「笑えて、泣けちゃう!」クック役・悠木碧が語る「映画キラキラ☆プリキュアアラモード パリッと!想い出のミルフィーユ!」の魅力

2017年10月28日(土)より、アニメ映画「映画キラキラ☆プリキュアアラモード パリッと!想い出のミルフィーユ!」が公開される。



「キラキラ☆プリキュアアラモード」は、女の子たちが正義の戦士・プリキュアに変身し、悪の組織から平和を守るために活躍する姿を描く女児向けアニメ「プリキュア」シリーズ通算14作品目。想いのつまったスイーツを守るため、宇佐美いちかたちが伝説のパティシエ・プリキュアとなって戦うというストーリー。

アニメ映画「映画キラキラ☆プリキュアアラモード パリッと!想い出のミルフィーユ!」は、「映画プリキュア」シリーズ23作目。スイーツの街・パリを舞台に、プリキュアたちが大活躍する。
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今回、映画公開を記念して、「アキバ総研」では本作に登場する不思議な女の子・クックを演じる人気声優・悠木碧さんにインタビュー!

自身も「キラキラ☆プリキュアアラモード」ファンだという彼女に、本作の魅力や作品に参加しての感想。そして幼い頃に憧れたヒロインたちのお話をうかがった。

“ママみ”を感じさせるあきらのギャップがかわいい!


――出演が決まった時の感想をお教えください。

悠木碧(以下、悠木) 実は、今期の「キラキラ☆プリキュアアラモード」は受けていないんですが、これまで何度もプリキュアのオーディションは受けていたんです。ただ、私自身「プリキュアっぽくない」という自覚はあって……。だって、(プリキュアは)キラキラでかわいくて子どもたちに夢と希望を与えるけど、私は絶望しやすいから(笑)。それでも東映アニメーションさんのヒーロー・ヒロイン枠にはすごく憧れがあって、オーディションを受けさせてもらえるだけでも御の字だと思ってたんです。

なので、今回のお話をいただいて、某広告みたいに「なんで、私がプリキュアに!?」って、びっくりしました(笑)。マネージャーに三度聞きくらいしましたね。

私自身は、プリキュアには「キラキラ☆プリキュアアラモード」からすごくハマったんです。それで、いろいろなところで「今の『プリキュア』、めっちゃいいんだよ! かわいいんだよ〜!」って話をしていたんですが、まさか自分が出られるとは思っていなかったので、念願がかないました。

――「キラキラ☆プリキュアアラモード」にハマったきっかけは?

悠木 今まではオーディションを受けていたので、(落ちてしまった作品を見るのが)正直、複雑な気持ちはあったんですよね。

でも私の周りでプリキュアになってる声優さんがいて、その方のお話を聞くこともありましたし、プリキュアは毎年新しいシーズンになった時にキャラクターデザインなどが大きな話題になりますよね。それで、「キラキラ☆プリキュアアラモード」の情報が出た時に自分もネットで画像を見てみたら、剣城あきらちゃん(キュアショコラ)があまりにもかわいすぎて好みだったんです……! なので、最初は「かわいい女の子がいるから見よう」っていうよこしまな気持ちで見たんですけど(笑)、ストーリーも毎回胸がキラキラルでいっぱいになるくらい素敵でした。

もちろん、あきらちゃんが一番大好きで応援してますけど、嫌いなキャラクターが一人もできない、みんなを大好きになれる。悪者のことまでもちゃんと好きになれるストーリーで、どっぷりはまってしまいましたね。

――悠木さんが考える剣城あきらの魅力とは?

悠木 ボーイッシュだったり、宝塚の男役みたいな女の子キャラクターは、昨今珍しくないと思うんですが、あきらちゃんはこれまでの王道を踏襲しつつ、女性らしいところをきちんと残しているところが魅力だと思います。

包容力にもいろんなパターンがあると思うんですけど、あきらちゃんの包容力は「俺についてきな!」というよりも、相手の話をちゃんと聞いて「そっか。それはしんどかったね……」と受け入れてくれるようなタイプ。どちらかというと、“パパみ”(父性)ではなくて“ママみ”(母性)が強いんですよね(笑)。すごく女性らしいしなやかな強さで、おそらく今回のプリキュアの中で最も母性がある。その見た目とのギャップがたまらないな〜って思います。かわいです……!!

