スーパー戦隊シリーズ初の長編ドラマCD「『宇宙戦隊キュウレンジャー』泣かせろ! タマキュウ一座大一番!」収録インタビュー
放送中の特撮テレビドラマ「宇宙戦隊キュウレンジャー」がドラマCD化決定!
「仮面ライダー剣」、「仮面ライダードライブ」と展開してきたドラマCDシリーズから、スーパー戦隊シリーズ作品が登場することとなった。
脚本は、テレビシリーズにも携わっている下山健人さん書き下ろしによる完全新作!
「キュウレンジャー」メンバーからはラッキー / シシレッド役の岐洲匠(きず たくみ)さん、ナーガ・レイ / ヘビツカイシルバー役の山崎大輝 (やまざき たいき)さん、そしてスパーダ / カジキイエロー役の榊原徹士(さかきばら てつじ)さんが出演。さらにラプター283役のM・A・Oさん、ショウ・ロンポー役の神谷浩史さん、そしてゲストショーグンのチュウネンシャチュー役には、鈴木達央さんが登場!!
スーパー戦隊シリーズ初、本編放送中に発売となるドラマCDの収録現場から、俳優陣3名に本作収録について、じっくり語ってもらった。
スーパー戦隊シリーズ初の長編ドラマCD、ゲスト声優の鈴木達央に教わったこと
──「宇宙戦隊キュウレンジャー」としてはショウ・ロンポーのCDはありましたが、今回、本編の内容からスピンオフとなるタイトルのドラマCDになると聞いて、最初にどう思われましたか?
岐洲匠(以下、岐洲) 参加される声優の方の名前を見て「鈴木達央」さんとあるのでビックリしました。神谷さんとM・A・Oさんに加え、さらに鈴木さんが加わってさらに豪華な面子だな、と。戦隊シリーズで、一本まるまるのドラマは初(※)だと聴いて、感動しました。僕が思っている以上に、「キュウレンジャー」ってがんばってるんだな、って。
※本編の放送中に長編のドラマCDが発売になるのは、戦隊シリーズ通して初めて
(一同笑)
山崎大輝(以下、山崎) ドラマCDを出させていただけると聞いたときはめちゃくちゃ嬉しかったです。以前発売されたサントラの中で、曲振りみたいな感じで僕たちの声を入れて、ドラマCD仕立てのショートストーリーがちょこちょこ入っているようなものはやらせていただいているので、「キュウレンジャー」でドラマCDをやるというのは、想像ができるんですよね。今回こうやって60分のドラマにさせていただいて、いつもはテレビや映画といった映像ありでやっているものを、音声のみで楽しんでいただくことで、また新しい「キュウレンジャー」の魅力に気付いてもらえるんじゃないかと楽しみです。
榊原徹士(以下、榊原) めっちゃ正直に言うと、「待ってた!」、「お待たせしました!」という気持ちでした。「キュウレンジャー」では新しいことをたくさんやらせていただいているんです。たとえば本編中にVシネマをやらせてもらったり、今回のドラマCDだったり。この3人と神谷さんとM・A・Oさんで物語を作っていくときにどういう展開になるのかなと思ったんですが、「あ、こうくるか!」とビックリしました。そこにさらに達央さんが出演するとなって。僕はそこまで声優さんに詳しくなかったので達央さんについて調べたら、「めっちゃ有名な方やん!」って(笑)。だから最初は声優さんvs俳優陣っていう感じになるのかなって思いましたね。
──収録が終わったばかりとのことですが、収録を終えての感想をお聞かせいただけますか?
山崎 今回、いつも収録しているアフレコブースと違う場所だったので、少しむず痒いような感覚がありましたね。そこから収録に入ってみて、テストでいきなり台本12ページ分もまわしたんですよ。「そんな一気にやるんだ!?」ってなりました。僕、ほかの作品でドラマCDもやらせていただいていたりするんですが、それでも今回は新たな発見が多くて。ブースに入ってきた達央さんが第一声を発した瞬間、その声があまりに大きくて、マイクが揺れてるんじゃないかって驚きました。でも、それが逆に心地よくもありましたね。収録中は(達央さんの)隣にいたんですが、「プロはすげぇな……」って。僕たちも触発されて、負けないようにがんばりました。
──普段の番組でもアフレコをされていると思いますが、今回収録されてみて、大変だったところはどんなところですか?
