【アニメコラム】アニメライターが選ぶ、2018年冬アニメ注目の5作品を紹介!

2018年冬の新作アニメは1月1日から放送がスタート。TVアニメに正月休みという概念は存在しないようだ。今回はそんな冬アニメの中から注目の5作品をピックアップした。
永井豪50周年記念作品「DEVILMAN crybaby」、「週刊ビッグコミックスピリッツ」連載の「恋は雨上がりのように」、大川ぶくぶの人気4コマ「ポプテピピック」、オリジナルロボットアニメ「ダーリン・イン・ザ・フランキス」、プリキュア第15作「HUGっと!プリキュア」をご紹介!


DEVILMAN crybaby

永井豪の傑作コミック「デビルマン」がNetflixで映像化。悪魔と融合してデビルマンになった主人公・不動明の神話を、これまでアニメでは描かれなかったラストも含めて表現する。セクシャルでバイオレンスな描写も盛り込まれ、テレビでは放送できない過激な映像を堪能できる。
監督は「夜明け告げるルーのうた」でアヌシー国際アニメーション映画祭のグランプリを受賞した湯浅政明。永井豪×湯浅政明という希代のクリエイター同士のコラボは、不動明×アモンに匹敵するほどの組み合わせだ。「DEVILMAN crybaby」はオリジナル要素を多数交えているが、往年の主題歌「デビルマンのうた」を挿入歌に用いるなど、過去作品へのリスペクトも十分。どんな場面で使用されるのか楽しみだ。



恋は雨上がりのように

ノイタミナの最新作は、17歳の女子高生と45歳の中年男性の恋愛を描いた人気コミックが原作。ファミレス「ガーデン」を舞台に、年の離れた店長に恋をした橘あきらの真っ直ぐな思いを描く。普段はクールだが好きな人の前では不器用になってしまうあきらはもちろん、冴えない雇われ店長の近藤正己も魅力的。年の離れたスタッフとのコミュニケーションに悩み、ビジネス書を買い揃えている姿はかわいさすら感じられる。
キービジュアルでは青空や入道雲、海辺の街の景色まで美しく表現された。アニメーション制作は「進撃の巨人」や「甲鉄城のカバネリ」のWIT STUDIOが担当。アクション作品を得意とするスタジオが切ないラブストーリーをつむいでいく。



ポプテピピック

出版元の竹書房を破壊したり、看板に指定暴力団と落書きをしたりと、カオスなギャグで注目を集めた4コママンガがついにアニメ化。メインキャラクターはポプ子とピピ美の2人だけ。ツッコミ不在で息つく暇なくギャグが繰り出される原作を、映像でどう表現するのかまったく想像できない。
当初は17年秋開始予定だったが、放送延期の理由を「キングレコードの勘違い」と発表。PVはなぜか実写で、ポプ子とピピ美がアニメファンの外国人に襲いかかるなど、アヴァンギャルドな宣伝も話題になった。制作は「ジョジョの奇妙な冒険」のOPアニメなどでスタイリッシュな映像を手がけてきた神風動画。メインスタッフにはアニメーション作家も起用し、ハイクオリティな“クソアニメ”に期待がふくらむ。



ダーリン・イン・ザ・フランキス

「リトルウィッチアカデミア」のTRIGGERと「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」のA-1 Picturesが共同制作を務めるオリジナル作品。巨大生命体・叫竜と戦うために育てられたコドモたちが、少女の姿をした巨大ロボット・フランクスを操るメカアクションだ。キービジュアルでは主人公・ヒロをはじめとするメインキャラが集結。学生服のようにも見える衣装を身にまとっているが、学園ものの要素もあるのだろうか。
フランクスは大きな瞳を持ち、PVではその表情も豊かに描かれている。通常のロボットアニメとはひと味違うバトルシーンを楽しめそうだ。名作「天元突破グレンラガン」を手がけたクリエイターが多数参加しているのもポイント。「To LOVEる-とらぶる-」の矢吹健太朗によるコミカライズも要注目!



HUGっと!プリキュア

「プリキュア」シリーズ第15作は「子どもを守るお母さん」がテーマ。中学2年生の野乃はなが空から降ってきた不思議な赤ちゃん・はぐたんを育てながら悪の組織に立ち向かう。これまでの戦うヒロイン像を踏襲しながら、母の持つやさしさも表現していく。
それゆえに変身後のプリキュアたちは少し大人っぽいデザイン。主人公・キュアエールの唇にひかれたルージュがお母さんとしての1面を引き出している。キッズ層だけでなく、母性に飢えたアニメファンも癒やされる作品になるだろう。なおマスコットキャラクターのハムスター・ハリーは人間体に変身可能で、ものすごいイケメン兼イクメンとのこと。はなとはぐたんの成長を1年を通じて見守っていきたい。


(文/高橋克則)

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