「カバネリ」「サイコパス」新作から「イングレス」まで!「Plus Ultra~フジテレビ アニメラインナップ発表会2018~」レポート

2018年3月9日、フジテレビ本社にて「Plus Ultra~フジテレビ アニメラインナップ発表会2018~」が開催された。


世界を見据えた新枠「+Ultra」2018年秋スタート!


この発表会では、フジテレビで放送される新作アニメに関する情報が一挙に発表された。

まず第1部では、フジテレビ常務取締役・大多 亮さんが登壇、今年で14年目を迎えるアニメ枠「ノイタミナ」に続き、新たなアニメ枠として「+Ultra」が新設されることが発表された。

近年世界的に日本のアニメーションの需要が高まる中、最初から大きな制作費を投入して、海外マーケットを見据えた作品を作ることを目的とするという。

「+Ultra」のムービングロゴの絵コンテを、「AKIRA」「スチームボーイ」などで国際的にも高い評価を得ている大友克洋さんが手がけることもここで発表された。


続いて、そんな「+Ultra」作品が続々と発表された。

まず2018年10月放送開始予定の第1弾タイトルから。

なんと、「Pokémon GO」の開発などで知られるナイアンテック社のARゲームアプリ「イングレス」のアニメ化が発表され、会場を驚かせた。

ステージに登壇した石井プロデューサーは、「アニメとゲームと現実のイベントが共存する新たなプロジェクト」「リアルタイムで視聴すると、『イングレス』に何かが起こる」とアプリと連動した作品になるとコメント。

また櫻木優平監督は、アニメ(-ター)見本市に出展しているほか、宮崎駿さん、岩井俊二さんとともにアニメ制作に携わった経験があり、さらに「Pokémon GO」でもヒューマンキャラのモデリングを手がけているホープ。「普通のアニメでなく、拡張現実エンタテインメントを目指す。アニメが現実に影響を与えたら面白いのでは」と本作への意気込みを語った。

なお本作は、ナイアンテック社もシナリオ段階から制作に参加する日米共同プロジェクトとのこと。世界中で人気のARアプリゲームが、どのようなドラマを紡ぐのかに注目だ。

次に紹介されたのは、2019年1月放送開始予定の「revisions リヴィジョンズ」。

本作は、「プラネテス」や「コードギアス 反逆のルルーシュ」の谷口悟朗監督をはじめ、シリーズ構成・脚本に「PSYCHO-PASS サイコパス」シリーズの深見真さん、キャラクターデザイン原案に「Wake Up, Girls!」の近岡直さん、アニメーション制作に映画「永遠の0」「ALWAYS 三丁目の夕日」を生み出した白組といった早々たるスタッフが結集。

突如、300年後の地球に、渋谷の街ごと転送されてしまった少年・少女たちによる群像激になるとのこと。

登壇した谷口監督は、「アニメーションと実写の中間のイメージ。いい意味で生っぽくなる。モーションアクターとの打ち合わせがあり、それが重要。海外のテレビドラマに近い作り」とコメント。実写畑出身という谷口監督のノウハウがいかせる体制で制作されているという。制作を手がける白組も、CGで渋谷の街をリアルに描くことに注力しているということで、臨場感溢れる描写に期待がかかる。

そして最後に紹介されたのは、2019年4月放送開始予定の「キャロル&チューズデイ」。

「カウボーイビバップ」「サムライチャンプルー」ほか、数々の名作を生み出した渡辺信一郎監督の最新作となる本作は、日清食品カップヌードルCM「HUNGRY DAYS 魔女の宅急便篇」、「HUNGRY DAYS アルプスの少女ハイジ篇」などのキャラクターデザインでも知られる窪之内英策さん、脚本はNHK連続テレビ小説「カーネーション」や映画「ジョゼと虎と魚たち」などを手がけた渡辺あやさんが担当。物語の主軸となる音楽は、「マクロス」シリーズなど数々の大ヒットアニメの音楽を手がけたフライングドッグが担当する

アニメーション制作はボンズ。登壇したボンズ代表取締役・南雅彦さんは、「4年位前からあった企画。音楽プロデューサーもする渡辺監督は映像も音楽的ということで、音楽をテーマにした」と本作を解説。

また、主人公“キャロル”と“チューズデイ”の2人の“歌声”を募集するボーカリストオーディションが全世界を対象に開催されることも発表された。英語での歌が可能なボーカリストを募集しているとのことなので、我こそは!という方は、ぜひご参加いただきたい。



ノイタミナ期待の新作の情報公開!


