「お前はまだグンマを知らない」第1話感想:籠原駅で前の5両を切り離します!

この4月よりスタートしたショートアニメ「お前はまだグンマを知らない」。
ウェブコミック配信サイト「くらげバンチ」にて連載中のコミックが原作だが、その内容は、ネット上でやたらとディスられることの多い「グンマー」(群馬県/県民)の「あるある」を、やたらとテンション高めの大げさなアクションでデフォルメするというコメディである。

あまりにもローカルネタすぎる本作だが、何と民放局では地元の群馬テレビ(群テレ)しか放送しないという、あまりのローカルっぷりが泣ける。ただ、アニマックスやGyao!でも配信されているので、ぜひチェックいただきたい。そんな超ローカル作品のネタを、グンマー出身の筆者が、愛をもって、詳細に掘り下げ解説する。

記念すべき第1話「心にググッとグンマ県」は、チバ県からグンマ県に引っ越すことになった主人公・神月 紀が、グンマに向かう電車(高崎線)の中で遭遇する、とある事件がネタになっている。


それは、「籠原駅(埼玉県熊谷市)の謎」である。


高崎線で東京からグンマ(高崎)へ向う下り電車にはいくつかの種類があるが、その中間あたりに位置するのが、上記の籠原駅である。この籠原駅には、高崎線内最大(たぶん)の車庫があるため、籠原止まりの電車も多く存在する。当然ながら、グンマに向かうためには籠原行きではたどり着けず、高崎行きなどの電車に乗り換えなくてはならない。


まあそれは当たり前なのだが、もうひとつ、籠原駅では、他県の人が見落としがちなトラップが用意されている。それは、「籠原駅で前方5両の車両を切り離す電車がある」というもの。高崎線の多くの電車は15両編成となっているが、籠原駅でこのうち前方5両を切り離すため、この車両に乗っていてうっかり寝てしまったりしていると、車掌さんなどに起こされて、後ろの車両に乗り換えるようにうながされる。


第1話ではこの現象を面白おかしく取り扱っており、籠原駅で気がつけば、車両には誰もおらず、(怖い顔をした)車掌さんに迫られる、というオチだ。東京方面に通ったりしているグンマーにとっては、誰でも知っている当たり前のことなのだが、知らないでいると、案外ビックリするものかもしれない。


しかも、籠原駅を過ぎると、車両のドアが自動では開かなくなる(ボタン式になる)のも、グンマーあるあるだ。籠原を過ぎると乗降客が少なくなるのと、特に冬期は、このあたり非常に寒くなるので、ドアを極力開けたくないため、このような仕様になっているのだと思うが、途中までは普通に自動で開いていたドアが、いきなり開かなくなると、これはこれでビックリするのかもしれない。


本作では、電車内の殺伐としてくる風景に(ヤンキー率が高まるなど:笑)思わず電車を降りようとする神月が、それを知らず、「電車に閉じ込められた!」とパニックになるというオチだが、これもグンマーなら誰でもご存じの「あるある」だ。

(編集部・鎌田)

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