原由実の笑顔のメッセージが詰まった、ラストアルバム「YOU&ME」

声優・アーティストの原由実が、3rdアルバム「YOU&ME」をリリースする。本作は、彼女のアーティスト活動ラストアルバム。すでに活動休止を発表しており、本人にとってもファンにとってもメモリアルな1枚となる。
バラエティに富んだ12曲が収録され、5年7か月にわたるアーティスト活動を締めくくるにふさわしい、充実の内容。新曲として、TVアニメ「剣王朝」や実写映画「ピース オブ マッドシティ」とのタイアップ曲も収録されている。
そしてタイトル曲の「YOU&ME」は、盟友・今井麻美の作詞による、まさに集大成の1曲。未来を感じさせる、明るい楽曲となった。

ニコ生で活動休止を発表した時はドキドキしました

──原さんは今回のアルバム「YOU&ME」で、アーティスト活動の休止を宣言されました。まずはそこに至った心境からおうかがいさせてください。

原　今回のアルバムをラストにしようというのは1年以上前から考えていたことでした。声優としてもアーティストとしてもいろいろな経験をさせていただいた中で、もっともっと声優として極めたいなという思いが生まれてきたんです。両立されている方も多くいらっしゃるんですけど、自分には向いてないかもしれないなと。だったら声優に絞って集中したほうが、より世界が広がるんじゃないかなという前向きな気持ちで、今回の決定に至りました。5年7か月という長い期間、活動させていただいてきて、ひと区切りつけるのには今がいいタイミングだったなと思っています。

──休止を決意するまで、考える時間がかなり長かったんですね。

原　9枚目のシングル「If you…」を去年1月にリリースしたんですけど、その少し前にプロデューサーさんに相談していました。ですから、自分の中で考えていた時期はその前ですね。活動休止のタイミングについては2年くらい悩んでいました。

──5年7か月というアーティスト活動を総括して、どのような思いがありますか？

原　声優をやっていただけでは経験できない、たくさんのことを学ばせていただいたと思います。やはり、ライブやリリースイベントで日本各地に行くことができたのは大きかったですね。沖縄で今井麻美さんと合同のアコースティックライブを開催したり、地元・大阪の御堂筋では道路の真ん中に作られたステージで歌ったり、すべてが貴重な体験でした。それから人との出会いですね。ファンのみなさんはもちろん、ラジオやフェスではアニソンのアーティストさんたちとの交流もあって、それらを通して自分も成長できたんじゃないかなと思います。

──さまざまな現場で経験したことが、印象に残っていると。

原　はい。自分のライブでもいろいろなチャレンジをさせていただきました。たとえば、弾き語りですね。最初はギター、その次はピアノ、ドラム、ベースといろいろな楽器で弾き語りをしてきました。

──バンドの全楽器にチャレンジしたという感じですね（笑）。

原　そうなんです（笑）。これもなかなかできない経験だったと思います。めっちゃ緊張しましたね。特にピアノの時は、自分でピアノの先生を探して習いにいったんです。いっぱい練習したからこそ、間違えられないとプレッシャーを感じてしまって、本番では手が震えて。客席からも見えたみたいで、会場全体に緊張感が走って。でも、みなさんが見守ってくださっていると思うと、だんだんリラックスできるようになっていきました。会場中が愛に包まれているのを感じました。

──ラストアルバムは、ファンへの素晴らしいプレゼントになりましたね。

原　「やめます」と自分の口からお伝えして、最後にアルバムまでリリースすることができたのは、うれしいです。活動休止を最初に発表したのは、ニコ生だったんですよね。反応がダイレクトに返ってくるのがわかっていたのでドキドキしましたが、みなさんの声をちゃんと受け止めることができて、本当によかったと思っています。「YOU&ME」には、感謝の気持ちと表すとともに、今の自分がアーティストとしてできることを全部出し切りたいと思いました。