一気に大作3本が紹介された第1部に続き、第2部は、「ノイタミナ」新作が紹介された。

まずは2018年4月放送開始の「ヲタクに恋は難しい」。

ここでは桃瀬 成海役の伊達朱里紗さん、二藤宏嵩役の伊東健人さんが登壇し、本作の魅力について語ったほか、原作者・ふじたさんも脚本の制作に関わっていることが明かされた。これは原作ファンも嬉しいところ。

また、このステージでは新キービジュアル、EDテーマが新人歌手・halcaさんのデビュー曲「キミの隣」になることが発表。

最後に、「好きなものを好きと言っていい、という作品」(伊達)、「笑って、ちょっとキュンとして、ほっこりできる作品」(伊東)というキャストのコメントで締められた。


続いては2018年7月より2クール放送予定の「BANANA FISH」。

「BANANA FISH」は、「海街diary」など数々のヒット作を生み出している漫画家・吉田秋生さんの代表作である本作は、今年一番の注目作といってもよい。

ステージにはアッシュ・リンクス役の内田雄馬さん、奥村英二役・野島健児さんが登壇。「ここがすごいよBANANA FISH」と題した企画トークを披露した。

オーディション時のことを聞かれると、内田さんは「体調が悪くてボロボロの中でオーディション用テープを録った。そのギリギリで張り詰めている感覚がアッシュにあっていたのかも」と役に選ばれた理由を推測。野島さんは「実写の映像のような芝居で取り組んだ。心の中から出てくるものを提出した」と語った。

また、本作にかける意気込みを「愛」(内田)、「生」(野島)と、それぞれ漢字一文字で表現。内田さんは「2人の普遍的な愛」、野島さんは「生きるってこういうことだよね」とそれぞれ漢字に込めた思いを語り、ステージは締められた。

「カバネリ」「サイコパス」新作劇場版制作決定!


発表会もいよいよ佳境。第3部は新作映画が紹介された。

まずは「ペンギンハイウェイ」から。

本作は「夜は短し恋せよ乙女」「四畳半神話大系」の原作者・森見登美彦さんの小説を原作とする長編アニメ。スタジオコロリドが手がける初の長編アニメということで、気になるアニメファンも多いのではないだろうか。

2018年8月公開予定。

そして次は「甲鉄城のカバネリ」最新作「甲鉄城のカバネリ~海門(うなと)決戦~」だ。

中篇劇場アニメーションとして制作される本作について、登壇した荒木哲郎監督は「メインキャラに思い入れがあって、続きを作りたいと思っていた」と作品への思いをコメント。また今回は自身で脚本を担当。TVシリーズで脚本を手がけた大河内一楼さんや他スタッフの意見を取り入れつつ仕上げていったことも明かした。

「開かれたエンターテイメントにする」という目標のもと、鋭意製作中とのこと。


また、TVシリーズと「海門決戦」をつなぐストーリーが描かれるスマホアプリゲーム「甲鉄城のカバネリ -乱-」も発表。ステージには、ゲームに登場する新キャラクターを演じる小松昌平さん、黒沢ともよさん、梅原裕一郎さんに加え、脚本・クリエイティブディレクターの笠岡淳平さんが登壇。

笠岡さんは「これまでのカバネリらしさを出しつつ、拡張する作品を目指す」と意気込みを語った。


発表会のラストを飾るのは、人気アニメ「PSYCHO-PASS サイコパス」シリーズ最新作だ。

2012年のシリーズ第1作目以降、「新編集版」、第2期、劇場版と続いてきた本作の、一番未来のエピソードを描く最新作「PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System」が、2019年1月より3タイトル連続で劇場公開される。

今回のステージではキービジュアルと、『Case.1「罪と罰」<霜月(CV:佐倉 綾音)×宜野座(CV: 野島 健児)編>』、『Case.2「First Guardian」<須郷(CV:東地 宏樹)×征陸(CV:有本 欽隆)編>』、『Case.3「恩讐の彼方に__」<狡噛(CV:関 智一)編>』といったタイトルが発表された。

ステージには、関智一さん、野島健児さん、塩谷直義監督が登壇。すでに「Case.1」のアフレコが終わっていることや、非常に順調に制作が進んでいることが明かされた。

また、関さんによるとキャラクターについてのディスカッションに参加したり、セリフについて意見を求められたりと、監督から様々な意見が求められたとのこと。スタッフ、キャストが一丸となって制作に臨んでいることがうかがえた。

およそ2時間にわたって行われた発表会は、いずれも大きなニュースばかり。発表会の模様は「PlusUltra」~フジテレビ アニメラインナップ発表会2018~ 特設サイト、Youtube Live、ペリスコープ、LINE LIVEなどでも同時配信されており、実に27万人以上の視聴者がいたことが、最後に発表された。

なおこの模様は3月14日頃までノイタミナ公式サイトでアーカイブ視聴できるので、気になる方はぜひご覧いただきたい!

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