petit milady、Pyxis、山崎エリイ、村川梨衣が競演！コラボも新曲も飛び出したクリスマスイベント「Holy Party Night!」レポ

声優とアーティスト、その両方で活躍する「petit milady（プチミレディ）」（悠木碧・竹達彩奈）、「Pyxis」（豊田萌絵・伊藤美来）、山崎エリイ、村川梨衣が出演したクリスマスイベント「Holy Party Night!」が、2017年12月9日（土）、豊洲PITで行われた。

トップバッター・petit miladyが華やかにオープニングを盛り上げる！

ステージの両端にはツリーが飾られ、客入れのBGMにはクリスマスソングのオルゴールが流れるというクリスマスムードの中、バンドメンバーが登場すると会場から歓声が起こる。そして「Crazy Party Night～ぱんぷきんの逆襲～」（きゃりーぱみゅぱみゅのカバー曲）のイントロが鳴り響き、まず登場したのがpetit miladyの2人。クリスマスと思いきやハロウィンソングのカバーという意表をつくスタートだったが、歌途中で一段高くなったステージ2階部分からPyxisと山崎エリイさん、村川梨衣さんが次々と歌いながら登場すると、会場はさらにヒートアップ。いきなりの出演者勢揃いで、驚きと歓喜の声があがった。

ノれるパーティーチューンでイベントの始まりを告げると最初のMCへ。ここで「なかなか現場では会わないメンバーなので、さっき一緒にご飯を食べて、やっとしゃべったくらい」と悠木碧さんが話していたが、確かに珍しいラインアップだ。声優アーティスト同士というと共演するのは大きなフェスがほとんどなので、やるほうも見るほうもこういう機会がないということで、新鮮な印象だ。

そしてそのままそれぞれの自己紹介へ。しょっぱなからお胸に関するトークが展開されるなど、やや飛ばし気味な6人。でも今宵はクリスマスパーティー！ということで、そのくらいのテンションがちょうどいい。

そんな中、イベントのトップを飾ったpetit miladyの2人が、「聖なる夜にピッタリだと思います」と言って引き続き歌ったのは「＃彼氏いません」というから面白い。しかもクリスマス風にバンドアレンジされ、歌詞をもクリスマス仕様にするという見事なネタを仕込んで会場を盛り上げる。ここでは2人が手を繋いでくるくる回ったり、ハードなダンスでも魅せてくれた。

続いて歌ったのは、キュートなポップナンバー「ぼくのティンカーベル」。生バンドの演奏がとてもオシャレないっぽう、2人のかけ合いがあったり、客席へのあおりもあったりと、盛り上げるだけ盛り上げる。終わったあとは、息を切らしつつ「四捨五入すると30歳なんだよね…」と漏らしていた２人の姿も面白かった。

続いては人気曲「azurite」。ライブでは必ず盛り上がる熱い曲だが、今回は「しっとり聴いてください」と言って、ピアノ弾き語りでの歌唱となった。2人の情感たっぷりな表現と声の魅力が十分に感じられるパフォーマンスのあとは、ソロコーナーということで、それぞれのソロ曲を披露。

まずは悠木碧さんが、超キャッチーで広い会場で歌うのが似合う「永遠ラビリンス」を熱唱。徐々に高まっていく感じが素晴らしい。ちょっぴりきわどい歌詞なのだが、楽曲が本当に爽やか！というギャップが楽しい。そして「レーベルの垣根を超えて歌います」と竹達彩奈さんが歌ったのは、ライブでとにかく盛り上がる最強のコール＆レスポンス曲「ライスとぅミートゆー」。この曲は、自身のライブではなくても、すぐに誰もが叫べるというのが本当にすごい！　この日もおそらくさまざまなアーティストのファンが集っていたと思うが、無条件で一体になれる楽曲というのは本当に強いなと思った。

そして山崎エリイさんが登場。まずは彼女をpetit miladyの2人で挟むように、3人で歌ったのはクリスマスメドレー。たまに目を合わせたりしながら歌っているのが微笑ましい。歌い終わるとpetit milady　の2人から「かわいい！」と言われタジタジのエリイちゃん。「先輩たちと歌えて嬉しかったです」と喜んでいた。

petit miladyからのバトンを引き継いだ山崎さんがまず歌ったのは、バラード曲「My First Love」。クリスマスは家族のイベントでもあると思うが、そんな家族への愛がいっぱい詰まったこの曲。もちろんライブではファンへの愛も含まれていたと思うが、歌詞の意味を噛み締めながら聴くと本当に感動してしまう。また伸びやかな歌声もとても気持ちよかった。20歳になって初めてソロ出演するイベントということで、喜びを口にすると、2018年2月10日に開催される自身のワンマンライブについても「私がセレクトするカバーも織り交ぜながらの着席ライブになるとのことで、こちらも楽しみにしていてほしい」と語っていた。

続いてはタンバリンを手にスタンドマイクで歌う「Lunatic Romance」。やわらかい表情から一転、オトナな魅力を漂わせて歌う。これまでのライブでもよく歌われている曲だが、毎回その完成度の高さに驚かされる。彼女に対して、「ほんわかしていてかわいい」というようなイメージしかない人は、ぜひこのパフォーマンスを見てほしい。そして最後は「星の数じゃたりない」。これは生バンドには持ってこいな、テンションあげあげのポップナンバーで、当然会場も大盛り上がり。最後はジャンプをして締めくくる。