今回の映画ではギャグテイストが強いので、あきらちゃんの母性は“ギャルみ”も強かったですね(笑)。あきらちゃんは、劇中ではザリガニになっちゃったりもしてるんですけど、全然動揺しないところなんか彼女らしくて愛おしかったです。


――今回、初めてプリキュアメンバーと共演してみていかがでしたか?

悠木 収録では、プリキュアチームと一緒に録らせていただきました。アフレコに行ったら、プロとしてはしゃいじゃダメだなと思っていたものの、やっぱり本物を見ると「ワーイ!」って気持ちになっちゃいました(笑)。私はゲストだし、普段から騒ぎすぎてる自覚もあったんで、「ファンが来たよ……」って思われて気まずくなるかなとも思ったんですけど、みんなすごく暖かく迎えてくれましたね。(キュアパルフェ/キラ星シエル/キラリン役の)水瀬いのりちゃんは他の作品でも一緒になったりしているのもあって、現場にはすごくスムーズに入ることができました。

特にショコラ役の森ななこさんは私の隣に座って、プリキュアのことをすごく親切に教えてくださったんです。私がショコラのことを大好きだということも知っていてくださって、「とっても嬉しいです」といった言葉もかけてもらって、すごくありがたかったです。

それと、「このチームで作品を作っている」という現場を見れたのがよかったです。「キラキラ☆プリキュアアラモード」は作品同様、その現場も素敵で愛情が詰まっているということがわかりました。自分も、その一員になれてよかったと思います。

――ファンとは言いつつも、やはり収録のときはやはりプロとして臨まれたわけですよね。

悠木 この作品が好きだからこそ、「作品の一部のパーツに徹する」というのは一番重要だと思っていました。「キラキラ☆プリキュアアラモード」のいいところはわかっているつもりですし、それを私が汚すわけにはいかない、と。

声優という仕事は、ひとつの役を任されているとはいえ、作品全部を俯瞰で見ることが得意じゃないといけないと思っているんです。だから、私は自分があくまで作品のパーツであることを忘れずに取り組むことが大事だと思って、マイクの前に立ちました。

収録自体はけっこうすんなりできたんですけど、「もっと面白くしてください」みたいな指示をいただいたので、私はコミカル担当での採用だったのかなと思いました(笑)。私が演じるクックちゃんはしたたかなタイプというか、けっこう面白いキャラクターなので。

――そんな悠木さんの演じるクックの印象や、ご自身が演じる時に気をつけたことは?

悠木 見た目はすごく小さくて、かわいい妖精といった感じです。イタズラをするシーンが多いんですけど、それを「笑ってもらえるテイストにしてください」「子どもが爆笑できる内容であることが重要なんだ」。そして「すっとんきょうなことや意地悪なことをする時も笑えるレベルでお願いします」ということはすごく言われました。

――本作はギャグテイストが強いということで、演技もかなりコミカルなノリなんですね。

悠木 基本的に全員コミカルですね。でも、いつの間にかホロリとくるシーンもちゃんとあるんですよ! 演出が巧みで、「悔しいけど、泣いちゃう!」みたいな感じでしたね。

――今回はゲストキャラクターですが、今後もし悠木さんがプリキュアになるとしたら、どんなプリキュアになりたいですか? 

悠木 センターのピンクを演じる自信もなければ、クールなブルーやカッコいいレッド、おしゃれな黄色をできる自信もないですし……。だから、求めていただけるのであれば、どんなプリキュアでもいいです!

ただ、今までの演じた自分のキャラクターのイメージカラーは、オレンジや黄色が多かったですね。実は今までのプリキュアのオーディションも、オレンジと黄色で呼ばれることが多かったんです。


悠木碧のヒロインのルーツ、そして師匠は?


――悠木さんが幼い頃に憧れていたヒロインなどはいましたか?

悠木 「美少女戦士セーラームーン」とか「カードキャプターさくら」とか……。やっぱり、一番は「セーラームーン」ですね。毎週楽しみにテレビの前で待っていたし、変身ごっこをしたりもしてました。体操服の巾着袋とか筆箱とかパンツとか、身の回りのグッズは全部「セーラームーン」でしたね(笑)。

当時からいわゆるボーイッシュなキャラクター、特にセーラージュピターが好きだったんです。ちなみに最近リバイバルした「美少女戦士セーラームーンCrystal」を見たら、セーラーウラヌスが好きになっちゃいました。だから、子どもの頃から自分の嗜好はそっちに傾いていたんだなぁって(笑)。

――小さい頃はどんなお子さんだったんですか?