岐洲 僕、普段の収録中は、神谷さんたちが収録しているのを聞いているときがあるんですが、やっぱりプロだなって感じるんですよね。いつもは僕たちのやり方に声優さんがあわせてくれている感じがするんですけど、今回は声優さんたちがやっているのと同じことを僕たちもやったので、本業の世界にぶち込まれたというか……本当にプロの力を感じました。あと、僕個人的にアニメが大好きなので、こういう録り方をしてるんだと知れてめちゃくちゃ楽しかったです。
──榊原さんは、今回、ある意味一番大変な役どころとなっていますが。(榊原さんは今回1人何役も演じている)
榊原 体ありきの演技だったら動きとあわせて出せるかもしれないんですが、声のみで何役も演じるというのは未知の世界で、それを組み立てるのが難しかったですね。そんな中、達央さんが第一声を発した瞬間に、僕ら3人とも萎縮しちゃうっていう……(笑)。怪人が登場した瞬間、すでに負けてましたからね、僕ら3人。でも、達央さんがすごい優しかったんです。ドラマCDを録るときって、冒頭だけテストしたらあとは本番らしいんですが、それを「どうしますか? ツルっとやりますか?」って聞いてくれて。僕らはやっぱり雑魚なので(笑)、達央さんには申し訳ないと思いつつ、本番前に練習したいってお願いしたら「いいよ」って快く受けてくれて。しかも達央さんも本気で僕らにぶつかってきてくれて、それがすごいありがたかったですね。それに乗っからないと失礼なことになるので、僕らも本気で臨みました。ただ、本番は気合いが入りすぎて空回りするところもありましたけど(笑)、そのおかげで楽しいというか、普段やっている本編とは違うものが録れたのではないかと、できあがりが楽しみですね。
──「キュウレンジャー」は本当にさまざまなことに挑戦している番組だと思いますが、本作で今後チャレンジしてみたいことはありますか?
岐洲 アニメーションをやりたいです! 30分のアニメを1話分作りたいって思ってます! 今のところは実現してないんですけど……。結構前からずっと言っているので、奇跡が起きればいいなと。
山崎 僕がやりたいことは2つありまして、ひとつは予告に関してです。これは度々言っているんですが、キュウレンジャーは12人いて、いまのところ第39話くらいまで進んできているということで、普通に考えるとひとり複数回(次回予告ナレーションの担当が)回ってくるはずですよね。でも……僕、まだ一回も回ってきてないんです。なんで回ってこないんだろうって、なんか悪いことしたのかな(笑)。レッドの岐洲くんや女の子のハミィちゃんとかがたくさんやるのは分かるんですよ。でも……僕が一回もないっていうのはただただ疑問で。なので、一回くらいはどこかでやりたいなって思ってます。あともうひとつ、スーツを着てアクションしてみたいです。僕たちの役をやっていらっしゃるスーツアクターさんがどれだけ大変なのかを身をもって体験したいと思います。
岐洲 それ聞いていて思い出したんですが、僕、割れ面(ヒーローのマスクが割れて、素顔が露出する演出のこと)がしたいです!
榊原 僕はオープニングで流れるスパーダのキッチンを、ぜひ12人で使いたいです。ギチギチかもしれないけど(笑)。あと、雨シーンをやったことがないのでやってみたいですね。僕ら12人がやられている雨模様とか、結構感慨深いものができると思うんですよね。まあ、複雑な事情があるとは思いますが、できたらやりたいなと思ってます。
山崎 あ、まだもう一個あった! キャラクターソングがやりたいですね。ナーガはバランスと怪盗BN団というのを結成しているんですが、一緒にできたらなあとか。
榊原 BN団は歌わなくてもいいんじゃない? 漫才とかで。
山崎 やめて、漫才って言わないで(笑)
榊原 じゃあリズムネタ?(笑)
山崎 ネタじゃないから!
今回の収録でみえた、お互いのリスペクトポイントとは
──お互いの「ここがすごい!」と思ったポイントはありますか?
