企画満載のステージに笑い、ライブで盛り上がり、突然のフィナーレ宣言に涙……! 波乱の「ミルキィホームズバースデーパーティーパーティ!!!!!!!!」レポート!!

2018年2月3日、声優ユニット「ミルキィホームズ」のファンクラブ会員限定イベント「ミルキィホームズバースデーパーティーパーティ!!!!!!!!」が中野サンプラザホールで行われた。中野サンプラザといえば、2010年2月に開かれた、ミルキィホームズのメインキャラクターのひとり、エルキュール・バートン役を決める「エリーを探せ! ミルキィホームズ 声優オーディションツアー」最終審査の会場にもなった場所。今から8年前、現在のミルキィホームズが誕生した記念すべき地なのだ。


すでに報じられている通り、彼女たち自身はもちろん、ファンにとっても思い出深いこの地で、ミルキィホームズは2019年2月のラストライブ開催と、同ライブをもってユニット活動を終了することを発表した。本稿では、そんな「ミルキィホームズバースデーパーティーパーティ!!!!!!!!」当日の様子をご紹介しよう。

18時の開演と共に、舞台のスクリーンには「エリーを探せ! ミルキィホームズ 声優オーディションツアー」でエリー役に選ばれる佐々木未来さんのオーディション風景が流された。会場は、エリーのキャラカラーである緑色のサイリウム1色に染まる。そして、スクリーンにうながされる形で観客全員が「せーの!ミルキィホームズ誕生日おめでとう!!」と声を上げると、三森すずこさん、徳井青空さん、橘田いずみさん、佐々木さんのミルキィホームズ4人が登場。8年前に制作された最初の衣装に身を包んだミルキィホームズが「パーティーパーティー!」を歌い、宴の幕が上がった。



復活「ミルラジ」、懐かしの写真も登場!?


最初のコーナーは、2009年に始まった「ミルキィホームズ 探偵学院放送室」を皮切りに、タイトルや配信・放送形態を変えながらも連綿と続くインターネットラジオ番組「ミルラジ」の復活出張版。普通のお便りを紹介する「ふつおた」のコーナーでは、会場のファンからのお便りを読んで、息の合ったトークを繰り広げていく。節分についてのエピソードトークや今年1月に発売された最新シングル「Reflection」のMV撮影秘話、昨年12月に開催した両国国技館でのライブ「大ミルキィホームズ 十二月場所」の思い出など、話に花を咲かせる4人。途中、シャロのコスプレをしたファンが客席で迷っているのを壇上からツッコんで笑いを取るなど、いままで培ってきた彼女たちのバラエティ力が存分に発揮されていた。

「ふつおた」最後のお便りは、8年前の「エリーを探せ! ミルキィホームズ 声優オーディションツアー」最終審査について。エリー役として佐々木さんが選ばれた際に、なぜか泣き出した徳井さんのアイメイクが落ちてしまい、“黒い涙”となって流れた事件に触れた。当時のことを、佐々木さんは「なんでこの人(徳井さん)が泣いてるんだろう? でも、心やさしい人なんだなって。多分、今の関係性だったらツッコんでたと思います(笑)」と振り返る。また、徳井さんはアフレコ現場でほかの声優さんから「実はミルキィホームズのオーディションを受けてたんです」と、声をかけられることがあると話すなど、オーディションにまつわる話で盛り上がっていた。

続いて、特別企画として『クイズ「どっちがミルキィ2010!?」』が行われた。この企画では、ミルキィホームズに関わる写真のアップが2つ表示され、2つのうちどちらが2010年の写真かを当てるゲーム。難易度は相当高いと思われたが、衣装のバージョン違いなどから5問中4問正解という好成績を記録する4人。こんなところからも、4人のミルキィホームズに対する愛がうかがえるだろう。クイズでは2009年に行われたライブの写真や同じ事務所の後輩である声優・森嶋秀太さんの写真など、お宝写真(?)も飛び出すなど、笑いの絶えないコーナーとなった。

そして、三森さんの「ラジオといえば、やっぱりこの曲を歌わないとね」というフリから、「はいぱーみるきぃあわー」を歌唱。同曲はラジオ「ミルキィホームズ 探偵学院放送室4」のテーマ曲である。間奏では、徳井さんが「みなさん盛り上がっていきましょう! まだまだイベントは続きますよ〜!」と呼びかけ、会場の熱気も上昇していく。



オーディション再び! 佐々木未来はエリーだ!?


ミニライブが終わると、今度はスクリーンに「エリーを探せ! ミルキィホームズ 声優オーディションツアー」時の映像が映し出される。佐々木さんが特技として開脚や側転を披露する様子やアフレコ審査や歌審査の映像が流れたかと思うと、「エリーは佐々木!オーディション」企画が開始。「2018年 佐々木はエリーにふさわしいのか?」と掲げられ、2010年のオーディションが再現されることに。

その中のアフレコ審査では、今日のための特別な生アフレコ台本での朗読劇が行われた。それぞれがシャロ、ネロ、コーデリア、エリーとして、アンリエット生徒会長に分けてもらった節分の豆を食べるシーンを演じた朗読劇。キャラになりきっているはずだったが、年の数だけ節分の豆を食べる場面で三森さんが「31粒、取りました〜!」と高らかに宣言するなどして、会場からは大きな笑いが巻き起こっていた。

