「映画プリキュアスーパースターズ!」公開記念! キーパーソン・クローバー役の小野賢章にインタビュー!

現在、「映画プリキュアスーパースターズ!」が全国ロードショー中だ。

本作は「魔法つかいプリキュア」、先日大団円を迎えたばかりの「キラキラ☆プリキュアアラモード」、そして最新作「HUGっと!プリキュア」の3作品のプリキュアが一堂に会するクロスオーバー作品である。


今回、映画の公開を記念して「映画プリキュアスーパースターズ!」キーパーソンとなるオリジナルキャラクター・クローバー役の小野賢章さんにインタビュー!

果たして、どんな思いで本作に出演したのだろうか?

――「映画プリキュアスーパースターズ!」でクローバー役を演じる小野さんですが、まず「プリキュア」シリーズについて、どのような印象をお持ちでしたか?

小野賢章(以下、小野) 小さい頃に、(ニチアサとして)その前に放送されている戦隊モノからの流れで、妹と一緒に見ていたのをぼんやり覚えています。記憶には残っているので、楽しんで見ていたんだろうな、と。

ただ、やはり「プリキュア」は女の子の作品という印象も強いので、自分とは縁がないものなのかな、ともなんとなく思っていました。ですので、お話をいただいた時はすごく嬉しかったです。

――改めて、小野さんが演じられるキャラクター・クローバーの役柄について、お教えください。

小野 不思議な世界にいる男の子の妖精です。彼がいるのは、もともと一面にクローバーが生えたキレイな世界でした。でも、ある時にそこが色のない灰色の世界になってしまい、そこからずっと出られずにいろんなことを諦めてしまったんです。その世界で、クローバーは昔、のちにキュアエールになる野乃はなと出会います。

――“女の子の作品”という印象だったということですが、女児向けアニメということで、演じる際に意識された部分はありますか?

小野 ファミリーアニメでもあるので、すごくシンプルに演じようというのは意識しました。何か裏がありながら話す、といった難しいことは一切考えず、「約束が守られなかったから悲しい」というまっすぐな気持ちでやれたらいいな、と。

子どもってすごく素直で、感じたままがすべてだと思うので、体当たりでやろうという気持ちでした。脚本を読んでいても、シンプルなお話の中にもすごく大事なものがある、ということは感じていましたね。大人になってからは「約束を守る」といった大事なことって、無意識になってしまうと思うんです。でも、作品を通して改めて見ると、本当に大事なことだというのがわかる。そういったこの作品が一番伝えたいところがしっかりと伝わったらいいな、という思いで演じさせていただきました。


――クローバーの役柄をつかむまでに時間はかかりましたか?

小野 演じる前に、どういった声にしようか? というのは一番悩んだところですね。監督からはすごくていねいに役柄や雰囲気を説明していただいたので、あまりリテイクもなくサクサク進みました。それはそれで逆に不安だったんですけど(笑)。

クローバーが10歳ということで、高い声というのはなんとなく思っていました。また、作品のキーワードが「約束」で、キャラクターの雰囲気としてははかなげで不思議な男の子。なので、最大限“男”の成分は抑えて、吐息を多めにウィスパーボイス気味で演じたんです。僕自身、すごく楽しんでやらせていただきました。

――キャストが発表される前に公開された予告編の反応を見ると、「クローバーが小野さんとは思わなかった」という声もあるようです。

小野 人それぞれだとは思いますが、「(演じている声優が)誰だかわからなかった」と言われると嬉しいですね。僕が今まで演じてきたキャラクターとそのイメージがある中で、やっぱり想像を裏切っていきたいというのはあります。嫌な役を演じている時に「このキャラ、嫌だな」と思われたい、という感覚とも近いです。

僕にとって、クローバー役は挑戦でもあったので、いろんな可能性や広がりを持ててよかったと思っています。

――作品の中で何か感じたことはありますか?

小野 外の世界に出たことがないクローバーは、はなと出会い「外の世界を見せてあげる」という彼女との“約束”から話が始まります。そこで思ったのは、人それぞれで約束の重さっていうのは違うんだな、と。何もない世界にいるクローバーにとって、その約束しか楽しみがなかったのですが、それが恨みに変わっていってしまう。もちろん、はなもその約束を軽く見ていたわけではないと思うんですが……。

そんなふうに、人によって“約束”といった物事の受け取り方も違う、というのは、この映画ですごくシンプルに表現されていると思いました。子どもは素直に受け取って「約束を破ったらいけない」と思うでしょうし、大人は大人で「約束を守ること」は大事だな、と改めて感じる。そんなふうに、どの世代が見ても刺さるものがあると思います。

――ちなみに、小野さんは子どもの頃に受けたショックな思い出とかありますか?

小野 親が転勤族だったので、子どもの頃は転校が多かったです。だから、仲良くなっても離れてしまうのは子どもながらにショックでしたね。約束を破られたわけではないんですけど、「また連絡を取ろうね」って言っていても、連絡を取らなくなるとか(苦笑)。

あとは、大人になってから社交辞令的に「今度、ご飯に行こうよ」って言いますけど、行かないこともあって……。これはよくないことだと、「プリキュア」に教えてもらいました(笑)。

――最後に、「映画プリキュアスーパースターズ!」の見どころをお教えください。

小野 外のキレイな世界に行ってみたいけれどなかなか一歩踏み出す勇気が出ない気弱なクローバーが、一歩踏み出す勇気を持って決意をする瞬間があって、僕の中では、その気持ちの変わり方をすごく大事に演じました。その部分を感じ取っていただけたら嬉しいです。

また、「映画プリキュアスーパースターズ!」はファミリー映画として、見た後の気持ちよさというのをすごく感じました。なので、(「プリキュア」の劇場版ではおなじみの)「みんなでプリキュアを応援しよう」というシーンでは、ぜひ一緒になってプリキュアを応援して楽しんでもらえたらな、と思います。


(取材・文/須賀原みち)

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