岐洲 スパーダのアドリブがあるんですが、そこがホントすごいんですよ。想像の10倍くらい長いシーンをアドリブでずっとしゃべり続けてて。いやもう、すごいなって。
山崎 しかも、ひとりで何役かやりながら延々ひとりで続けているっていう。ホントすごいなって思いましたね。スパーダというキャラを生かして、なおかつ徹士くんの得意のポジションにもっていくというのがすごいなと。でもちゃんとスパーダで、めちゃくちゃ面白かったですね。徹士くんのスパーダのセリフの後に僕のセリフがあったんですが、面白すぎて次のセリフが言えないくらいだったので、ぜひ皆さん楽しみにしてください。ラッキーは、映像のときとドラマCDとで一貫性があって、ドラマCDでもやっぱりレッドなんだなと感じさせられる部分がすごく多くて。お子さんが聞いても面白いなと思ってもらえるポイントはラッキーにあるなって思いました。ちょっと声色変えるような場面も多くて。
岐州 そこは徹士さんのおかげですね。レベル高すぎて、そこに寄せていったので。
山崎 すぐ寄せられる臨機応変さを持っているところがすごいよ。
岐洲 ナーガは、怪談話が出てくるんですが、感情のないところが活きているというか、ゾクゾクするぞっていう心躍る感じがすごくいいなって思いました。
榊原 2人ともすごいなって思うのは、色付けがうまいんですよね。もちろん僕らはキャラクターでやらせてもらっているわけですが、声に乗せる芝居でそのキャラクターの色付けができる。それは、最初からではなく、物語の後半に向けて自分の持ち味を出すというか。「ナーガがこうした場合」みたいなことって、ナーガにしかできないんですよね。勘が鋭くて怖いですね、2人とも。柔軟性がすごいというか。
──ご自身について、成長した面はありましたか?
岐洲 オリオン号のセットで撮影するときの待ち時間って、みんなちょっとおかしくなってくるんですよね。その中でいろんな声を出して遊んでいたりして、その声を今回使うことができて。オリオン号の中の楽しんでいる一面を使えたというところで楽しめましたね。ただ、男性声優さんがお2人ともイケボなので、一緒に演じるのは、嬉しかったですけど恥ずかしかったですね。
山崎 1年間こうやって戦隊で同じキャラクターを演じさせていただいたことで、「ナーガの場合」というフィルターをすぐに通せるようになってきた気がします。最初の頃はキャラクターが感情を知らないというちょっと特殊なキャラなので、どういうふうに表現しようというのが難しかったですが、1年間やってくると、しっかりナーガなりのものを出せるようになってきて、今回のドラマCDに生かされているんじゃないかなと思います。
榊原 今日、大きな成長をさせてくださったのは、達央さんですね。一緒にやらせてもらうときに達央さんが「いっぱい遊びたいな」って言ってたんですが、「遊ぶ」って、いっぱい武器を持っている人の言うことだと思うんですよね。僕らはその武器がない中で、それでも同じ仕事をさせてもらうからには達央さんの「遊び方」を一緒に楽しみたくて。今回、なんとか一緒に「遊べた」のは、これだけの期間演じて成長できて、僕らがベースのキャラクターをフルに理解していたからだと思うんです。その成長があったから、達央さんをきっかけに僕らもさらに成長できたというか、本当にすごい感謝してます。行間だったり、難しい遊びができるようになったという今日で感じた手応えもあれば、自分の下手な部分も見えました。人と人が作り上げていくものなので、今日はそれを感じられたいい日だったと思います。
子どもたちの声援が教えてくれたこと
──子どもの頃憧れていたヒーローや、現在ご自身がヒーローになってみての感想を教えてください。
岐洲 子どもの頃は「仮面ライダークウガ」でしたね。あとは書道をやっていたので、「侍戦隊シンケンジャー」も好きでした。僕、アニメとかでもヒーローものを見るのが好きだったので、レッドに決まったときはただただ嬉しくて。オーディションが何回も、本当に何回もあったので、最終オーディションに受かったときにはほっとして母に連絡したんですが、実はまだオーディションが残っていて(笑)。でも「レッドになる!」っていう気持ちを貫き通して、レッドになれてよかったです。芸能界に入った大きなきっかけが、僕の代のジュノンボーイの子たちが、「動物戦隊ジュウオウジャー」(渡邉剣さん)だったり、「仮面ライダーゴースト」(西銘駿さん)とかのヒーローになっていて、「僕もなりたい!」って気持ちが強くあって。本当に今こうやってヒーローをやれているのは奇跡だと思います。