「エリーは佐々木!オーディション」企画が終わると、橘田さんがディファ有明で行われたミルキィホームズの1stライブの思い出を語るなど、懐かしい話題が展開。そこから、当時持ち曲がなかったミルキィホームズに、事務所を運営するブシロードが授けた社歌「熱風海陸ブシロード~熱き咆哮~(Hyper Euro Version)」のライブが始まる。いまや、すっかりミルキィホームズの持ち曲として定番化している楽曲でもある。着替えのため、一度舞台袖にはけていた佐々木さんも2番から合流したかと思えば、キッダーニ男爵に扮したブシロード会長・木谷高明さんが登場。「人間五十年」「夢幻のごとく」という語りをして去っていくという、こちらもおなじみの演出に会場も盛り上がりを見せる。

矢継ぎ早にそれぞれのソロ曲コーナーが始まり、三森さんの「偉人先人 Oh, Hero!!」、徳井さんの「ハートフル探偵☆ネロ」、佐々木さんの「Heart Mystery」、橘田さんの「Gorgeous Sensitive」を披露。そして、4人揃っての新曲「Reflection」では、事前に橘田さんの振り付け講座が行われ、新曲ながらも一体感のあふれるステージを作り上げていた。なお、振り付け講座の際、橘田さんは何度も振り付けを間違えて、「ファンの人のほうが詳しいんじゃないの!?」とツッコまれていたことも記しておく。

まだまだライブは終わらない。「ファンイベントだから、懐かしい曲もやりたいな」というフリから、2010年に発表された「ミルキィ tea time」が始まる。曲後のMCでは、武道館公演で歌った思い出やミルキィホームズ4人で事務所用に買った“色違いのコップ”が反映された歌詞など、本曲への万感の思いを語っていた。

オレンジ色の光に包まれたステージでバラード曲「聞こえなくてもありがとう」を歌った後、三森さんがイベントのクライマックスに近づいてきたことを告げ、始まったのは名実ともにミルキィホームズの代表曲である「正解はひとつ!じゃない!!」。ミルキィホームズのライブを経験して一番心に残るのは、観客との一体感だ。ファンのすべての振りや合いの手が一糸乱れず、会場のボルテージをマックスにまで上げていく。これがきっと、彼女たち4人とファンが今まで時間をかけて作り上げてきた信頼関係の形なのだろう。それは、続けて披露されたファンクラブイベント限定で歌われる「ミラクル×パニック♡エンドレス」でも同様だ。


イベント終盤、突然のラストライブ発表に会場は騒然!!


そんな中で、「ミルキィホームズからの大切なおしらせ」として、VTRが流れた。画面に映し出されたのは「2019年2月 聖地横浜 ラストライブ開催決定」「18年6月 ミルキィホームズ最終道 Road to Final」という文字。突然の発表に、観客席からは「え〜っ!」「ウソだろ!」「嫌だ!」と、悲鳴にも近い絶叫が聞こえてくる。三森さんは「ミルキィホームズは10年続けようと、走ってきました。そして、2019年2月、私たち4人のユニットとしての活動がゴールを迎えることになりました」と、時折言葉を詰まらせながら涙ぐんだ声で話す。徳井さんが「そりゃ寂しいけども、ゴールが待ってるということで、今年の6月にもライブが発表されています。あと1年を全力で盛り上げていくので、私たちのゴールを見届けて、見守ってください」と言うと、ファンたちはまだ事実を受け入れられずにとまどいながらも懸命に拍手を送る。

佐々木さんは「ミルキィホームズを一番応援してくれているファンクラブの人たちに、最初に言えたのが嬉しいです。1年あれば、なんでもできるから」、橘田さんも「あと1年、みんなで楽しいことを、思い残すことがないように。そのために、1年間が必要だった……かな」と、ミルキィホームズ最後の1年に向けての思いを語る。4人が話す間も、会場からは涙まじりの声が上がる。この時の4人はそんなファンたちを鼓舞するように、気丈に明るく振る舞っているようにも見えた。

「みんなで明るく笑顔で一緒に、手をつないでゴールしたいなって思います。私たちが消えてなくなるわけじゃなくて、お茶さえあれば家になるし、4人集まったらミルキィホームズだから」(徳井さん)

「だって私たち、生きてるから! 笑って、みんな。お願い!」(橘田さん)

「今日の最後は、いつもと同じでみんなに笑顔で帰ってもらいたいので、立ち上がってください。最後は、私たちのはじまりの曲で終わりたいと思います」(三森さん)

「雨上がりのミライ」が始まった。ミルキィホームズ1stシングルの表題曲だ。心なしか、最初はファンの振りや合いの手もどこか元気がないように見えた。それでも、自分たちを励ますように、そして何よりミルキィホームズの4人を応援しようと、徐々に声援は大きくなっていく。彼女たちが「前向いて 横向いて 始まるのは次のミライ」と歌いきると、観客席からは歓声と拍手が起こった。ミルキィホームズは4人手をつないで、ステージの端から端までに挨拶をする。思い思いの声を上げながら、ファンはそれに応える。

「これからもよろしく〜!」(橘田さん)、「また今度〜!」(徳井さん)、「次は6月だからね〜!」(三森さん)、「絶対だよ〜!」(佐々木さん)と言いながらステージから去っていく4人を、観客は力強い拍手で見送っていた。

終演後、ごった返す会場の出口で「ミルキィホームズはずっと終わらないと思っていた」と話すファンの言葉が耳に入った。それでも、ミルキィホームズは2019年2月、聖地・横浜でラストライブを迎える。今年6月には「ミルキィホームズ最終道 Road to Final」イベントの開催も決定している。10年をかけて、彼女たちとファンは共に手をつなぎゴールに向かって走っていく。1年後の“そこ”がどんな場所なのか。それはぜひ、あなた自身の目で見届けてほしい。

(取材・文/須賀原みち)

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