「映画 プリキュアスーパースターズ!」公開記念! 「HUGっと!プリキュア」出演の引坂理絵×本泉莉奈×小倉唯インタビュー!
現在、「映画プリキュアスーパースターズ!」が全国ロードショー中だ。
本作は「魔法つかいプリキュア」、先日大団円を迎えたばかりの「キラキラ☆プリキュアアラモード」、そして最新作「HUGっと!プリキュア」の3作品のプリキュアが一堂に会するクロスオーバー作品。
今回、映画の公開を記念して「HUGっと!プリキュア」でプリキュアを演じる、キュアエール役・引坂理絵さん、キュアアンジュ役・本泉莉奈さん、キュアエトワール役・小倉唯さんにプリキュアに選ばれた今の気持ちや普段のTVシリーズのアフレコの様子。そして映画の見どころなどをたっぷりうかがった。
フレッシュな3人のコメントに注目だ!
⇒「映画 プリキュアスーパースターズ!」公開記念! 憎めない敵キャラクター・ウソバーッカ役の北村一輝にインタビュー!
「プリキュアになること」の意味とは?
――「HUGっと!プリキュア」のプリキュアを演じることが決まった時の率直な気持ちと、役にかける意気込みをお教えください。
キュアエール役・引坂理絵(以下、引坂) マネージャーさんから連絡が来たのですが、まさか私が受かるなんて!と。自分含め誰も想像もしていないことだったので、びっくりしすぎて言葉になりませんでした「自分がプリキュアになる」ということを理解できるようになると、今度はプレッシャーが押し寄せてきました。収録が始まってもなかなか録れない日々が続いています。でも、15年続いている誰もが知っている「プリキュア」という作品に関われることを光栄に思います。
やっぱり、改めて15年も続いて誰もが知っている「プリキュア」という作品に関われることはとても素晴らしいことだな、って思うんです。今の子どもが大きくなった時に「私、昔は『HUGっと!プリキュア』を見てたんだよね」と言われる(笑)ような作品に携われることがすごく嬉しいです。
今は話が進むにつれて、表面からは見えてこないキャラクターの新たな一面も見えてきたところです。監督やシリーズ構成の坪田文さんからアドバイスをもらいながら、どんどんキャラクターが濃くなってます。
キュアアンジュ役・本泉莉奈(以下、本泉) 私は前作「キラキラ☆プリキュアアラモード」でもオーディションを受けさせていただいたんですが、その時は緊張で頭が真っ白になってしまい、やりたいことが何もできなくて、後悔しかなかったです。
今回の「HUGっと!プリキュア」のオーディションは、「前回より悪くなることはない」と開き直るくらいの気持ちで臨めたので、「受かった」という報告をいただいた時には感慨深いものがありました。その後は、まだ現実じゃないような感じで過ごしていたんですが、みなさんとお会いして、薬師寺さあやや、キュアアンジュとしての声を録っていただいた時、初めて「本当に私でいいんだな」とホッとしました。
アニメ本編の収録を重ねていく中で、さあやの知らなかった部分もどんどん見えてきました。今は彼女の魅力をどう見せて、どう作品を盛り上げていくかを考えながら収録に臨んでいます。
キュアエトワール役・小倉唯(以下、小倉) 私は今回、初めて「プリキュア」のオーディションに参加させていただいたんですが、スタジオオーディションに進んだ時に、初めてプリキュアの伝統あるオーディションのやり方を知りました。なんというか……ほかの作品とはひと味ちがった、おごそかな緊張感がありました。
オーディションではあるんですけど、監督やシリーズ構成の坪田さんからは「HUGっと!プリキュア」についてのお話やキャラクター性について、すごくていねいにご説明いただきました。そういった部分での驚きもあって、オーディションではいつもより緊張してしまい、自分の力が出し切れたか、ちょっと不安だったんです。
でも、やっぱり「プリキュア」は小さいお子様が見る作品でもあるので、少しでも何か気持ちを伝えられればいいな、と挑ませていただいて。その気持ちはぶつけられたかな、と思ってます。結果を聞いた後は、しばらく「ドッキリじゃないよね?」って感じでしたね(笑)。
今はプリキュアとして自信を持って演じないと失礼だな、という気持ちです。「映画プリキュアスーパースターズ!」でも先輩のプリキュアさんたちの背中を見ながら、「この伝統ある作品を、今度は私たちが受け継いでいく番なんだ」という風に感じています。最後まで責任を持って、楽しく演じられればいいな、と思います。
――声優のみなさんにとって、“プリキュアになる”ということはどのような意味を持っているのでしょう?