山崎 仮面ライダーや戦隊は通ってきてはいるんですが、僕は小さい頃にヒーローだと思っているものって、特になかったんです。最近になって気付いたのは母親が僕のヒーローだったってことですね。こうしてヒーローになった当初は本当にヒーローなのかなって思うことが多かったんですが、放送が進むにつれて子どもたちに声をかけてもらえるようになって、「本当にヒーローなんだ」って実感しています。最近はシアターGロッソで公演をさせてもらっているんですが、子どもたちに「ガンバレー!」って応援してもらうときの声が、本当に劇場が揺れるくらいの大声援なんです。その声を聞いて、これはヒーローになった者にしか味わえないものだと感じるのとともに、僕たちは本当に倒れたらいけないキャラクターなんだなって教えられている気がしますね。だからみんなのために宇宙を守っていきたいなと思っています。
榊原 僕は「忍者戦隊カクレンジャー」世代なので、ケイン・コスギさんに憧れましたね。ニンジャブラックの立ち位置って、「カクレンジャー」の中でも異色なんですよね。そのうえさらにアクションもむちゃくちゃできるし、レッドよりも好きだったんですよね。そこから、今はこうしてレッドを支える立場にいて。僕はレッドみたいなスターじゃなくて、「マイスター」っていう資格を持っているだけですけどね?(笑) 「ヒーローって料理人でもなれるんだ」、「誰にだってヒーローになれるチャンスがあるんだ」っていうのは、メンバーの中で僕が一番証明できる気がするんです。スパーダって突拍子もないところがあるんですけど、それでも「スパーダ!」って呼んでくれる子どもたちがいてくれて。めっちゃ強いわけではないですが、皆さんの思っているヒーロー像を崩さず、ヒーローになれるかもしれないと思わせられるキャラクターなんだと思います。
──では最後に、本作の聞き所を教えてください。
岐洲 プロの声優さんがやっている形で僕たちもやってみたので、どういうふうに聞こえるかわかりませんが、僕はラッキーだけを演じたわけじゃなくて、ほかにも演じていて。スパーダにいたっては、スパーダの家族演じていたり、すごく面白いことになっています。達央さんと僕たちのやりとりにも、ぜひ注目していただきたいです。
山崎 普段の番組なら映像を見て楽しんでいて映像ありきの「音」だと思うんですが、今回はドラマCDということで、映像がなく「音」だけなので、僕たちがどんな表情で演じているのか、ほかにも怪人の様子とか、想像の余地がたくさんあると思います。あと、普段は映像で顔が出ていますが、今回顔が出ていない分、僕らの演じ方もいつもと違うと思います。抑揚をつけていたりゆったりしゃべったり、聞き心地がいいものになっていると思いますので、じっくり聞いていただけると嬉しいです。
榊原 本編中の頭の方でスパーダの家族のことを伝えた話があるんですが、今回はその内容を掘り下げています。今回、それがかなりお話の軸になっていて、そこから派生してキュウレンジャーの個性が際立つ作品になっています。さっき山崎くんも言っていましたが、ドラマCDなりの声のトーンとか使い方を達央さんに勉強させてもらったので、もしかしたら序盤から後半にかけて僕らが成長している可能性もあるので、それも楽しみにしてほしいですね。安定のこともあれば、違う部分もある。笑いあり涙ありのストーリーが声だけで演じられているので、ぜひ楽しみにしていただきたいです。
【商品情報】
■ドラマCD「宇宙戦隊キュウレンジャー」泣かせろ! タマキュウ一座大一番!
・発売日:2018年1月26日(金) ※2018年1月24日(水)超英雄祭にて先行販売予定
・価格:3,000円(税抜)/ 3,240円(税込)
・仕様 CD
・出演 ラッキー:岐州匠、ナーガ・レイ:山崎大輝、スパーダ:榊原徹士、
ラプター283:M・A・O、ショウ・ロンポー:神谷浩史
<ゲスト>チュウネンシャチュー:鈴木達央、他
・原作:「宇宙戦隊キュウレンジャー」
・発売元:東映株式会社
・販売元:株式会社ムービック
<ストーリー>
「お前だけじゃなく、全ジャークマターを泣かせてやるぜ!」
久しぶりの休日。惑星ウィーグで芝居の公演をしている妹に会いに行くというスパーダに、ラッキー、ナーガ、ラプター、ショウが同行することに。
だが、惑星ウィーグの役者たちは芸術を嫌うダイカーン・チュウネンシャチューに捕らわれていた。彼らを救出するため、ラッキーたちは旅の一座に扮して芝居をすることになり――!?
<アニメイト予約特典>
・スペシャル座談会 CD アニメイト版(岐洲匠、山崎大輝、榊原徹士、M・A・O、神谷浩史、鈴木達央)
※M・A・O、神谷浩史はメッセージ出演。
<amazon 特典>
・スペシャル座談会 CD amazon 版(岐洲匠、山崎大輝、榊原徹士、M・A・O、神谷浩史、鈴木達央、望月卓)
※M・A・O、神谷浩史はメッセージ出演。
(C)2017 テレビ朝日・東映AG・東映
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