6人の人気声優が繰り広げる爆笑トークステージ！

再び出演者全員が登場して行われたのはゲームコーナー。「仲よくなったこのメンバーでクリスマスパーティーをする資金を獲得するため」ということで、競うというより一致団結して乗り越えるという趣旨のようだ。

その内容は6人全員が成功すればOKという一発勝負チャレンジで、最初のお題は「リコーダーでドをきれいに出す」というもの。これはトップバッターの伊藤美来さんがいきなりあっけなく失敗。泣きの1回で成功するも、続くりえしょん（村川さん）も失敗してしまい、結局クリアできず。「ド」を出すのは意外と難しいという結論に至った。

続いては、iPhoneに搭載される英語版「Siri」に時間を尋ねるというゲーム。英語苦手オーラを出していた竹達さんがクジで一番手を引くという絶望的な流れに……。崩れ落ちながらもがんばってチャレンジしたが、なぜか時間ではなく「ツナを食べられる場所」を紹介されてしまい、会場は爆笑に包まれる。ゲームには失敗したが、ある意味勝った感じである。そんな6人が最後に挑戦したゲームはパターゴルフ。30cmくらいの距離からホールを狙うが、不正を働いたにも関わらず失敗……。皆さんの、なかなかのポンコツぶりが会場を大いに盛り上げた。

その後、山崎エリイさんがステージに残り「誰とコラボするでしょうか？」と言って歌ったのは「王子様と雪の夜」（タンポポのカバー曲）。そして歌の途中で豊田萌絵さんが登場。2人で見つめあったり背中を合わせたり、かわいく踊りながら、冬にピッタリな切ない曲を歌い上げていた。

コラボのあとはPyxisのターン！　「ご挨拶がてら新曲を披露します！」と初披露曲「Pop-up Dream」を歌う。12月20日発売の2ndアルバム「Pop-up Dream」のタイトル曲で、途中で“小指”とか“約束”という言葉が出てくるのだが、そこで指切りをするような振り付けがあるのがかわいかった。この曲は「ステージに立つ私たちを歌詞にしてもらった曲」と語っていたが、これから彼女たちのライブでも育っていくような感じがした。

続く「ダイスキ×じゃない」では客席にもかけ声をお願いして、一緒になって盛り上がる。途中2人で手を合わせたり、ワチャワチャした感じの振り付けも楽しい。そんなPyxisの客席を巻き込んでいくライブパフォーマンスに、会場の熱気もどんどん高くなっていく。

そしてそのまま伊藤美来さんのソロへ。彼女のソロ曲は切ないオシャレポップスが多いのだが「No Color」もそんな1曲だろう。かわいらしさの中に、どこか切なさを感じるのが彼女の歌声の魅力で、それが本当によく出ている曲だ。そしてTVアニメ「りゅうおうのおしごと！」のEDテーマで3rdシングル「守りたいもののために」（2018年2月21日発売）もフルで初披露。まだ誰も聴いたことがない曲を生バンドで聴ける贅沢な時間となった。この曲もまたおしゃれな楽曲ながら、切なさの中に強い意志を感じさせる、実に彼女らしい楽曲だった。

共演者の仲も深まったクリスマスイベント！

次に披露されたのは、豊田萌絵さん、伊藤美来さん、村川梨衣さんによる、松任谷由実さんの名曲「恋人がサンタクロース」のカバー。「りえしょんがこの曲を私たちと歌いたいと言ってくれたと聞きました」と豊田さんが言うと、「う～ん、一緒に歌えたのはすごく嬉しいけど、この曲を絶対にとは、言った覚えがありませんっ！」なんていう、すれ違いの面白やり取りが繰り広げられたあとは、りえしょんのソロブロックへ。

まずハロウィン前にリリースした4thシングルから「Night terror」を。ゴシックな雰囲気漂う怪しげな演奏などが印象に残る楽曲だが、こういうカッコいい雰囲気も彼女の音楽＝RiEMUSiCの魅力とも言えるだろう。続いて歌ったのは、まだ音源化されていない、ライブでだけ歌われてきたハードロックナンバー「レクイエム」。レアな楽曲に、観客も声を張り上げて楽しんでいた。

そんな熱いパフォーマンスを見せていたりえしょんだが、最後はやはりクリスマスにぴったりなこの曲「Snow Christmas」（4thシングルc/w）を披露。クリスマスのムードにぴったりな鈴のシャンシャンという音に包まれながら、彼女の真っ直ぐでどこまでも伸びやかな歌声が会場に響き渡る。その声に心を奪われ、静かに聴き入る会場も印象的だった。とても幸せで温かい雰囲気があるのにどこか切なさも感じる、本当にクリスマスの雰囲気にピッタリな素敵な楽曲だった。

エンディングでは、出演者全員からの感謝の気持ちをファンに届ける。それほど接点がなかったという話を最初にしていたが、それぞれが「本当に楽しかった」と語っていたことから、このイベントでぎゅっと距離が縮まったのではないだろうか。