引坂 見ている子どもたちの将来にも関わる作品になるかもしれないって考えると、すごく責任重大な場所にいるな、と。だけど、それって人生に一度あるかないかくらいの奇跡で。本当に幸せなことだなと思います。
本泉 「HUGっと!プリキュア」は15年目の「プリキュア」ということで、バトンがつながっているのをすごく感じます。「映画プリキュアスーパースターズ!」で先輩方の背中を見ながら収録させていただいた時も、本当に「格好いいな」と思いながら、収録に臨みました。もちろん責任やプレッシャーもとても大きいんですが、プリキュアに選んでいただいた以上、自分なりに自信を持って頑張らないといけないな、と思っています。
特に「HUGっと!プリキュア」では“職業”や“子育て”といった要素が関わってくるので、見てくれている子どもたちに影響を与えられたら嬉しいです。私としては、こうしてプリキュアとしてお話をさせていただくことも幸せですし、一生のうちで大切なものになっていくと思います。
小倉 「プリキュア」というと、日本の時代を反映するような文化と言っても過言ではないくらい、その世代や時代を担っている作品だと感じます。私はまさに「ふたりはプリキュア」をリアルタイムで見ていた世代です。「プリキュア」はその時代の文化や風潮、はやっているものが顕著に反映されているので、歴史が続いていくことですごく重みのある作品になっています。「HUGっと!プリキュア」を見ていた子が大きくなった時に、作品の中に登場するアイテムや言葉遣いを見て、今の時代を思い出すきっかけになったり、心の中に少しでもい続けてくれるような作品やキャラクターになれたらいいな、と思ってます。
意外と似ている? キャストは、キャラそのもの!
――お互いから見て、声優さんと演じるキャラクターで似てる部分はどんなところですか?
本泉 はなちゃん(引坂さん)は、はなちゃんそのものだよね。
小倉 中の人とすごくリンクしてるよね。まっすぐでひたむきなところもそうだし、前髪も一緒(笑)。アンジュ役の莉奈ちゃんも心やさしいお姉さんというか、落ち着いていて頼れる存在。
引坂 莉奈ちゃんは見てるだけで安心する。
本泉 本当に? あらー、嬉しい。
引坂 ほまれちゃんもすごいギャップのある子だから。
本泉 確かに、ほまれちゃんは「クールだけど、かわいいところもある」っていうギャップがすごい。
引坂 やっぱりみんな自分と似てる要素があるのかなって思います。
――収録現場で、監督やシリーズ構成の坪田さんなどから言われた言葉で印象に残っているものはありますか? 演じるうえで大事にしようと思ったことなど……。
引坂 「今やっているよりも元気に!」とか、「もっと楽しく! 元気にやっちゃおう!」というアドバイスをいただいています。
本泉 (キュアアンジュの)さあやは、「とにかく天使です」と(笑)。(デザインで)羽も生えているので、そこも意識して包み込むようなやさしさや包容力を表現できるよう心がけています。さあやは自分に自信がないので、人から褒められても素直に喜べないところがあるんです。でも、はなちゃんが「みんなにやさしくできるのは勇気があるからだよ」と言ってくれるシーンがあって、それがすごく響いていて。そういった部分を、肉弾戦バトルでのアンジュの強さに変えていきたいです。そうやってやさしさと強さを使い分けて表現するようにしています。
小倉 ほまれは普段はすごくクールで格好いい、女の子の憧れ的な存在なんです。でも実際には恥ずかしがり屋だったり、ギャップを垣間見れる瞬間がすごくあって。もともとまっすぐでいい子なんですけど、過去にトラウマがあってトゲのある部分もある。本編では、そんな彼女の一歩踏み出したいけど踏み出せない葛藤が描かれます。特にほまれがプリキュアになれるのか、というシーンでは、彼女の心の揺れ動きがすごくあらわになっています。そういった「ほまれの心の揺れ動きは、常に意識しながら演じてもらいたい」とお話しいただいたので、そこは意識しています。
それと、プリキュアになってからのほまれは自信に満ち溢れているので、みんなが憧れる格好いい存在になれるようがんばって演じていきたいです。
――ちなみに、収録現場でのみなさんのチームワークはいかがですか?