悠木 子どもの頃は、わりと人見知りで大人しい子でした。自分で言うのも変なのですがけっこう不思議ちゃんタイプで、人が遊んでるのを黙って見てニコニコしてる感じ。楽しそうにしてるのを見るのが楽しい、みたいな子どもでした。だから、「セーラームーン」もジーッと見ていて、親もそれを見せておけば静かだから、ということで、家では「セーラームーン」がずっと流れてました。

子役を始めてからは、表に出てしゃべったりしないといけないことが多くなったので、活発になったとは思います。ただ、昔は素直に引っ込み思案だったのが、今はその引っ込み思案を隠すためにしゃべるようになった感じなので、根はあまり変わってないのかな……(笑)。

――悠木さんの演じるクックは、シエルの師匠であるジャン=ピエール・ジルベルスタインと共に行動をしていますが、悠木さんにとっての師匠という人はいらっしゃいますか?

悠木 私の師匠は、沢城みゆきさんです。まぁ、沢城さんは「弟子とか取らないから」って言い続けてらっしゃるので、“自称”弟子なんですけど(笑)。

というのも、私が中学校に入りたての頃はうまく友達としゃべれなくて、ずっとアニメを見ていたんです。その時にアニメ「デ・ジ・キャラット」を見て、沢城さんの演じるぷちこ(プチ・キャラット)の声がすごくかわいいなって思ったんです。最初は「声がかわいい」ということくらいしかわからなかったんですけど、いろんな作品を見ていくうちにいろいろなところで沢城さんのお名前を見かけて、お芝居がすごくいいなって思うようになりました。

沢城さんはいろんな声が出せるだけじゃなく、キャラクターによって魂が違うというか、呼吸の仕方からお芝居が違うんですよね。このキャラクターはこういう体格で、こういうしゃべり方だからこのスピードで息を吸う、ということまでわかるんです。ドラマCDを聞いていても、たとえば、ふすまを何枚か挟んだところで話しているというのが伝わってくる。絵がないのに伝わってくるのがすごい! と感動して、私もいつか沢城さんのようなお芝居ができるようになりたい、って思いました。

――沢城さんのデビューも14歳と、悠木さん同様、小さい頃からお仕事をされていますよね。そういったところでもシンパシーを感じる部分がありましたか?

悠木 最初、沢城さんとお会いした時に「自分の年齢とやっていること(仕事)、その周りからの見られ方のバランスを取るのが難しい」という相談をさせていただいたんです。その時には「そういうのあるよね、わかる。でも、時間が解決してくれることもあれば、時間が解決してしまっていいのか? という問題でもある」というお答えをいただきました。シビアだけど、ウソのない言葉で私の相談を受け止めてくれて、先輩としてめちゃくちゃカッコいいって思いましたね。だから、沢城さんは私の師匠で、私はずっと沢城さんの“自称”弟子なんです。

――ありがとうございます。それでは、最後にプリキュアファンとしての映画「キラキラ☆プリキュアアラモード パリッと!想い出のミルフィーユ!」の見どころ、そしてクックの見どころをお教えください。

悠木 私が個人的にすごくキュンときたのは、みんなが別のアニマルに変身しちゃうシーンです!

亀になっちゃう宇佐美いちかだったり、ザリガニになっちゃうあきらちゃんだったり……。特にナマケモノに変身する立神あおいが超絶かわいかったです。普段は溌剌とした印象の彼女がちょっとけだるげでセクシーなんですよ。あとは、どんなアニマルになっても変わらないゆかりさんの強さ(笑)。みんなのいつもとは違う表情がいっぱい見れて、絶対かわいいと思うはずです。

それと、なんでもできて、やさしくて正義感の強いキュアパルフェが、今回はドジをし続けるという話も入ってくるので、そのギャップ萌えもすごかったです。

そして、クックは本当にひと筋縄ではいかないキャラクターなんですよ。もし「なんで悠木碧がプリキュアに出てるの?」と思った人も、映画を見ていただけたら、後半で「あー、なるほどね!」ってなると思います(笑)。けっこうびっくりしてもらえるかな。個人的にはクックとしての最後のセリフが印象的だったので、ぜひ見ていただけたらな、と!

――映画での活躍を期待しています。本日はありがとうございました!



(取材・文/須賀原みち)

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