「LOST SONG」第1話感想:故郷全滅! いきなりハードモードからスタートした歌姫の物語

鈴木このみ、田村ゆかりという2大歌姫が主演を務め、かつ劇中でも歌が重要な要素として描かれる春アニメ「LOST SONG」がスタート!


主要キャラが勢ぞろいする中、主人公・リンともうひとりの主人公・フィーニスが、楽団を従えてステージに立つ。その眼前には巨大な惑星の姿が……という、クライマックス感なバリバリのアバンから幕は上がります。壮大な、まさしく王道ファンタジーRPG的なビジュアルと、ストリングスを大きくフィーチャーしたBGMがいやがうえにも気分を盛り上げます。

大作アニメきたぁぁあああ!的な感じです。

さてさて、そこから改めて本編スタート。リンの暮らす田舎の村と、フィーニスの過ごす王都の様子がそれぞれていねいに描かれていきます。


歌の不思議な力で国民のアイドル的存在のフィーニス。しかしながら、特権階級意識の塊のようなルード王子は、彼女の力をプロパガンダに利用して戦争を始めようとしています。かたや田舎で過ごすリンは、歌と食べることが大好きな女の子。幼なじみの発明少年・アルとともに、王都で歌いたいという願いを抱いていますが、育ての親でもある村長はリンに歌うことを強く禁じています。どうやらリンの歌にも、不思議な力が秘められているようで……。


中盤までは穏やかな日常と華やかな王都の様子が描かれますが、後半より徐々に不穏な空気が漂い始めます。フィーニスは王子の、戦争に向けての演説を受けて兵に向けて歌を歌うはめになりますし、リンは何者かに追われ、負傷した王都の騎士・ヘンリーと遭遇。彼を「癒しの歌」の力で救うことになります。

怪我も治り、ひと安心……と思ったのもつかの間、リンの力を知った王国の兵たちの手によって村に火を放たれ、村長や姉代わりのメルたちが無残にも殺されてしまいます。どうやら兵を率いる将軍はリンの力を求めている様子。

いきなりずいぶんとハードな展開!

ここからふたりの歌姫の運命がどのように交錯していくのか、楽しみですね。

そんな本作の見どころは、やはり「歌」。時にミュージカルのようにキャラクターの気分を歌に乗せて描いたり、また第1話クライマックスのようにリンとフィーニスの歌がユニゾンしてドラマを大きく盛り上げたりと、随所に盛り込まれた「歌」が物語を引っ張っていきます。

その歌声も、元気はつらつな鈴木このみの歌声が印象的なリン。そして上品かつ、どこかミステリアスな響きを持つ田村ゆかりのフィーニスと、それぞれに個性的。歌唱力はもともと折り紙つきのふたりですが、彼女たちの歌声がシンクロした時の高揚感は特筆モノ。感動が2倍、いや3倍、4倍にも高まります。

冒頭のシーンによると、今後彼女たちはさまざまな仲間と出会い、最終的に何かの目的のためにともに歌うことになるのでしょう。そこにどんな意味が、そしてどんなドラマがあるのか。じっくり見届けていきたいと思います!

(編集部・有田)

【第1話あらすじ】

癒しの歌
大きな月が浮かぶ、地球とよく似た違う星。そこには、地球と同じように無数の人々が暮らしている。食いしん坊で歌が大好きなリンと発明と科学を信奉する少年のアルは、ダンデラという辺境の村で、厳格な祖父のタルジアと2人の姉で母親代わりのメルと仲よく住んでいた。ある日、森に出かけたリンとアルは、瀕死の騎士を偶然見つける。若い騎士の命を救うため、リンは強く禁じられている「癒しの歌」を歌ってしまい…。それは、恐ろしい悲劇の始まりとなった。

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