)

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