「今はi☆Risを始めた頃の感覚に近いかも!」 2ndミニアルバム「only you? only me!」リリース記念・芹澤優インタビュー

1stミニアルバムから7ヶ月。再び太田雅友さん(SCREEN mode)をプロデューサーに迎え、人気声優・芹澤優さんが2ndミニアルバム「only you? only me!」を、誕生日である12月3日直前の2017年11月29日にリリースした。


「みんなが好きな芹澤優といえば“かわいい”だろうな」という思いから「かわいい」を詰め込んだ前作とは異なり、2ndでは「芹澤優が好きな芹澤優」を詰め込んだ。それでいてやっぱりあふれだすセリコのキュートさは隠しきれない、そう実感できる1枚でもある。すみずみまで自身の意思や意志を行きわたらせたという芹澤さんの思い、そして「i☆Ris」に対する気持ちもこぼれだしたロングインタビューをお届けしよう。

「セリコだけ見てよ?」って言える自分は気に入っています

――まずは「only you? only me!」ってタイトルをつけた理由から教えてください。

芹澤 前回の「YOU&YOU」から引き続き「ゆう」って言葉を使いたいと思いました。自分の名前でわかりやすいので。だから単純に「セリコだけ見てよ?」って感じですね(笑)。でも、「私を一番に応援してくれなきゃ嫌だ」ではないんです。「あざとかわいい」みたいなところで。自分で言うとホントつらいんですけど(笑)。ただ、そういうちょっとわがままな感じが入ったらいいなと思いました。やっぱり、「優だけ見て」「セリもかわいいでしょ?」って言えちゃう部分が自分ではすごく気に入っているので。

――今作は、80年代アイドルの路線を踏まえた「お願いWeekend」といい、90年代アイドルを思い起こさせる「PRINCESS POLICY」といい芹澤さんの強い思いを感じます。

芹澤 うれしい! 太田雅友さんに、この夏、私が森高千里さんにめっちゃハマってることも話したんです。そのあたりが反映されているのかな、って思います。

――各楽曲に関してはどういった要望から生まれたんでしょうか?

芹澤 曲については、「聴いてすぐ盛り上がれる曲を多めにしてください」って言いました。前回は、「Voice for YOU!」と「片思いExpansion」以外の4曲はミドルテンポバラードで、全体としてはゆったりとした雰囲気の1枚だったんです。でも、今回のアルバムはアップテンポをめっちゃ多めにしてもらいました。それはなぜかというと、私はi☆Risの活動もあるのでそんなに(ソロ)ライブを多くできないのはわかっているんですけど、それでもファンの人と盛り上がりたくて。やっぱり声を出して叫んでる瞬間の一体感がめちゃくちゃ好きなんです。楽曲を聴いただけでライブでのノリ方がわかるような曲は多くしたいと思いました。

――つまり、ライブをするならこういう曲、ってイメージですか?

芹澤 そう! 「こういうライブがしたい」って感じです。

――歌詞については?

芹澤 今回、歌詞は6曲全部、私が曲を聴いたときのイメージから「こういう詞にしてください」ってお願いをしたんです。


――では、6曲それぞれでこんな芹澤優を出せたってイメージを感じていますか?

芹澤 ありますあります! 手短に説明しましょうか?

――ぜひ(笑)。

芹澤 「PRINCESS POLICY」は芹澤優そのままって感じです。1曲目は、誰が聴いても芹澤優のことを歌っているとわかる曲がよかったので。前回の「Voice for YOU!」も「ザ・芹澤」って感じだし。“Only you…でしょ?”とか“どのかわいいが好きか決めなきゃもちろん私?当然だよね!”とか「ああ、芹澤さん」って感じですね。でも、“Only you…でしょ?”ってセリフを太田さんはレコーディングのときに「なくてもいいかも」って削る予定だったんですよ。でも私が、「声優としてセリフを入れたいです」って言って、入れてもらいました。このセリフが入ったことで、自分の中でより「いいな!」って気持ちになれましたね。

――曲中で“褒められたい”と歌っていますが、芹澤さんが2番目に言われたい褒め言葉って何ですか?

芹澤 え? 1番目は「かわいい」として、ってことですか?

――いえ、1番言われたい言葉はみんなに見つけてほしくないですか? 自分から言った言葉を言ってもらっても意味ないですよね。

芹澤 あー、確かに。じゃあ2番目か……。あっ、「いいインスタだね」って言われたいです(笑)。

――それでいいんですか?(笑)。

芹澤 いいんです! 私、インスタのフォロワーが全然増えないのがすごく嫌なんですよ。でも、インスタ映えする場所に1人でなんて行かないし、一緒に行く友達もいないし。「インスタ映えのためにわたあめ食べるとかしないだろ」って感じなんです。それでも懸命にインスタを更新してるので、よかったらフォローしてください(笑)。

――(笑)。2曲目の「お願いWeekend」ではどんな芹澤優が見られますか?

芹澤 「お願いWeekend」は、「週末が早く来てほしい!」という詞をお願いしました。でも、歌うときはライブを待っているファンの気持ちを考えていました。ライブで「芹澤、芹澤」言ってるみんなも、平日は会社でパソコンや携帯をいじって「しんどいな」って気持ちなんだろうと思うんです。でも、週末にライブがあるってすごく楽しみだと思うので。みんなの気持ちと、もちろん早くみんなに会いたい私の気持ちを込めました。「ハウ?トゥ!パーティー☆」はライブで一緒に盛り上がれる曲にしたくて作ったんですけど、これもすごく私っぽい曲です。(作詞の)松井洋平さんはデビュー当時からご一緒しているので、私のパーソナルな部分をすごくわかってくれていて、いつも「(歌詞の女の子が)私っぽくなるな」って思います。「今夜も月がきれい」は一番オーダーが少ない曲でした。ほかの曲はめっちゃ長く書いたんですけど、この曲は「恋の歌にしてください」くらいで。そうしたら「月」っていうワードが入っていたので、「TRUEさん、天才!」みたいな。私、『満月をさがして』っていうマンガが好きで、この業界に入った原点なんです。だから、満月がすごく好きなので、心が通じ合ったと思いました。これもある種、私ですね。でも、TRUEさんには歌詞を1、2回直していただいたんです。最初見たとき、「アイラブユー」って歌詞が多いってことがちょっと気になってて。「申し訳ないんですけど、アイラブユーが多いんですよねぇ」ってお伝えしたんです。そうしたら違う歌詞を書いていただけたんですけど、それもなんとなくしっくりこなくて。「んー……」って悩んでいたら太田雅友さんから夏目漱石のお話を聞いて、「あっ、アイラブユーってそういうことか」と思いました。


――「アイラブユー」という英文に対して、「月がきれい」とでも訳しておけと話したという伝説ですか?

芹澤 はい。その話を聞いて、「月がきれい」って言葉には好きの気持ちが集約されてるように感じて、「やっぱりアイラブユーで」って戻していただいたんです。結局口に出せるのは「月がきれい」というひと言だけ、というのが切なくて。レコーディングも何度も歌って、一番録り直した歌でしたね。

――そんなに歌い直した理由というのは?

芹澤 気持ちを入れすぎたら、「共感」ではなくて「独りよがり」になっちゃう感じがしたんです。楽曲を好きになる上で「共感」ってものすごく重要なキーで、歌詞やメロディを聴いて「私もそう思う」ってときが好きになる瞬間じゃないですか。だから、1人で熱い思いを語るのは違う気がしました。お客さんの心にすっと入っていける熱量を探るのはすごく難しいと感じですね。

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