小倉 最初はもうバラバラだったよね(笑)。
本泉 全然合わなくて……。「せーの」って言っても合わなかったです(笑)。
小倉 はなちゃん(引坂さん)も緊張がすごくて、何も食べれてなかったもんね。
引坂 ようやくちょこっと食べられるようになってきました(笑)。
小倉 スタッフさんも、すごく場をなごませてくれようとするんです。「はなー、力抜いていいよー」みたいな。
引坂 私たちを見守る父と母のような温かい現場です!
アフレコで共演! 先輩プリキュアの背中から学んだこと
――「映画プリキュアスーパースターズ!」では、「キラキラ☆プリキュアアラモード」のプリキュア声優さんと一緒の収録だったそうですが、プリキュアの先輩たちを見て、どう感じました?
本泉 とにかく格好よかったです……! アフレコの様子を見ていても、みなさん自分が演じるキャラの特性を身にしみてわかっているからか、「この場面だと、この子はこうすると思うからこんな風に演技していいですか?」とおっしゃっていて。そういった部分を見習って、自分のキャラをどんどん魅力的にしていかないとな、と感じました。
小倉 歴代の先輩プリキュアと会話をするということが、すごく心に響きました。マイクワーク(収録現場において、マイクの前で声優たちが入れ替わり立ち代わりする動きのこと)にしても、先輩たちと一緒に行動することでよりプリキュアとしての自覚も芽生えてきて。「やっとプリキュアの一員になれたんだ」って実感が湧きました。
ただ、「私たちもちょっとずつ息が合ってきたかな?」って希望が見えてきたところで、先輩たちがセリフを合わせているところを見ると「これが現実か……」とも思いました。先輩たちからは「私たちも20話くらいまで合わなかったから大丈夫だよ。いつか合うよ」って言ってもらったんですけど……。反対に、「あ、やっぱり私たち、まだ合ってないんだ」って(笑)。
引坂 収録の回数を重ねていくごとに、私達も息が合ってくるのかな?と思うのですが、やっぱりまだ見えてこないところがあって。
本泉 でも逆に、負けていられない!って気持ちにもなりますよね。
小倉 先輩の影響を受けて、私たちももっとそれ以上のものを目指してがんばらなきゃって、より団結力が上がった感じがします。来年には、立派な先輩プリキュアになりたいです。
――それでは最後に、「映画プリキュアスーパースターズ!」ならではの見どころをお教えください。
引坂 今回のお話では、はなちゃんが昔の約束を果たせなかったことから、すべてがスタートしています。約束を守れなかったことについて、はなちゃんがどうアプローチしていくのか。それがお話のキーになっていくと思います。そして、はなちゃんが(ゲストキャラクターの)クローバーの芯の部分とぶつかるところも見どころです。
本泉 「映画プリキュアスーパースターズ!」では三世代のプリキュアが集まるということで、テレビアニメでは見られない世代を超えたキャラクター同士の交流があります。ぜひそこに注目していただきたいです! 「1人じゃダメでも2人なら! 2人じゃダメでもみんななら!!」というシーンがあるんですけど、そういったみんなで悪に立ち向かう結束力、プリキュア同士の絆を強く感じられる作品だと思いますので、何度でも見ていただけると嬉しいです。
小倉 作品自体のテーマは、大人にも子どもにもわかりやすい「約束」です。ただ、お子さんだけじゃなく、大人が普段、「当たり前」と感じてしまっている大切な気持ちに改めて気づくような場面もいろいろ盛り込まれてます。本当に、家族みんなで見ても楽しめる作品になっていると思います!
――ありがとうございました。
(取材・文/須賀原みち)
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