竹達彩奈・佐倉綾音の徹底的演技論「ラーメン大好き小泉さん」キャスト対談

美少女が大好きなラーメンを食し、うんちくを語る。その異色さが「ラーメン大好き小泉さん」の最大の特徴であり魅力だ。実在する人気店が数々登場し、「食べに行けるアニメ」として足を向けた視聴者も多いことだろう。アニメ化にあたって、さまざまな工夫が込められているが、彼女たちの食す音の出すシズル感は欠くことのできない重要なポイントだ。今回、放送終了とBlu-ray Disc発売を記念して、主人公・小泉さんを演じる竹達彩奈さんと大澤悠を演じる佐倉綾音さんの対談をお届けする。「ラーメンをすする音」の追求から「ボールドの間にどんな芝居を込めるか」まで、こだわりの演技論を展開していただいた。


──お2人は「ラーメン大好き小泉さん」に最初はどのような形で触れましたか?

佐倉 私はオーディションを受ける前から原作を読んでいました。元々エッセイマンガが好きで、その延長で食事を扱うマンガにハマっていた時期がありまして、その流れで知りました。いわゆる萌え系の絵柄だけれども内容とのギャップがあってすごく面白いなと思って読んでいましたね。その頃、「ラーメン大好き小泉さん」はどこの本屋さんでも平積みされていた記憶があります。

竹達 私も本屋さんでもすごくフィーチャーされていたのをきっかけに気になって、それで読んでいたんですよ。食レポ系のマンガは好きなのですが、ダメですね。読むと絶対にお腹減っちゃうんですよ(笑)。それが悔しくて悶々としながら読んだりしていました。それと、この作品はラーメンを食べている表紙の絵がちょっとセクシーなのが印象的でした(笑)。健全なマンガのはずなのに、なぜかドキドキして、見てはいけないものを見ているような気持ちで本屋の前を通り過ぎていましたね(笑)。

──オーディションのようすと役作りの仕方について教えていただけますか?

竹達 私は最初、小泉さん役ではなかったんです。スタジオ(オーディション)の前段階としてテープオーディションがあって、そのときは小泉さんと美沙を録って、美沙役の候補としてスタジオに呼ばれたんです。そうしたらスタジオで「小泉さんもやってみてください」とおっしゃっていただいて、その結果小泉さん役として選ばれるという形で決まったんです。テープのときとそこでの演じ方で何か特に変えたというわけではないのですが、不思議な経験でした(笑)。


佐倉 私はオーディションの時は潤以外のほぼ全キャラを受けていました。その際、それぞれのキャラクターを立たせるために、小泉さんは思いっきり大人しくクールに、対照的に悠はボーイッシュに作ってみました。決まってからは悠だけに集中したのですが、アニメの絵が思ったよりも丸みがあって色が淡くてかわいらしかったので、それに負けないようにかわいくなっていたのをセトウ監督から「もう少しボーイッシュに」という指示があり、そこを意識して全編演じていたという印象です。あと、オーディションの段階からテンションを高めにと言われていまして、第1話のアフレコの際にキャラクターの説明が1人ひとりにあって、そこで監督から「佐倉さんが好きなモノや人について語っている動画を見たので、悠はあんな感じでやってほしい」と言われました。なので、その時の記憶を手繰り寄せながら、使える感情は当てはめつつ作っていった形ですね。

──なるほど。先ほど監督が「佐倉さんが好きな好きなモノや人について語っている動画」というのは、何についてお話されていただんですか?

佐倉 えっと……花澤香菜さんについて語っていて……。

(一同爆笑)

──佐倉さんは役柄とご自身を結びつけることはあまりしないそうですが、悠の感情と近いと思いますか?

佐倉 それが、そうでもないんですよ。花澤さんはやっぱりやさしいから、ほら小泉さんは冷たいですし……ってみんな何でめっちゃ引いているんですか?!

竹達 いや……(笑)。あやねるは意外とサイコ野郎だったんだなと(笑)。

(一同爆笑)

竹達 私たちはいつも悠のことをサイコレズだよねと言っていたんですけど、あやねるって……?(笑)。

佐倉 待ってー! いや違うんです。私はちゃんと相手のことを考えて相手の幸せのことを一番に考えて動いているので。

竹達 悠も「小泉さんの幸せを考えて」と言うと思うよ?(笑)。

佐倉 私は彼女の幸せに自分が必要ないなと思ったら潔く離れると思うんですよ。

竹達 ふむ……って、1クールずっと一緒にやってきてこんなに目が輝いているあやねるは初めて見ました(笑)。花澤香菜ちゃんがそんなにパワーになるとは。

佐倉 っていう感じにしゃべっていた動画でした。でも悠よりは絶対マシだと思います!(笑)。


竹達 悠になる素質はあると思うよ?。

佐倉 人は皆、好きになるじゃないですか!

竹達 (席を少しずつずらしながら)たしかに……、好きなものに対して語るというのは……、誰しもあることだからね……。

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