【アニメコラム】アニメライターが選ぶ、2017年秋アニメ総括レビュー!「少女終末旅行」「シルバニアファミリーミニストーリー」など、5作品を紹介!!
2017年秋アニメを総括レビュー!終末ファンタジーコミック原作の「少女終末旅行」、映画館の幕間アニメから始まったオリジナルアニメ「アニメガタリズ」、社交ダンスがテーマの「ボールルームへようこそ」、comico連載の人気コミックが原作の「ネト充のススメ」、ロングセラー玩具を3DCGアニメ化した「シルバニアファミリーミニストーリー」をピックアップしました。
テレビアニメが部屋を明るくして見るものになってから20年経ったが、「少女終末旅行」はそんな警告を無視して暗闇の中で見たくなってしまう。すべての文明が滅んでしまった世界を舞台に、あてのない旅を続けている2人の少女・チトとユーリ。電気さえ通っていない廃墟を進む彼女たちが頼るのは、愛車のケッテンクラートが照らすライトのみ。ようやく出口に辿り着いた2人は外の光に包まれ、白く輝くテレビ画面の光線が我々の網膜に突き刺さる。この痛みこそ心地いい!
1話で生まれたシンクロは最終話でも繰り返される。視聴者と同じ状況に置かれたチトとユーリは、旅を通じて昔のことを知りたがっていたわけに気付く。その答えは私たちがアニメを見ている理由とも重なるはずだ。
アニメ研究部を立ち上げた女子高生・阿佐ヶ谷未乃愛が、個性豊かなアニ研部員に翻弄される学園コメディ。登場人物がアニメ好きという作品はもはや食傷気味だが、「アニメガタリズ」はアニ研あるあるをコミカルに描くことで独自の輝きを放っている。合宿先で部員を異性として意識してしまうミステリアスな現象に迫った6話や、自主制作アニメの上映にいたるまでのゴタゴタと異様なテンションを見せつけた7話・8話は、ノスタルジックな味わいも含んだ甘酸っぱいエピソードだ。
アニメキャラクターがアニメの素晴らしさを説くというメタ構造にも意識的で、後半はアニメによって世界滅亡の危機がもたらされる急展開に。アニメが現実を侵蝕した世界に迷い込んだ未乃愛のとまどいは、キャラの広告だらけの街で日々を過ごし、都知事がアニメのコスプレをする時代に生きる我々にとっても無関係ではない。アニメが当たり前のものになった世界で、アニメとどう関わればいいのか。日本アニメ100年を締めくくるのに相応しい一作。
競技ダンスと出会った富士田多々良が才能を開花させていく青春ダンスアニメ。常に動き続けなければいけないスポーツを全24話にわたって描き上げたこと自体が驚きだ。そんな華麗なダンスシーンはもちろん、登場人物たちが競技中に見せる多彩な表情にもハッとさせられる。
とくに顔に傷を持つコワモテの中年男性・峰吾郎の笑顔は一度見たら忘れられない。ダンスへの思いを断ち切れず、家族に内緒で大会に出場する峰の苦み走った表情は、オッサンを描き続けてきたスタジオ・Production I.Gだからこそ描けるスマイルだ。ダンスに魅せられた登場人物たちの顔が、多々良の脳裏にフラッシュバックする最終話もフィナーレにふさわしく、ダンスは表情も審査対象であることに気付かされる。
脱サラしてニートになった盛岡森子がネットゲームの世界で充実した日々を過ごす人間ドラマ。森子はアニメとしては珍しい30代の主人公。そのせいか彼女にとってのネットとはパソコンを通した世界のことであって、スマートフォンを通じたコミュニケーションは苦手な様子。間違えてメールを深夜に送信してしまいあたふたする姿がどこか親近感を誘う。
現代劇でありながらネトゲを舞台にしたファンタジーでもあり、現実とネットが次第に交錯していく展開が見どころ。パソコンのモニターに反射する森子を描いたEDアニメは、2つの世界が入り交じったストーリーを思わせる。後半明かされる事実は「前世」を思わせるロマンティックな設定で、すれ違いを描いたドラマを盛り上げている。
エポック社の人気ドール「シルバニアファミリー」シリーズのショートアニメ。チョコレート色の耳がトレードマークのショコラウサギちゃんを主人公に、シルバニア村のお友達たちを3DCGで表現した。そのクオリティは本物の人形を使ったコマ撮りアニメに見えるほど。ふわふわとした手触りの毛並みまで再現しており、あまりのキュートさにメロメロになってしまう。
物語は自然豊かなシルバニア村を舞台にしたハートフルストーリー。主人公のショコラウサギちゃんは意外と天然で、お友達の秘密基地をみんなにバラしたり、絵のモデルと称して妹を2時間も拘束したりと、お茶目な一面もちらほら。お腹が空いてケーキ屋さんの前で行き倒れるエピソードでは、うつ伏せのまま店に引きずり込まれていたが、そんな姿ですらかわいいのだから仕方がない。
(文/高橋克則)
(C) つくみず・新潮社/「少女終末旅行」製作委員会
(C) DMM.futureworks/JY Animation・咲鐘湖学園アニメ研究部
(C) 竹内友・講談社/小笠原ダンススタジオ
(C) 黒曜燐/comico/ススメ!ネト充プロジェクト
(C) EPOCH
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