GARNiDELiAらしさとは何か。4年間の集大成と現在の音をパッケージ 3rdアルバム「G.R.N.D.」インタビュー
「魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女」や、「Fate/Apocrypha」など、数々のアニメ主題歌を手がけ、さらに描き下ろし曲「踊っちゃってみた」シリーズで数千万単位の再生回数を誇るなど、海外からも爆発的な人気を誇るGARNiDELiAが3rdフルアルバム「G.R.N.D.」をリリース。今回のアルバムはみずからのユニットの名前から取ったタイトルをつけるほど彼女らにとって重要な1枚となった。その内容はシングルの経験を生かしつつ最新の音作りを模索し、自分たちのルーツに立ち返り、ファンとの関係性を歌う充実の仕上がりとなった。それぞれに込められた思いとこだわりをたっぷりと伺った。
──前作から1年3か月のスパンでリリースされる3rdフルアルバム「G.R.N.D.」ですが、この間はシングル4枚、踊っちゃってみた3曲、その他国内外のライブが数多く詰め込まれていて、そんななか新曲が6曲も収録されていることにまず驚かされました。ストックなどがあったのか、制作のようすをお聴かせください。
メイリア 今までで一番キツイいスケジュールでしたね(笑)。6曲とも「Error」のシングル(2018年1月リリースの9thシングル)の後に取りかかったので、作り貯めていた曲は一切なく、すべて書き下ろしです。
toku 年末から作り出してほぼノンストップですね。「Error」では機材を含め、今まで自分がやりたかったことを時間かけて作って、僕がトラックダウンまで手がけた曲だったので、そこでの経験をアルバムに落とし込みたいという思いが強くありました。なので、ストック曲ではなくこのアルバム用に作った曲を収録したいなと。
メイリア アルバム制作に使えた期間は実質1か月ぐらいですね。イベントなどで、ほぼほぼ毎日動いているので、移動時間がミーティングになっているんです(笑)。待ち時間も歌詞を書いていたりとか、「ちょっとデモができたんで聴いてみて」って感じで、横から渡されたりと、時間の隙間を縫って作っていました。
──アルバムタイトルでありリードトラックでもある「G.R.N.D.」。ユニットご自身の名前を付けるところからして大きな意味が込められていると思いますが、いかがでしょうか?
メイリア かなり大きなものだと思っています。自分たちの名前を使ったタイトルのアルバムは、いつか出したいとは話していたんです。この間の4枚のシングルはジャケットも含め、振り幅が大きいものになっていて、皆さんにいろんな顔をお見せしてきていたので、改めて「私たちとは」ということについて考えを巡らすタイミングが今でした。それと、この3月で私たちはちょうど結成4周年を迎え、ここから5年目過ごすにあたり名刺代わりの1枚を作って、私たち2人が出会う前やデビューする前の活動、自分たちのルーツになっている音楽みたいなものを入れられるアルバムにしたいなと思って、自分たちの名前をつけたタイトルにしています。
──活動が大忙しで回っている中、ご自身のルーツを見つめ直した曲を作るというのはどんな経験でしたか?
メイリア 回っている最中だったからこそ、一度原点に帰りたいと思っていたところがあって、自分が本当にやりたいことに戻ってきたみたいな感じです。シングルなどでいろんなカラーを出せてきたなかで、「Error」は、ビジュアル面も含めて「GARNiDELiAっていうのはこういうことだよね」と自分たちのやりたいことと見られ方が一致して、すごく納得できたシングルだったので、それを受けて迷いなく「自分たちって、これでいいんだよね」という思いで「G.R.N.D.」 の制作にあたることができたのかな思っています。
──お話を聞くとつくづく「Error」のシングルは大きな1枚になったことがわかります。ではリードトラックの「G.R.N.D.」についてお話を聞かせてください。
メイリア これは自分たちのテーマソングを作ろうと思って作りました。今までの歌詞で使ってきたフレーズやタイトルを入れたり、私が常に思っていることを書いたりして、クレジットを見なくても誰の曲かわかるような歌詞であることを心がけました。あと、ライブで絶対盛り上がるようにしたかったんですよね。うちらとみんなのテーマソングなので。
toku 「G.R.N.D.」の曲作りに関してはテンポ感のアイデアもメイリアからもらって作った感じですね。「Error」とか「踊っちゃってみた」のシリーズのラインの間で、それでいてみんなで盛り上がれるみたいな。かけ声だったりとかクラップの連打はマストだったり。
──「盛り上げる曲作り」のポイントはどんなところにありますか?
toku この曲というか、ダンスミュージックやループのすべてに言えることですが、繰り返しですね。手拍子にしてもかけ声にしても、わかりやすい繰り返しを作ると、2度目3度目で自然とそれに合わせて動いたりできます。あのエッセンスとこのエッセンスを連打してクレッシェンドしていくと、おのずと次は立ち上がって行く、みたいな。ただ、一番大きい要素は声のテンションだと思います。楽器のテンションは同じなのにメイリアの声と歌がループミュージックに乗っかってAメロBメロ、そしてサビとだんだん上がっていくと、段々と中毒性が出てくる。そういうふうに、歌が引っ張ってくれる曲という意味では、メイリアが歌う前提で書いた感じですね。
──メイリアさんは声のテンションを上げていくうえではどんなところを意識されましたか?
メイリア 意識したことはあまりなかったと思います。
toku そこに到達するまでの音符の譜面上の上がり方をサラッとこなしてしまうので。
メイリア 私は歌詞も自分で書いているので、その段階で自分でどういう風に歌うのかを思い浮かべていて、テンションの上がり下がりみたいなものは歌詞を書いている段階でもう終わっているんです。自分で流れを作っているから歌詞の中にセットリストがあるみたいな感じだから、レコーディングをする時はすんなり行けるのかなと。それにこの曲は視覚と聴覚で楽しんでもらいたいと思っていて、最初からダンスを付ける考えがありました。ダンスも自分に根付いている要素ですので、その楽しさをみんなに伝えたいなと。今まであまりダンスミュージックに触れてこなかった人たちも私たちがきっかけで踊ってみたいと思ってくれる人が増えたらうれしいです。
──MVのダンスはメイリアさんのほうからダンサーや振付師の方にイメージをお伝えして?
メイリア そうですね。いつも詞を汲んで作っていただいています。あと、わかりやすく派手でカッコいいものをとお願いしました。これはエンターテインメントとしてカッコいいものを見せるというコンセプトです。
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